ブリの森づくりプロジェクト  

~森の再生からブリの来るまちへ~  小田原市無尽蔵・環境(エコ)シティ  ブリの森づくりプロジェクト 

箱根山地シカフォーラム

2020-02-12 09:27:32 | 小田原山盛の会


箱根山地シカフォーラム
~シカの生息密度を抑え本気で箱根を守るには?~

主催:NPO法人小田原山盛の会 後援:小田原市 
日時: 2月29日(土) 13:00~17:00
場所: 小田原市生涯学習センターケヤキ大会議室(会場12:30)

新型コロナウイルス感染防止のため開催を延期します。
日程が決まりましたらご案内いたします。


第一部 調査報告等 13:00~
●止まらない林業被害・ダニ調査・アオキで誘引捕獲 川島範子氏 (NPO法人小田原山盛の会) 
◆くくり罠チームでシカ50頭捕獲 穂田芳雄氏 (おだわらイノシカネット) 
●静岡県のマダニ媒介性感染症・・・大石沙織氏 (静岡県環境衛生科学)
●低密度下で利用頻度の高い餌植物の栄養価とアオキ、スギ、ヒノキ、ササ 
 古林賢恒氏 (元東京農工大森林生物保全学研究室) 
◆箱根に生かす全国の事例・・・森洋祐氏 (野生動物保護管理事務所)

県市町村森林管理者の取り組み14:40~
●国立公園でのニホンジカ対策・・・石川拓哉氏 (環境省富士箱根伊豆国立公園管理事務所長)
◆神奈川県の取り組み・・・松本開地氏 (神奈川県環境農政局自然環境保全課)
●箱根町の取り組み・・・佐藤仁夫氏(箱根町環境課)
◆湯河原町の取り組み・・・露木豊和氏(湯河原町農林水産課)
●小田原市の取り組み・・・新倉和宏氏・根津昌弘氏 (小田原市農政課・環境保護課)

第二部
パネルディスカッション15:40~17:00
・・・・・
小田原山盛の会のシカ調査も今年で5年が経過しました。
わずかな期間に箱根山地はシカの影響で植生劣化が進行し、農林業被害は多発し柵なしでは成林しない、営農できない状態となりました。
スギ・ヒノキ新植地では枝葉や樹皮を採食され、角こすりされる苗の調査を継続してきましたが、それと同じことが自然林でも起こり、山の木々が失われ続けています。
また同時にマダニの分布も拡大し、湯河原町では今年5月にダニによって媒介される紅斑熱の患者が発生しました。
小田原市域でも紅斑熱を媒介する種類のマダニの分布が確認されました。
私たちは仲間とくくり罠による捕獲団体をつくり、今年度小田原市久野で55頭のシカを捕獲しました。
後戻りできないほどの植生劣化、森林機能の低下に至る前に、私たちは今何ができるのか。
箱根山地の捕獲体制強化を考えるシカフォーラムを開催します。
是非ご参加くださいますようお願いいたします。

問い合わせ
NPO法人小田原山盛の会事務局 川島
メールアドレス 
携帯 090-9349-7014

フォーラム「箱根山地のシカ対策強化を考える!」

2019-04-28 08:50:39 | 小田原山盛の会

2019年2月23日フォーラム「箱根山地のシカ対策強化を考える!」
NPO法人小田原山盛の会
 

第一部 本会調査報告と行政の取り組み報告
1. 本会調査メンバーによる報告
1)林業被害の実態    柏木 聰
2)シカの生息密度    天野忠明
3)アオキによる誘引捕獲 川島範子
4)植生劣化について   伊東健二

本会メンバーの発表内容は、平成30年度冊子を参照のこと。


 1)林業被害の実態    柏木 聰
   
 2)シカの生息密度    天野忠明

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3)アオキによる誘引捕獲 川島範子


4)植生劣化について   伊東健二

2.行政によるシカ管理
【湯河原町農林水産課】露木
【箱根町環境課】小笹
【小田原市環境保護課】米山
【小田原市農政課】新倉

各市町の発表内容は、配布資料(レジメ)参照のこと

湯河原町発表(露木氏)

小田原市発表(米山氏。新倉氏)

質疑応答

古林 湯河原の椿山林道にゴルフ場はないのか。29年度に捕獲した点の落ちている所にゴルフ場はないのか。
湯河原町 幕山にはない。29年度の一か所だけゴルフ場である。
古林 小田原城CCはゴルフ場のことか。
小田原市環境保護課 そうだ。
古林 仙石原のゴルフ場にシカが出没して捕獲数が上がっている。市町はゴルフ場の問題をどのように考えているか。
小田原市環境保護課 小田原市のゴルフ場の捕獲は、平21年度以前から取り組みを、ゴルフ場から猟友会に直接罠捕獲の委託している。芝の食害で困っている。被害対策を何年間か続けているが根絶は難しい。ゴルフ場、猟友会だけの問題でなく行政としても何らかの対策を取れないかとの検討はあるが、具体的な策は出来ていない。
川島 箱根町内のゴルフ場は自主的に何かシカ対策を取っているか。
箱根町 ゴルフ場の被害もそうであるが、基本的に被害が出ている所では、捕獲は町でもやるが、捕獲だけでなく、柵を結うなり自己防衛も併せてやることが必要と毎度説明している。経営の苦しいゴルフ場もある。いきなり全部に柵を結うのは無理もあるので、できる所からやるようにと話している。高さ2メートルの柵で囲って頑張っているゴルフ場もあるが、シカが飛び越えて入ってしまった場合には、ゴルフ場が休みの時に犬を掛けて追いかけて捕獲したりしている。従ってゴルフ場だけのシカ対策をどうやって行くのかと言う事になれば、何年かかってもいいからゴルフ場自身が、少しずつでもシカ柵を設置して行ってほしい。
古林 臭いものには蓋をせよ。と言うのがシカ対策の唯一である。市町の役人だけに任せておいても埒が明かない。仙石原にゴルフ場が4つあるが、1か所は防鹿柵設置済みであるが、その他の3か所は未設置である。未設置の担当者に山盛が聞くと、金を出してくれれば何時でもやるよ。という話。今日の総合討論の中でも議論になると思うが、シカ問題はフェンス代を何処から捻出するのかと言うことに掛かっている。フェンスで囲めば少なくとも被害は出ない。ゴルフ場を沢山抱えている静岡県は、神奈川との県境に御殿場や小山町にゴルフ場が沢山あるので、そこらの話を大橋さんから聞ければと思ってゴルフ場にこだわった質問をした。
箱根を守る会(k) 小田原市、箱根町でシカの報告をしてもらった。以前は、イノシシの被害が多かったがここんところシカの被害が目立ってきた。銃猟よりもくくり罠の方が効率が良いような成績が出ている。飛び道具で周りの人に心配のある銃猟は止めて、くくり罠に予算を回した方がいいのではないかと思った。特に箱根町内では、イノシシの駆除のためにこれから銃をやるから気を付けてと一斉放送が流されるが、観光客等は何処で銃猟をしているか分からないから、箱根は危ない所らしいとのマイナスの印象を持たれかねない。特に、シカは人に見える所にも出てくるので、捕獲方法の方向転換をして、全面的に予算をくくり罠に振り向けるようにしたらどうか。
箱根町 町の見解としてでは無く、個人的な意見として申し上げる。現在は、銃器を使って猟をする時には必ず放送を流している。場所について放送すると、その地域だけでしかやっていないと誤解される恐れがある。当日何処でやるかを決めるし、そこが獲れないと場所を移動することもある。場所の選定はなかなか難しい。観光客に危ない町と思われる事もあるが、放送せずに、ポンポンと鉄砲が鳴ってシカやイノシシがそこらから出てくるよりは、観光客達に事前に周知する方が良い。また、ハイカー達もコースから外れて歩かないで欲しいとの意味合いもあって放送している。予算の転換という話もあるが、確かに現状捕獲数として罠の方が多いが、くくり罠を掛けられないような山奥でも銃猟なら出来ると言う所もある。また、イノシシに関して言えば銃でイノシシを追い掛けることで人慣れを抑止する効果もあると聞いている。そういった意味で銃猟と罠を併用してやって行くべきかなと思う。
川島 市町で、くくり罠について、罠の方が効果が高いとか、銃も併用したほうが良いとか意見を聞きたい。
湯河原町 町域の八割が森林だと説明したが、狩猟をやっていない。近年ハイカーが爆発的に増えて山に入ることが多くなった。湯河原町は低い山であり、一般の人は猟をやっているという認識が無いと言う事もあって、ルートから外れて巻き狩りとニヤミスを起こした例もある。このような怖い思いを避けるために、猟友会湯河原方面支部として山中での巻き狩りを自粛しているため、現状ではくくり罠猟が主体となっている。そのため、シカやイノシシにとって銃猟という天敵が無いため、我が物顔に暴れている。個人的には、人慣れさせないためにも多少は銃猟もあった方が良いと思う。

