雑木帖

 ─ メディアウオッチ他 ─

昨夜からの「共謀罪」記事に思う

2006-06-02 22:46:05 | 政治/社会
 記者は本気を出すとやはり力(りき)があるね。昨夜からの幾つかの記事を見て、あらためてそう思った。

 でも、採決が流れてほんとよかった…。

【朝日、毎日の今日2日夕刊の一面】



 共謀罪、民主党は採決応じぬ方針 [朝日新聞] 2006/06/02

 「共謀罪」創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案をめぐって与党が民主党の修正案をそのまま受け入れる方針を示したことに対して、民主党は2日午前の国対役員会で、衆院法務委員会での採決には応じられないとの方針を確認した。同委員会への民主党案提出も見送る。これに対し自民党の細田博之、公明党の東順治の両国対委員長は、民主党が対応を変えない限りは、継続審議もやむを得ないとの認識で一致した。

 細田氏は「継続審議もあるか」との記者団の質問に「まあ、そうでしょう」と述べた。「民主党が出席しないのに民主党案を採決することはありえない」とも語った。

 与党は今国会での成立をめざし、民主党案を受け入れることを決め、2日にも採決する考えだった。一方、民主党は、政府が「民主党案では国際組織犯罪防止条約を批准できない」としてきた国会答弁を修正することを採決の条件としていた。

 この点について麻生外相は2日午前の記者会見で「民主党案では条約の批准はできない」との考えを改めて示し、「国際条約を批准することにあたっては(条件は)満たしていない」と語った。

 小泉首相は2日、首相官邸で記者団に「執行部に任せている」と述べるにとどめた。自民党内では改正法成立後も批准に向けて、民主党との協議を続けるべきだとの声が出ている。自民党が再修正を前提としていることに、民主党内から「偽装丸のみだ」(国対幹部)との反発が出ている。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日午前、今国会での採決について「基本的には無理だ」と記者団に語った。渡部恒三国会対策委員長も同日午前の国対役員会で「話し合いに応じることは出来ない」として、2日の委員会審議には慎重に対応するよう、衆院法務委員会の平岡秀夫・民主党筆頭理事に指示した。

 平岡氏は「批准はダメだと言われたら、採決の前提を欠く状況だ。『政府として努力する』というのが(採決の)前提だ」と話した。荒井聰国対委員長代理も同日の記者会見で今国会中の見通しを問われ、「今後の話し合いだけど、私の気持ちではぷっつり切れた」と不快感を示した。

 共謀罪:民主党、採決に応じない方針 [毎日新聞] 2006/06/02

 民主党は2日午前、「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐり、与党側が民主党の再修正案に賛成する考えを表明したことについて対応を協議し、再修正案の提出見送りと採決に応じない方針を固めた。麻生太郎外相が同日の会見で「民主党案では国際条約の批准はできない」と発言したことに反発している。これを受け、与党は国対委員長会談を開き、民主党が採決に応じない場合、改正案を継続審議とする方針で一致した。

 民主党は2日午前から対応を協議した。麻生氏の発言や自民党内で「次の国会で修正すればいい」などの考えが浮上していることに反発。鳩山由紀夫幹事長は同日にも提出する方針だった再修正案について、記者団に対し「出せるような状況ではない。審議にまず応じるべきではない」としたうえで「(今国会の採決は)基本的に無理だ」と述べた。民主党は麻生氏らが発言を撤回しない限り、審議に応じない構えを見せている。

 共謀罪新設の根拠となる国際組織犯罪防止条約は、対象犯罪を「4年以上の拘禁刑に当たる罪」で「国際性とは関係なく定める」と規定。民主党案は「5年超の懲役・禁固に当たる国際犯罪」に限定しており、麻生氏の発言は同条約の批准を明確に否定した。


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