雑木帖

 ─ メディアウオッチ他 ─

暗黒の時代の入り口に立つ世界

2006-01-02 05:36:10 | 政治/社会

産経新聞 2006.01.01
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/kokusai/20060101/m20060101010.html

「通信傍受」漏洩 捜査開始 報道の自由、論争再燃も
2006年 1月 1日 (日) 05:05

 【ワシントン=樫山幸夫】令状なしの通信傍受がメディアで報じられた問題が、司法当局の捜査にゆだねられることになった。米司法省は三十日、この問題をリークした政府高官に対する捜査を開始したことを明らかにした。令状なしの通信傍受が適法かどうかをめぐって論議を呼んでいるが、今回の捜査開始で、報道の自由をめぐるより大きな論争に発展する可能性がでてきた。

 司法省高官は、「国家安全保障局(NSA)に関する機密情報が違法に漏洩(ろうえい)した問題について捜査を開始している」と述べ、犯罪の容疑事実、捜査対象などについては言及を避けた。ただ一方でこの問題を最初に報じたニューヨーク・タイムズ紙に情報をリークした政府関係者を特定することに捜査の狙いがあることも明らかにした。

 NYタイムズは記事の中で、取材の過程では「一ダース近い数」の政府高官から協力を得たことを明らかにしている。このため、捜査ではNYタイムズや他のメディアに対する協力、大陪審での証言要請などが行われるとみられ、政府とメディアの新たなあつれきが生じる可能性がある。

 この問題は十二月十六日付のNYタイムズが最初に報じた。二〇〇一年九月十一日の同時テロ直後にブッシュ大統領が国防総省の情報機関であるNSAに対し、米国と海外との間の電話、電子メールを令状なしで傍受することを認める命令を出していたことが明らかになった。

 議会の民主党や一部法律専門家らは、令状なしの傍受が違法である-として強く反発。共和党の一部からも強い懸念が指摘されており、議会での公聴会を計画する動きも出ている。

 これに対し、ブッシュ大統領は十二月十九日の記者会見で、テロリストに手の内を知られることは「危険この上ない」と指摘。リークについて「恥ずべき行動」として徹底的に捜査する強い姿勢を示していた。

 米国内では昨年秋、CIA(米中央情報局)工作員の氏名漏洩事件で、やはりNYタイムズの記者が大陪審での証言を拒否したため、法廷侮辱罪で三カ月近く拘留され、報道の自由をめぐる論争を巻き起こした。
 「暗黒」は大袈裟では?と自問してみるが、アメリカという、世界に大きな影響力や関与を持つ国の長が、令状無し盗聴を指示したということすらメディアで報じることができない世の中は、いったいどうなっていくのかと考えると、他に言葉がみつからない。

 今のそのアメリカの野放図な権力を助長させている要素の一つには、経済大国日本の小泉政権の隷属的な存在もあると思う。

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