第二部 箱根山地のシカ対策強化について


1 大橋正孝氏(静岡県自然保護課)
静岡県のシカ対策(効率的な捕獲技術の開発と体制づくり)

発表内容は、配布資料(レジメ)参照のこと

【質疑応答】
川島 小田原市の生息密度も急激に上がっているように感じている。また、植生劣化も丹沢並みに起こっている。静岡県の情報では、83頭/㎢とか43頭/㎢とかあるが、急上昇している原因は何か。
大橋 説明不足かも知れない。生息密度については、数字を直接的に捉えずに、神奈川県と静岡県では方法が違う。ただ静岡は静岡で同じ方法で調査しているので、変化は捉えられている。従って急激に上がっている事は確か。何故かと言う事は、捕獲圧を急激に掛けている影響もある。元々シカが居なかったが、箱根地域は餌資源が豊富にある場所である。シカにとってはすごく魅力的な場所で、それに気づいてしまった。と言う事か。生息密度が低かったので、まだ大丈夫かなと思っている内に急激に上がってしまったと言う事かと思う。高密度化に気付いた今、すぐに対策を組み立てて取り組むことが大切である。
三島フォレストクラブ(T) 大橋さんの話を聞いてビックリしている。実際に森林整備の活動していて、アオキが無くなり始めたのは、10年くらい前からで、今では絶滅危惧種の様になっている。ここまで進んでいることにビックリ。今から思えば、まだ大丈夫かなと安易に考えていた。これからの対策として、古林先生を講師に招いてシカ問題を学ぶつもりでいる。
三島フォレストクラブ(H) 修善寺の方でシカが多いと言うのを何十年間見ているので、今箱根の管理をしているが箱根は未だそんなに居ないと言う感覚であるが、ほんとに今の内に対策を取らないといけないと言う事がはっきり分かった。


2 田村淳氏(神奈川県自然環境保全センター)
 丹沢の植生保護柵と種の保存

発表内容は、配布資料(レジメ)参照のこと

【質疑応答】
箱根を守る会(k) 初めての貴重な報告をうかがった。いろいろな問題を考えると、もうちょっと全国的なスタンダードになるような研究が蓄積されれば参考になってよいと思う。古い話だが、桜島の森林は、二次遷移では、初めの遷移よりずっと早く泥ができているせいですが、ここでは泥も種も温存されている部分がある。シカの害がある所はどこも同じだと思うが、何年位たったらどこら辺まで回復するのかが分かると、皆が心強いと思う。何か参考になる報告があるか。
田村 とても重要な視点であるが、世界の北半球の温帯諸国、北米・ヨーロッパでもシカ類の植生影響があるのはどこも同じである。どの国も捕獲で植生回復させようとしているが、捕獲だけで森林の植生が回復した事例はない。丹沢でやっていることは、結果はまだまだ出ていないが世界の中でも誇れる。土壌中に種子は色いろあるが、シカの食圧に耐えられる強いものが地上部に出て花を咲かせて、種子を付けて土壌にいっぱい供給されている。多年草やササ、とくにススダケもそうだが、シカの生息する範囲内で高さ2メートルくらいの中で一生を終えてしまう草とかササ、灌木の種類の中にシカに弱い種がある。種子が無くなったり地上部の茎が無くなってしまうと、種の絶滅を起こす。種の絶滅を起こすと、生物多様性の低下と言う事で地球上から消えてしまうかも知れない。そういう考えがあって、丹沢ではまず捕獲よりも柵を先に作ってきたと思う。
川島 箱根山地も植生劣化が起き始めていて、箱根にも色々な希少植物がある。特別保護地区もある。箱根は今どのような段階なのか。今すぐに柵を作った方がいいのか。
田村 国立公園内は、仙石原に植生保護柵が作られたと聞いている。しかし、県として外輪山の国立公園以外の場所の自然林(広葉樹林)の方は未だ作っていないと聞いている。


3 古林賢恒氏 (元東京農工大学森林生物保全学研究室)
 箱根山地のシカ問題

発表内容は、配布資料(レジメ)参照のこと


パネルディスカッション (司会 古林)
古林 総合討論は、三つの主題に絞って進めたい。第一は、捕獲。第二は、フェンスを設置するためにその予算をどう確保したらよいか。静岡県が予算確保できない理由を話してもらえたらよい。第三は、生息密度での個体数調整は、限界である。植物の多様性が損なわれる一歩手前で踏み止めるには、何を指標としたら良いのか。
⑴まずは、予算の話から
60年位の林業サイクルの中で、新植地では下刈りが10年位行われる。そこが、シカの餌場になることが100%分かった。従ってそこにフェンスが必要。丹沢では、県民一人当たり、年間970円の水源税を取って丹沢はそれをやって来た。箱根はその金を分けてもらうわけにはいかないのか。
田村 箱根も県の水源の森林エリアになっている。県の水源の森作り事業も行われているので、その事業地であれば、植生保護柵を作ることができる。小田原市久野の新植地の県営林は、水源税ではないが予算を確保して順次柵を作っていく。また、今後箱根地域の県営林でも新植地に苗木を植える時には、柵を作る計画になっていると担当者から聞いている。 
古林 そういう話が出てから時間がかかる、駆け足でやらなければならない。
山盛が簡易植生保護柵を作ろうと県に申請した際はどうだったか。
川島 明星が岳の山頂北面の低木が退行している所に四メートル四方の調査柵を昨年から作らせて頂いて、田村さんの指導で調査を続けている。あと二メートル柵を南足柄や箱根の林道脇に作らせて頂いている。
古林 植生保護柵を作ろうとしても色々な障害があると言う事を説明してください。
川島 明星ヶ岳は標高的にはブナ林なので、山盛の資金で1ha程度の柵を作ってブナ林を再生したい旨の相談をしたところ、水源税の協定林に指定されていると作れない。との説明であった。
古林 その協定林が沢山ある箱根にはボランティアでやりたくても柵が作れないと言う事になる。
田村 県の水源の森林づくり事業には色々な契約形態があって、そのうちの一つに水源協定林というのがある。個人所有の森と契約して20年間、県が管理することとなっている。水源協定林は、柵を作ろうと思えば作れるが、水源の森林づくり事業というのは、水源涵養機能の高い森づくりを目標としている。下草がある程度あれば別に柵を作る必要がない、というのが水源担当者のスタンスだと思う。自分も2年前の冬に水源担当者と一緒に明神ヶ岳北面の協定林を歩いた。そこはまだササがあって確かにシカの食痕は沢山あった。しかし落葉も沢山積もっていた。草も沢山ありそうだという事で、土壌の流出の心配はなさそうだと判断した。土壌の流失が起きそうな場合だと、水源涵養機能上が悪いから柵を作らなくてはいけないということになる。現場を見たところまだ草があるから水源の方では柵をつくることは無理かなということになった覚えがある。水源の森林づくりの中で決して柵を作れないわけではない。生物多様性を考えたら柵を作った方が良いという考えもあるが、水源の森づくりの方は水源涵養機能の方を優先しているので、草があれば中々柵を作れない、という事情がある。
古林 それでやっと理解した話がある。この間、知事が丹沢の堂平に登った時ね植生が回復している、これは素晴らしいと新聞に載っていた。それは、一見緑の植物(不嗜好性植物)が沢山あるから素晴らしいと言ったのだと思っていた。そういう裏事情があると言う事で理解できた。取り敢えずフェンスを作らなくても、不嗜好性植物はいっぱい回復して来た。しかしそれでは、田村さんの今日の話ではダメなわけである。生物の多様性を保全するのだから色々な種が出て来なくてはいけない。そこはまだまだ一般的な考え方ではないと言う事なのか。多様性の保全の考えは、まだ一部の人の考えであって、スギ、ヒノキ課の人の考えでは、多様性よりも水源涵養機能の方が先行すると言う事か。
田村 水源税にも色々あって、丹沢大山のブナ林につくられた植生保護柵もシカの捕獲も水源税が活用されている。それは、水源税の中の「丹沢大山の保全・再生」ともう一つ「土壌保全対策の推進」の事業である。箱根の方の県確保の水源林は、同じ水源税の「水源の森づくり」事業の予算で整備されている。丹沢大山の予算は、箱根で試行的に行われている捕獲費用にも一部使われている。箱根では水源の森林づくり事業の予算での保護柵は未だ作られていない。それは、丹沢と箱根の事情の違い。水源税の中にも色々な事業費がある。丹沢大山はブナ林が沢山広がっていて、シカの影響でブナ林の林床植生が無くなって土壌流失が起きている。そういうこともあって、すんなりと予算化が図られた。しかし、箱根はいい意味でも悪い意味でも未だ丹沢にはなっていない。そういう状況なので、水源の森林づくり事業の予算を使える段階ではないのかなと思う。
古林 丹沢大山の学術調査があったので、是非県の方で箱根もやって欲しい。箱根は小中火山がいっぱい爆発して、東京軽石層などが1m位積もっていて、ソハヤキ(襲速紀)要素があって伊豆から箱根にかけては、東西南北の植物が、色んな絡みで分布している。そのような植物にシカの影響がどのように出ているのか等を含めた意味で、羽太さんちょっとお願いします。
羽太(県環境保全課) シカ管理計画全体を担当している。誤解が無いように一点だけ説明したい。丹沢は国定公園、箱根は国立公園と言う事で、箱根については、環境省が定めた国立公園の計画がある。環境省ではその計画の中に、シカの対策についても盛り込むと聞いている。箱根のシカ管理を進めていく時には、丹沢よりも関わる主体が複雑で、大勢いる。土地の所有形態も様々であり、大規模な会社が持っている広い面積の土地もある。土地利用の仕方も管理の仕方も、それぞれの抱えている課題も、丹沢より複雑である。水源施策を導入している所もあれば、その他の事業でやる所もある。そういった所でどういう風にシカ管理をしていくのか。丹沢で展開されている県の自然公園事業と水源施策をそのまま当てはめて全体を覆うように対策を執ることは難しい。しかし、田村氏が言うように、水源施策で出来る所、既往の県有林施策で出来る所、県の管理捕獲でやれるところ、各市町がやれる施策を重ねて行って、空いてしまう隙間をどうするかと言う事を、みんなで考えていく必要がある。「丹沢では生物多様性をやるが、箱根では置き去りにしていい」と言う事ではない。今、環境省が、丹沢でやったように山の中に柵を作って、その中の希少種の調査なども始めている。その結果は、環境省だけのものと言う事ではなくて、そのデータはみんなで共有する様になると思う。古林 今日は自分事と言う事をみんなの頭に植え付けたい。環境省には次回は参加していただく予定である。

⑵頭数管理の指標
古林 次のテーマは、個体数調整の指標の問題。私(古林)が提案したアオキを指標にしたシカ管理の是非を一言づつお願いしたい。
大橋
 十分理解しているかどうか分からないが、アオキを指標とするのは、静岡県で整理したように嗜好性が高い種と言う所で最も高い部類に入るので、使える部分もあるかなと思う。しかし、伊豆半島から無くなってしまっている。指標も難しくて、無くなって行く段階と回復して行く段階とで違う。田村さんの話でもそうだと思うが少し整理が必要。
古林 箱根山地には未だアオキがいっぱいある。無くなってしまった所ではどうしようもない。アオキがまだ十分にある、過食圧が掛かっていない箱根山地の管理という条件を付けます。
大橋 そういう意味では、指標種にするべきだと思う。
田村 箱根ではよい指標だと思う。無くなっていく段階の指標だと思う。大橋さんが言うように、衰退していく段階と回復していく段階では違ってくる。でもアオキは無くなってしまうとなかなか回復しないであろうから、そういう意味では、衰退していく段階での指標はよいと思う。ただ箱根は、標高が高い所にアオキは少ない。1000mを超えると無い。
古林 850m位にしかない。ただシカの行動圏が100~200ヘクタールだから、アオキがある所で管理していれば1000m以上の所全部入ってしまう。という発想である。
田村 そういうことであるなら大丈夫でしょう。
古林 色んな条件があって、久野当たりでのGPS付けた行動圏の調査は出来ていないが、設置したセンサーカメラにたまたま足を怪我したシカや、片角のオスジカが映った。その同じシカが複数個所の別の植林地に設置したカメラに写っていたから分かった程度でのレベルでしか追跡できていないので、何とも言えないが、伊豆でGPS着けて植林地を中心にやった調査で、行動圏は平均70ヘクタール位の答えが出ていた。それから考えれば100~150ヘクタールの広い範囲に幾つか餌場を持っていてぐるぐる回っている。先ほどアオキの給仕場を作ってセンサーカメラを置いておいても毎日来ている訳ではない。たまたま札掛で1992~1993年に県の山根さんがアオキの給与試験をやった所では、10㎏以上の凄い量のアオキの葉を毎日置いた。アオキの葉一枚の重量は2.64g程度なので、計算すると一日4000枚位になる。毎日置いたらそこにベターンと張り付いて一日中そこで何時間も食べている。そこの横で座って反芻して、時間を開けたらまた食べている。今回の山盛りの試験では、せいぜい数百枚の葉が付いたものを置いたので天野さんのスライドで見たように、ムシャムシャ食ったら緑の軸しか残らない。その軸まで利用している。再生する芽まで食べられてしまうので、一気に枯死していく。そう言う意味で我々は、アオキが指標にし易いと言うことまで発見した。
川島 以前箱根のシカ検討委員会に傍聴で出席した。その際、丹沢での指標種ササによって箱根が検討されていた。ササが食われ始めて危なくなったら、対策強化を始めればいいと言う委員の話があって、えっと!思った。その当時はまだササはそんなに食べられていなかったが、アオキがディアラインになって、あちこちで食べ始められていて、その際、箱根では既に下層植生があちこちで無くなっていたり、裸地が起こっていたりした。ですから、ササが食われている時ではもう遅い。今、ササが盛んに食われ始めて、特に足柄峠の方であちこちでハコネダケが喰われている。そうなった今現在は、あちこちで下層植生の退行が特に稜線部で激しく見られて来ているので、ササが指標ではもう遅い。シカの影響が初期の地域において早期に手を打つためには、アオキを指標にして対策を考えなければいけないと強く思う。
古林 皆さんご承知かも知れないが、ササは葉を持ってヒュッ手を引くと簡単に手が切れる。シリカと言うケイ酸が、5%~12%と沢山含まれているので、手が簡単に切れる。シカがそんなものを食って反芻で臼歯でグラインドするから歯が摩耗して嚙合わせ部分の凹凸が無くなってスベスベになる。ここに展示してあるシカの頭骨の歯は未だ凸凹しているが、丹沢のシカの歯はスベスベになっている。シカが増えたので今のこの季節シカは本当に大変で必死である。草食獣が歯すり減らしてまで餌食うかと泣き言をシカが言っている。アオキを食わせてやってください。条件付きながらアオキが指標になると、二名から面白いとご好評を頂いたので、今年の秋に県庁の周りで、フォーラムを開きたいと思っている。県には是非後援をお願いしたい。

⑶捕獲について
古林 シカの捕獲に精を出している大橋さんがしゃべられなかった事が一杯あるだろう。役人さんが中心になって自分事にして、警察・NPOも含めたときにイニシアチブを執って進めてきたからこそ、静岡県は地域に色んな団体が出来て、それなりの成果が上がっている。その成果を上げた富士宮の猟友会の風岡さんに会いに行って現場を見てきたが、山は滅茶苦茶になっていた。山が滅茶苦茶になる前に、そうならない様に、もっと簡単にできるくくり罠の話を、大橋さんお願いします。どう言う働きかけをすれば、皆が手を挙げて進んでやるようになるのか。
大橋 くくり罠にたどり着いて、私が何をしているかと言うと、罠に対する理解がまだまだ危ない物と言う意識がある。刃物については、ここんとこ又うるさくなって来たが、罠については今のところ大丈夫そうです。これは、自分で皆の目の前で設置をして自分で掛かってみると言う事を必ずやる。それで理解を促す。良い事例として、これまでは自衛隊の演習場で捕獲が殆どできない状況があった。自衛官が匍匐前進する。夜間でも動くかもしれず、その時に掛かってしまう。そういう事の中に、実際に持ち込んで、自分で掛かってみて大丈夫だと言うのを見てもらった上に、自衛官の人にも掛かってもらうと言う事をしている。此れが良いって言う風には思っていないが、なぜ県で関わって来たかと言うと、一種類の罠を作ってそれを熟知することによって安心感にも繋がる。罠には、標識を付けることが法令のルールになっている。例えば演習林でやる場合には、標識は、罠を繋いだ木に付ける。尚且つ罠の解除の仕方を付ける。隊員にも地域の人にも説明するが、そう言うルール化をして受け入れてもらう。罠の件で一点注意して欲しい事がある。箱根は海外の人が訪れて来る所。罠は、伝統猟法であって日本の環境には必然だと思っているが、欧米社会では罠より銃文化である。実際にシカに掛かるストレスの確認をしたところ、くくり罠は銃で頭を撃つよりは掛かる。そういう中で伊東のイルカ猟がストップした様に、くくり罠猟は必要であるが、箱根は海外の人が何百万人と来る所であるから、そう言う文化の違いを頭に入れながらやって欲しい。そんな事で、箱根の罠猟がストップしてしまうと、これが全国の問題となって行く可能性があるので非常に危機感を持っている。ある意味この方法(罠猟)がシカ対策には、拠り所なのかと思っている。
古林 SNSをやる人は気を付けてください。何処に飛び火するか分からないので。昔日本で檻で猿を一網打尽に捕獲した時にあった事。イギリスにある動物愛護協会の本部に情報が入ると、担当部署の所に一日中批判の電話が掛かって来る。すると皆パニックになってしまう。シカが箱罠で捕まっているやつをポンポン撃ったりしている様子を流したりするとどう跳ね返って来るか分からない。情報を出すには、何頭捕まっただけでいい。何頭捕まえた等と自慢する事は無い。
田村 シカ問題解決に向けて、少し捕捉したい。柵だけで全てが解決するわけではない。柵の中だけ植物が守られても柵の外はシカの密度が高いまま、食圧が高いままである。かと言って捕獲だけでも植物は守られるものではない。そういうことからすると、植生保護柵あるいは防鹿柵と捕獲はセットである。被害管理と個体数管理はセットである。先ほどのスライドで、捕獲と調査はセットと言われていたが、もっと言えば、柵と捕獲はセット。被害管理と個体数管理、それに野生動物の保護管理の話だと、もう一つ生息地管理というものがある。生息地管理というのは難しいが、箱根のシカに関して言えば、古林先生が何度も言っていたが、シカを増やさないことが重要であろう。神奈川県の場合には、「シカと森林の一体的管理」と丹沢でよく言ってきて、森林整備した所でシカを捕獲しましょうと言ってやってきた。しかし、結局、森林整備・間伐したら草が増えてシカの栄養状態が良くなって、シカの数が増えて、増えた分を捕獲で獲っている状況である。それって矛盾している。本当の意味での生息地管理でシカを増やさないことを考えたら、場所によっては森林整備をあえて控えるとか、あるいは、森林整備として本当に伐採して植林するなら、柵はセットと言う時代に来ていると思う。
古林 フェンスには二つあって、シカを増やさないフェンスと植物の避難場所としてのフェンスの二つがある。今日は、植物の避難の話は置いておいて、シカを増やさないフェンスについて議論したい。新植地はシカの餌づくりの場になっているのだから。下刈りを一生懸命やっていても、餌場になっていることは誰も意図している訳ではない。例えば2ヘクタールの下刈りを請け負ったとすると、期間があるのかどうか分からないけれど、2ヘクタールを例えば四分割してずらしてやると言う事はできないのか。つまり、一気に二日か三日ぐらいでわーと全部掃除してしまうと、昨日までそこを利用していたシカの行き場が無くなるからややこしい事をすることになる。今年我々がやっている調査地で、下刈りやった後、突然ヒノキとスギが食われちゃった。他に餌がないから。そしたら下刈り予定地の1/3だけやって、その跡にある程度草が伸びて来てシカが食えるようになったら、次の所を刈って行く。と言うように、下刈りのやり方一つを考えても、シカと共存する方法、シカの被害が出ない様な下刈りの方法とかがあるんじゃないだろうか。角コスリも柏木さんが言っていたけれど、角コスリやる木は太さとしなり等の色んな条件があるが、大学ではこういう研究はやらないので分からない。シカがどんな木で角擦るかと言っても自分の業績にならないから。だからこれは、ボランティアがやるしかない。去年我々が箱根で調査した所で、4000本位角コスリやっている。それの八割方がスギ・ヒノキをやっている訳、ヘクタール3500本植えたら角コスリ場だからオスジカはみんなそこに行くでしょう。それが分かっていて何故周りに木を残さずに整理伐でみんな木を切ってしまうのか。アオキが餌になってるよと言ったら、整理伐でアオキを全部切っちゃった。私は素人だから分からないが、下の低木を切らずに間伐ができれば、スギ・ヒノキの角コスリが少しは軽減されると思う。木に見立てた角コスリ棒を山にいっぱい刺してテストしているが、角を擦ってくれていない。これが当たったら億の家が建つと思っている。
田村 生物の多様性を保全するための県の管理捕獲を、丹沢だけでなく箱根でも平成29年度から開始している。29年度は猟友会が巻き狩りで4回やったり、ワイルドライフレンジャーの捕獲を試行的にやって、10頭捕獲した。平成30年度も、明神が岳の北側国立公園側ではない所と宮城野で猟友会の巻き狩りとワイルドライフレンジャーの捕獲と組み合わせてやることで現時点で約30頭捕獲している。
羽太 補足すると、神奈川県のやっている捕獲は、他と比べると少なく感じるかも知れないが、今、古林先生が補足説明してくれたように、農林業被害が出ている所ではなく、箱根の生物多様性を守るために或いは森林への影響を少なくするためにやっている捕獲で、市町でも或いは被害を受けている農業者が罠を掛けられない場所。山の高い場所や稜線上の林道の無い歩いて2時間3時間かけて行かなければたどり着かない様な場所の捕獲をやっている。そう言う悪い条件で藪も茂っていて見通しも効かず捕獲の効率も挙がらない場所。そういう場所なので、くくり罠を掛けて毎日見に行くことなどできない。従って二つの方法でやっている。一つは広い面積をハンターが囲って犬を放ってシカを追い出して獲るという伝統的な巻き狩り。もう一つは、シカの捕獲を専門にする高い技術を持った職員であるワイルドライフレンジャーが静かに山を歩いて、シカを見つけて忍び寄って撃ち取ると言う忍び猟という二つの方法を組み合わせてやっている。試行的に始めた所から、ちょうど今年から本格的に実施している。観光客も多い山なので安全にも気を遣いながら日々研究しながらやっている。大橋さんの所の取り組みと少し方向性は違うかも知れないが、違う手法を組み合わせて技術を磨きながらやっている所は同じ。
古林 各県色々な取り組みをやっていて、一端を伺った訳である。何と言っても一つは、餌場を封鎖するという努力をどうやるか。その為の金をどう確保するのか。税金の使い先は皆決まっているからそれを奪うと言う事はできない。奪うと言う事は、或る人の生活を奪うと言う事になる。だから新たに税金を取ってそれを回すと言うことができる方法が有るのか無いのか。それを考えなければ、シカは絶対に増える。それと、植生保護フェンスの効能は、植物の遺伝子を保存し、周りのシカ圧が少なくなって来たら、ここから種子を供給して、自然林を元に再生する。そのための一時の避難場所として作らないといけない。それから、捕獲では色々な方法が必要であるが、静岡県では2年前までは中々大変で猟友会が目一杯努力して、もうこれ以上対策が無いと言うほど努力したが、中々捕獲圧が高くならなかった。それで罠捕獲をプラスした。銃は高価であり技術も難しい。そこで罠捕獲が功を奏して2~3エリアで強烈な捕獲圧の数字が上がっている。だけど被害は減らない。何と言っても静岡県の場合は、北富士演習場・東富士演習場、富士山の周りの牧草地、これを囲わない限りは、絶対無理。神奈川県は、ゴルフ場が一杯。そこをどうするのかが、大きな問題。餌場を作る所には、絶対フェンスを作るんだと言う規則を県の方で検討してもらわなければシカ問題は解決しない。

【質疑応答】

おだわらイノシカ捕獲ネットワーク(H) 色々話を伺ったけれど、私からは実際に捕獲している現場からと言う事で話したい。この資料のアオキの誘引捕獲の最後のページ、アオキ畑及び新植地周辺で捕獲された個体の性別と体重がありますが、先ほど川島さんの話にもあったが、最近イノシシ・シカの捕獲を目的とした団体を立ち上げた。穂田・廣川・川島の3人が核となって、昨年3月頃から始めて、9月に団体を発足させた。素人集団だがメンバーは女性7名を含む22名となっている。プロの捕獲集団ではないが、みんなで知恵を出し合って捕獲活動に励んだ結果として、シカだけでもここにリスアップされている実績を積み上げて来た。シカを捕獲している場所は、久野の和留沢地区から釜石林道・和留沢林道とその周辺である。罠を沢山かけて、そこそこの成果は上がっている。しかし、短冊状の新植地では、一番肝心要のヒノキにしろスギにしろ頂芽を食われているものが多く、そのままだと良い山林に成長する事は無いと思う。補植したり植え替えたりする様な手間を掛けるのは大変である。新植する場所については、ネットで囲うような事をしないと完全に守ることはできないと思う。尚且つ、そういう事を処置した上で、捕獲に関しても色んな人が参加し易い様な団体。例えば我々のようなグループは年齢層の幅も広いし女性もいるし、発足してまだ一年経っていないが、成果が挙がっている。これらの事を若い世代に伝えていくために、特に行政の関係で色々知恵を出してもらったり、助成金を出してもらったりしている。これらの支援を励みにして若い人を育てて行きたいと思うので、宜しくお願いします。
古林 有難うございました。頑張ってください。
箱根を守る会(k) 幾つかあるが、時間が無いので一つだけ質問する。此れがヒントになるかも知れない。アオキを使って誘引するという話だが、聞くところによると食べられてしまうと、又チャージしなければいけない。山の中で調査している人は大変だと思う。それで酒匂川でアユ釣りをする人がいるが、おとりを使う方法と偽物で釣るという二つの方法でやっている。これを応用する様な事を考えたらどうかなと素人ながら思う。例えば、アオキは食べられないけど臭いとか景色でもってシカが寄って来るとしたら、それを真ん中において、その周りにシカがやって来たら出にくいと言う様な罠を設置するとか、それからもう一つは、食べられない様にトラップの役目として、偽物のアオキみたいな物をやって、アオキの香りを撒き散らすと言う疑似釣り等、二つの方法を併せて考えたらもう少し効率が良くなるかも知れない。
古林 アメリカに行くと臭いで動物を捕まえる事例は沢山ある。ですから日本も、そう言う事を考える人もいる。保土谷化学と言う会社は、忌避剤中心に林業の被害が出ない様に塗布する忌避剤を開発して来たが、薬剤のもつ時間が短い。今まで、それを長くもたせる努力をしてきた。今の話の様に、誘引剤と言うのは発想の逆転換であり、興味をそそる。シカとか動物を扱っている所は、日本では理学部ではない、基礎科学をやっている所では、メダカとか小さいものを追いかけてないと、ペーパーが集まらない。今はペーパーの世の中で、ペーパーが無いと、大学の教官も首になるので、シカとか大きな動物をやると再現性が無いから殆どやらない。且つ、今日ボランティアの人が発表したああ言う被害に関する題材は、大学の先生は一切研究の対象にしない。あれでペーパーが出せない。だから何かそう言う事に興味を持っている人を、それこそSNSを使って、シカで困っているんだけれどと呼びかけたらいい。剥製でオオカミを作った人が居るが、直ぐに馴れちゃって、あの会社の機械はジエンドかなと言う事で中々時間がかかる問題。やる必要はあるとは思います。
小田原市森林組合(T) 今日度々出てきている短冊状に皆伐している場所を担当している。毎年ドンドンとシカの被害が広く、また個所数も多くなっていて困っている。今日出てきた場所は、来年度柵で囲う予定はあるのでご安心を。ただ、不安に思っていることは、これから柵と新植地の植え付けする所は全部囲わなければいけないと言う思いはある。しかし、今は大丈夫だがこの先予算がずっと付いてくるのか不安がある。皆様の協力をお願いしたい。
古林 お金の問題と言うのは、大変なんです。シカ一頭獲ったら報奨金が出る。静岡県の場合、メスだと18000円出る。この財源を確保することで、役人は大変。金が付けば人は動くが、金が切れたら終わりと言うのは将来どうなんだろう。
大橋 おっしゃる通り。基本的には、地域の自衛が抜けない。それは、色んな意味で、他所からプロフェッショナルな人が来てやると言う話を簡単にしたが、それも、勝手に来て成功するものではない。地域の人たちがバックアップして初めて成功するものと考えている。そうした所の中で単純なお金ではないと言う様な仕組みづくりが必要だと思う。そのための問題意識を共有すると言う所が、まさに今日やられているような事だと思う。
総合討論終了

閉会
川島 皆さん今日はお忙しい中お越し頂いてたくさんのご質問ご意見を頂きありがとうございました。大変有意義な会になったと思います。これから箱根山地のシカ対策は市民の皆様一人ひとりの力がとても大きいと思います。是非行政によるシカ管理と共に、民間によるシカ対策を強力に推し進めて頂き、皆で箱根山地を守って行きたいと思います。

・・・

報告冊子のご案内

●2018年度報告書 A4カラー 40ページ 

その他に 
●2018年中間報告 A4カラー 36ページ
カメラがとらえたシカたち、小田原市ホットスポットの生息密度推定、林業被害報告ほか

●2017年度報告書 A4カラー 40ページ 
2015~2017年調査の生活痕跡調査、雄ジカの角コスリ樹種、分布、アオキ過食圧地の分布、シカの胃の内容物、林業被害調査など

一冊ご寄付各1000円のところ、
上記報告冊子3冊をお求めの方は、、
合計2000円のご寄付にて、2/23開催フォーラムレジメ1冊を進呈いたします。


●2/23フォーラムレジメ A4白黒40ページ 
大橋氏、田村氏、古林氏、その他調査メンバー発表資料収録。


報告冊子3冊セットをご希望の方は、
送料360円の送料を加え、以下の郵便振替にてお申込みください。
一冊の場合は送料200円込みで1200円をご送金ください。
2冊以上10冊までは送料360円でお送りします。

ご希望の方は住所・氏名・よろしければ所属・電話番号、冊数、合計金額をご記入の上、以下にご送金ください。
郵便振替 00220-2-134314 小田原山盛の会
郵便振替費用はご負担ください。

お問い合わせは
NPO法人小田原山盛の会 川島
090-9349-7014
メール burimori.p※gmail.com
※を@に変換してください。

箱根山地シカ問題フォーラム

2019-02-09 23:10:51 | 小田原山盛の会






誘引試験用のアオキ畑に来たシカの親子。手前の親はアオキの高い枝を噛み折っている。子供たちは親に噛み折りの仕方を教わる。森の低木はシカ達に噛み折り採食され、枯死、退行していく。

・・・
山盛の会は2015年度より県の助成により箱根山地のシカ生息状況の調査を行っていますが、この数年で生息密度は急上昇を遂げ、稜線や丹沢に近い地域での下層植生の劣化が顕著となり、角こすりや採食により農業被害や、スギ・ヒノキ新植地、壮齢林での被害が多発しています。
地元小田原市での捕獲数は昨年度22頭、今年度1月末で56頭に上がっています。
対策の強化が急を告げる今、箱根山地周辺の関係機関や市民の皆様によって情報を共有し、静岡県や丹沢での先進事例に学び、問題解決に向けたファーラムを開催いたします。
私たちの生活にとって大切な箱根山地を健全に守るため、対策に向けて活発なご意見を頂ければと思います。

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フォーラム「箱根山地のシカ対策強化を考える❢」
日時: 2018年2月23日(土) 13:00~17:00

場所; 小田原市生涯学習センターけやき大会議室 (129名収容) 参加無料

第一部 箱根山地のシカ調査報告&行政による取り組み 
1.林業被害 (柏木聰)  
2.シカの棲息密度 (天野忠明)
3.アオキによる誘引捕獲 (川島範子) 
4.植生劣化の現状(伊東健二) 
5.行政の取り組み 湯河原町・箱根町・小田原市

第二部 パネリストの発表&総合討論 司会・古林賢恒氏 
1 静岡県のシカ対策 大橋正孝氏(静岡県くらし・環境部) 
2植生保護柵と種の保存について 田村淳氏 (神奈川県自然環境保全センター)
3箱根山地のシカ問題 古林賢恒氏 (元東京農工大森林生物保全学研究室)
5パネルディスカッション 閉会17:00

お問い合わせ
担当 NPO法人小田原山盛の会 
副理事長・事務局 川島範子 
 ☎ 090(9349)7014 
                               メールburimori.p@gmail.com



シカの胃袋の中を探る!

2018-06-10 21:43:44 | 小田原山盛の会

獣医師でNPO法人小田原山盛の会シカ調査メンバー、柏木聰さんの記事がタウンニュースに掲載されました。捕獲対策のため、数年前からシカの胃袋の中を調べておられます。
今、箱根山地ではシカが増えて農林業被害が頻発し、下層植生の貧化による生態系の劣化が危惧されるようになりました。
対策に向けて山盛の会では、カメラを設置したり、誘引試験を行ったりしていますが、
柏木さんの胃の内容物調査は、シカ問題の実態を裏付ける貴重な資料となっています。



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シカ調査報告冊子のご案内
柏木さんによるシカの胃の内容物調査のデータも掲載されています。




平成29年度箱根山地シカ問題報告書。
A4カラー 40ページ 
2015~2017年調査の生活痕跡調査、雄ジカの角コスリ樹種、分布、
アオキ過食圧地の分布、シカの胃の内容物、林業被害調査などの結果を報告しています。
ご寄付1000円で一冊領布しております。
5冊まで360円の送料でお届け致します。

ご希望の方は住所・氏名・よろしければ所属・電話番号、冊数をご記入の上、以下にご送金ください。
郵便振替 00220-2-134314 小田原山盛の会

お問い合わせは
NPO法人小田原山盛の会 川島
090-9349-7014
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シンポジウム開催レポート「 箱根山地シカ問題の解決に向けて 」 小田原山盛の会

2018-03-14 10:06:11 | 小田原山盛の会
2018年2月24日シンポジウムレポート
「箱根山地シカ問題の解決に向けて」‐丹沢・箱根山地から見えてきたもの‐ 





古林氏の発表 3年間の成果発表が古林氏、柏木聰氏、川島範子により行われ、3名のゲストの方のミニ講演の後、総合討論が行われました。

第2部 総合討論議事録
司会・古林賢恒氏 (元東京農工大・元丹沢大山総合調査副団長)
羽太博樹氏 (神奈川県自然環境保全課)
大場孝裕氏 (静岡県農林技術研究所)
濱崎伸一郎氏 (株式会社野生動物保護管理事務所)
川島範子 (特定非営利活動法人小田原山盛の会)


   


古林) 第1部の流れを確認。まだ余裕があるのか、大変なのか。対策としてフェンスと捕獲がある。捕獲の効果的な方法、モニタリングの方法について考える場にする。 
生活痕跡の分布図、ホットスポットの分布図。箱根でシカ食害などの痕跡がないところはない。図の赤丸がホットスポット。大場氏の説明でシカの行動圏は50ha、行動圏には3.5~4.5 haのコアがある。箱根山地では新植地、登山道、関東大震災や伊豆大地震による崩壊地、林道、土捨て場、伐開地、仙石原ゴルフ場周辺、芝などの植物性廃棄物場が主要な餌場。箱根のゴルフ場のうち1か所はフェンスがあるが、他にはない。シカが居ついている。台が岳周辺の6,200ha、南足柄から小田原まで9,500haが森林面積となっている。合計1万5千haは丹沢とほぼ同じ面積。丹沢では、丹沢山からヤビツ峠まで7,000ha、15年間に1,400haで伐って植えた。1955年から15年間シカを捕獲しなかった。そのためシカの個体数が爆発し、シカ問題が大きな社会問題になってしまった。箱根では今後もスギやヒノキを植えなければならない。新植地はシカのエサ場になる。 箱根全域に分散分布するホットスポットでは、低木が折られる。低木が矮性化する。剥皮が起こる。いたるところで枝角研ぎが発生している。パネリストの皆さん、他地域での経験から箱根のシカ調査結果をどのように感じましたか。

大場) メスの群れは、娘が母親の行動圏に留まり高密度化していく。そして、なにかの弾みで行動圏を飛び出し別の場所に定着することがある(分散)。シカが分布拡大してきた南伊豆も箱根と同じようにアオキがどんどん食べられている。箱根の西側を見て回った5年ほど前と、今回の報告を比べるとシカの影響が急激に進んだことが伺えた。今後シカは増加すると理解してよい。

濱崎) 1990年兵庫県のシカの生息地にアオキはすでになかった。分布の周辺にはあった。箱根はまだアオキがある。3年前に比べて、シカは毎年増えて採食圧がかかるところが拡大している。関西地域のシカ分布拡大地域では、ササが密生していたところでパッチ状にササがなくなったなと感じた5~6年後にはササが衰退して歩きやすい森林になってしまった場所もある。箱根もうかうかしていられない。

羽太) 伐開地が大きく増えるかということについては、森林の持続的な利用に伴う伐開地は生じるが、戦後の丹沢で見られたような拡大造林政策に伴う流域単位の大規模な伐開地は生じないと思う。



川島) 山はあちこちで伐期となり搬出路ができ林道が新しく作られている。餌場がたくさんできシカは益々増えていく。

古林) すでにシカは定着しているので伐開地を増やすとシカの分布域やホットスポットの規模は次第に拡大する。シカを増やさないためには伐開地にフェンスを作るしかない。すでに赤丸のホットスポットにオスがいる。ホットスポットで撮影されたセンサーカメラの映像を見せる。
1.小田原市塔の峰青少年の家跡地では、メス5頭、オス1頭。オスが発情してメスに寄ってきた。(2017年11月8日)
2.久野林道の無花粉スギ新植地のとなりに設置したカメラには2017年11月から2018年2月にかけて、アオキを誘引物としてセットしてある。オス同士が角を突きあっている。オスとメスが来ている。ここにアオキの枝を挿すと1月でも来る。アオキがなければスギ・ヒノキを採食する。新植地を封じ込めないとシカが増加する。増加したシカは分散、移動により農地に出没する。
水源環境保全税は、平成38年度までと聞く。柵やシカ捕獲は、その後はどうなるのか。

羽太)水源環境保全税を財源とする水源環境保全・再生施策は、平成19年度から20年間の大綱に基づいて5年刻みで実行計画を立てて推進している。その中で水源地域の自然植生の回復や土壌保全対策、高標高域のシカ管理などを行っている。水源施策の大綱は平成38年度までで、その後は、現時点では分からない。ただ、森林整備やシカ管理は、終わる事はない。

古林) 箱根の新植地でフェンスが可能か。 

羽太)丹沢では、新植地にはフェンスを必ず設置せざるを得ない状況だが、基本的にシカがいるからと言って全ての新植地に一律に設置はせず、必要最低限としている。だだし、箱根ではシカは増加傾向なので設置していく事になるのではないか。県行造林地でも設置を検討している。また、森林組合などにもフェンスを設置する必要性について助言指導していく。

古林) 柵は1mで6,000‐7,000円かかる。急斜面は穴があく。見回りが大切になる。堂平で50m×50mの柵を23年前に作ったが、現在は中にケモノ道が出来ている。維持管理に費用がかかる。そこで、併用してシカの捕獲が不可欠になる。
 次に捕獲についてパネリストのご意見をお願いする。

濱崎) シカの猟法としては一般に巻狩りが行われている。5,6人から20人くらいのグループで、勢子と呼ばれるシカを追う人と待ちと呼ばれる獲物を銃で仕留める人の共同作業である。それぞれの地域の状況に合わせて地元の猟友会が継続的に実施している猟法で、適した方法と考えられる。ただし、狩猟者の減少と高齢化が進む中では、他の方法も模索していく必要がある。

羽太)
県では平成15年度から丹沢で巻狩りによる管理捕獲を始めている。巻狩りによる捕獲で生息密度も減少傾向に転じさせることができた。しかし、高標高域など一部で巻狩りが実施できない箇所があり、そのような場所での新たな捕獲手法としてワイルドライフレンジャーによる捕獲が実施された。どちらも丹沢にとって必要な手法。また、山麓部では、市町村や農協などがわな捕獲を行っている。

大場) 静岡県では、巻狩りから足くくりワナに移行しており、ワナを徹底してやって成果が上がっている。高密度ではワナがよいが、シカが低密度で生息している状況では、イヌをつかうと人間が感知できないものに対処し、有利となるので、巻狩りが適している。
「静鹿(しずか)ちゃん」というワナがある。誘引し、餌付けしてトリガーをセット。首をくくる。食べ物がないときにヘイキューブで餌付けする。箱根でもエサが少なければ牧草で餌付けできるかもしれない。まだアオキがある場所では餌付けできないかもしれない。神奈川県でも今年から使える。里は銃よりもワナが中心の方がよい。

古林) 囲い罠を設置されている箱根町の話を紹介する。



小笹(箱根町環境課)浄水センターに囲い罠を設置。箱根町は環境課、猟友会などが協力し誘引捕獲を行っている。現在3基を設置。仙石原に2基、宮城野に1基。丹沢から来るシカが多いと考えられるが、丹沢と伊豆の両方から来ると考えている。小田原山盛の会の見学会で「静鹿(しずか)ちゃん」を紹介された。神奈川県で今年から許可された。購入して使っている。バケツに頭を入れる所まで。まだ捕獲はない。囲いワナは平地のみ、首くくり罠は斜面でも使える。

川島) 誘引物は何か。醤油は?

小笹)
ヘイキューブ。塩をまいても効果ない。

羽太) 参考までに、丹沢でワイルドライフレンジャーが誘引捕獲を行ったときは、ヘイキューブに醤油をかけていた。

濱崎)
狩猟者の人数が50万人から10万人に減少。効率よく捕獲する必要がある。密度の高低など地域の状況に応じてテストしながら、よりよい方法を検討し作戦を立てる。

大場) 給餌器をセットすると仔だけが食う。母は食わない。母を捕れればいいがとれない。オスを捕ることも必要であるが、個体数を減らすためにはメスを捕ってほしい。くくりワナにかかった動物はこわい。死にもぐるい。ワナにかかった個体を安全に処理するのはもう1か所くくってから止め刺しを行う。技術が必要。

古林)
素人が実施するには、いろいろ難しい問題がある。試行錯誤で進める必要がある。誘引物については、今、アオキが退行しているエリアでは、アオキで誘引できることがわかった。センサーカメラの映像はシカがカメラ目線でカメラを気にしている。シカを誘引し、興味を引く場にしていくには、警戒しないものを知る努力が必要になる。

大場)
シカにとっての「魅力」と「警戒」のバランスが被害対策や捕獲を考える上で重要。飼料等誘引物を使ってシカに対する魅力をあげる。一方で、人工物には警戒するので馴らすことが必要。地面に置いた家畜飼料には冬季であれば短期間で餌付くが、プラスチックの給餌器に入れて与えると母親は警戒し、なかなか食べない。「魅力」と「警戒」のバランスは、環境や季節や個体によっても変わる。シカは2色型色覚で、黄色と青の世界。人間にとって目立つ(猟友会の)オレンジは、シカにはあまり目立たない色になる。

古林) フェンス、ワナいろいろ考えなくてはならない。ワナで成功事例が多い石綿さんの話をお願いしたい。

石綿(小田原市、有機農法研究会)くくりワナで、1年間で16頭とった。ワナを設置すればとれるというわけではない。誰でもとれるわけではない。イノシシやシカは鼻が利く。警察犬と同様である。ワナをセットするのに10分から30分かかる。人のにおいが付くとシカは来ない。ばれている。要するに釣りの上手な人が多く釣るのと同じ。魚の状態が分からなければ釣れない。経験が必要である。経験が頼り。

古林) 30年前金華山でサルを見ていた。何が重要かは、そのサルやシカが次に何をするかを考える経験が必要になる。石綿さんが坊所でワナで16頭とった。本気になってシカの生態を調べワナを成功させる必要がある。

ここから会場で集めた質問書に回答を行う。
質問)
箱根山地は、シカ定着防止地域ということだが、根絶を目指すのか、それとも限りなく低密度を目指すのか。その方針は、地域で合意されているのか。

羽太) 箱根でシカを根絶できるとは考えていない。周辺から随時入ってくるだろうが、定着させないで、限りなく低密度で抑えたい。シカ管理計画は、鳥獣総合対策協議会などで議論して合意形成を図っている。

質問) 銃所持10年未満のワイルドライフレンジャーや実施隊のライフル使用を認めることについてどう思うか。

羽太) ライフルと散弾は、それぞれの特性に応じて使い分ける必要があるが、認定事業者や実施隊が、銃所持10年未満でもライフル銃の使用を認められる特例措置は、適切に運用されていると思う。

質問) シカはいらないのか。

古林) 保護管理は人間を管理すること。一人でも多くの方がシカ問題とは何かを考えてほしい。シカが増えたので殺せば済むという問題ではない。

濱崎) シカが増えているのは大きな問題。捕獲は必要な手段である。温暖化により豪雪年がなくなり、かつて10年程度ごとに見られていたシカの大量死が見られなくなった。シカと人間の歩んだ歴史が変わってきた。捕獲を1つのオプションであり、絶滅させることを目的とするわけではない。どの程度の密度レベルに抑えるべきなのか、捕獲についても責任ある試行錯誤が必要である。

大場) シカは大好きな動物だが、その影響をみると減らさなくてはならない。対策(化学的防除)を研究している。メスの群れは定着する。シカはどこにいるか。人に対して安全で餌のあるところ、同じ場所を使い続ける。ときおり、行動圏を飛び出す。戻ってくることが多いが、魅力的だったのか行ったきりになることもある。そして新たな行動圏を作る。そうやって分布が拡大する。基本的には同じところを使い続ける。安全なところで高密度化が起こる。シカは見えないのでGPS首輪を付けるとどこを利用しているか、いつ活動しているかよくわかる。

質問) シカは群れで移動しながら生活しているのか。

大場) メスの群れは定着する。シカはどこにいるか。人に対して安全で餌のあるところ、同じ場所を使い続ける。また新しい分布を求めて飛び出すこともある。居ついた先が魅力的だとそっちに居つく。新たな行動圏を作る。分布が拡大する。基本的には同じところを使い続ける。安全なところで高密度化が起こる。シカは見えないのでGPSつけるとどこにいるかがわかる。

質問)
農家がやるべきことは何か。

古林) 農家がやるべきことはフェンスを作ること。

古林) シカとの共存は永遠の問題である。是非、一人でも多くの方が現場に足を運んでいただき、自分の目で確かめて戴きたい。すべての対策には費用が生じる。シカ問題の深刻さを知ってもらいたい。

以上
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報告冊子のご案内



平成29年度箱根山地シカ問題報告書を3月下旬に発行します。
A4カラー 40ページ 
2015~2017年調査の生活痕跡調査、雄ジカの角コスリ樹種、分布、
アオキ過食圧地の分布、シカの胃の内容物、林業被害調査などの結果を報告しています。
ご寄付1000円+5冊まで360円の送料でお届け致します。

ご希望の方は住所・氏名・よろしければ所属・電話番号、冊数をご記入の上、以下にご送金ください。
郵便振替 00220-2-134314 小田原山盛の会

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