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読書録「地図で読む『古事記』『日本書紀』」他

2017-01-05 | Weblog
読書録「地図で読む『古事記』『日本書紀』」4

著者 武光誠
出版 PHP文庫

p186より引用
“仏教は本来は、釈尊(ゴータマ・シッダル
タ)がひらいた高度な哲学であった。
 ところが紀元前二世紀ごろから「仏像を拝
めばご利益がある」と説く大乗仏教が有力に
なっていった。”

目次から抜粋引用
“日本神話の舞台
 王家の伝説
 『日本書紀』が語る歴史”

 文学博士である著者による、日本最古の歴
史書を解説した一冊。
 国産みの物語から奈良時代の入り口まで、
他国の神話などと比較しながら書かれていま
す。

 上記の引用は、日本への仏教伝来について
書かれた項での一節。
なんといいますか、即物的といいますか、楽
して得出来るような物事のほうが、いつの時
代でも世に早く広まるのですねぇ。
 文字だけだとわかりにくい、地名とその位
置関係が、地図で読むのタイトル通り実にわ
かりやすく書かれています。
自分の住んでいる地域との関係性がわかれば、
古い神話であってもより興味を持ちやすいの
ではないでしょうか。

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読書録「眠れないほど面白い『今昔物語』」3

著者 由良弥生
出版 三笠書房

p290より引用
“このときは、「これは前世からの因縁であ
る」とわかって治療しなかった。この蛇と娘
の間柄は、前世からのものだとわかったから
である。”

目次から抜粋引用
“魂を飛ばして人を殺す女
 夫が見た妻の逆立つ髪
 雨宿りがもたらした一夜の契り
 蕪を食べて身ごもる娘
 地獄から妻を訪ねてくる夫”

 童話や昔話を再現する事に定評のある著者
による、古典の「今昔物語集」の中から男女
の話を中心に取り上げた一冊。
 執念深い女性や地獄から舞い戻る男性まで、
時代背景や言葉の解説を添えて書かれていま
す。

 上記の引用は、蛇と二度も交わって死んだ
女性についての話での一節。
あまりにも理不尽に訪れる不幸は、こんな風
に思って割り切ってしまったほうが、当時は
気持ちが前に進んだのかも知れません。
現代で、不幸に見舞われた人にこの様な事を
言うと、色々と問題が起こるのではないかと
思います。
 今昔物語集全部だと、千話を超えるとの事。
日本だけでなく、インド、中国の話しもある
そうです。学校で習ったはずなのですが、今
昔物語という名前しか覚えていませんでした。
 どんな時代になっても、男と女の間には、
いつでもやんごとない事情がありつづけるも
のなのですね。

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読書録「現代語訳学問のすすめ」5

著者 福沢諭吉
訳・解説 檜谷昭彦
出版 三笠書房

p192より引用
“ しかし、事実を単純に信じるな、とはい
うものの、疑うばかりではいけない。なにを
信じ、なにを疑うか、選択する力が必要なの
である。学問とはつまるところ、この判断力
を養うことにある。”

目次から抜粋引用
“天は人の上に人を造らず
 勉強しない人ほど損な人はいない
 なぜ法律が必要なのか
 未来が明るくなる生き方を
 人生設計のノウハウ”

 明治初期に出版され、現代でも版を重ね続
けるベストセラーの現代語版。
 学問の必要性についてから信用の構築につ
いてまで、生きていく為の重要な指針が示さ
れています。

 上記の引用は、常識を疑うことについて書
かれた項での一節。
悪い人や世の中の悪い流れに流されないため
にも、学校を出た後でも学び続けることが、
大切なのでしょう。
 長く出版され続けるのは、それだけの意味
があるということで、明治の世を見て書かれ
ていても、現代に通じる話が数多くあります。
世の中の状況が、大きく変化しそうな状態に
ある今だからこそ、読むに値する一冊ナノで
はないかと思います。

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読書録「ねぼけ人生(新装版)」4

著者 水木しげる
出版 筑摩書房

p240より引用
“人類が進歩するといったって、僕は、進歩
が必ずしも尊いとは思わない。世の中で一番
大切なことは、幸福である。”

目次から抜粋引用
“先祖のこと、家族のこと
 爆撃で片腕を失う
 紙芝居作者となる
 貸本マンガ界の奇人たち
 失われた楽園”

 日本における妖怪研究の大家の自伝。
 著者が生まれるきっかけから妖怪や死後の
世界への傾倒の理由についてまで、切実な状
況であっても実に穏やかな語り口で書かれて
います。

 上記の引用は、かつて憧れた南の国の変化
について書かれた話での一節。
進歩が行き過ぎて、毎日それについて行くた
めに振り回されてしまっては、元も子もない
のかも知れません。穏やかに日々を過ごせる
くらいの進歩で、踏みとどまれるのが丁度良
さそうです。
 戦争を体験していながら、その体験をどこ
かのんびりとした文章にしてしまえるのは、
著者だからこそ出来ることでしょう。

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読書録「インドなんて二度と行くか!ボケ!…でもまた行きたいかも」3

著者 さくら剛
出版 アルファポリス文庫

p180より引用
“ よく見ると、ガンガーに浸かっているイ
ンド人の90%は石鹸やシャンプーを持ち込ん
で体を洗っている。中には川の中で歯を磨い
ているやつもいる始末。そしてその下流で敬
虔な表情で水に浸かりお祈りをするたくさん
の人々。”

目次から抜粋引用
“特別レポート
 プロローグ~インドへの道~
 ちょっとだけマレーシア編
 インド突入編
 インド再訪編”

 ニートで引き篭もりだった著者が、何を
思ってかインドへの旅行を敢行し、帰国後に
著した旅行記。
 マレーシアの暑さに悶絶し体中の水分が無
くなる程の下痢に苦しみ、バイタリティーあ
ふれるインドとの対決が目白押しです。

 上記の引用は、聖なる川での沐浴の様子を
描いた一節。清濁併せ呑むという言葉がぴっ
たりな様子です、もしかすると語源なのかも
しれません。
 ブログで連載されていたのでしょうか、強
調表示が多用されていて、よく言えばメリハ
リがある、悪く言えば目障りで紙面がやかま
しい、と言った感じです。好みの分かれるポ
イントでしょう。
お笑い芸人を目指していたとの事なので、人
を楽しませようとするサービス精神に溢れた
一冊です。

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読書録「平将門」3

著者 竜崎攻
出版 PHP文庫

p118より引用
“ 目尻の上がった細い目で、保忠がじっと
将門を見つめた。その下ぶくれの顔には、ど
こか、殺人を業とする武士を蔑んでいるのが
窺える。”

目次から抜粋引用
“神の馬
 月下の戦い
 栄光なき勝利
 呪われし者
 見果てぬ夢”

 桓武天皇の子孫でありながら朝廷と戦った、
平将門の生涯を描いた歴史小説。
 二月、本拠地で軍を整え敵を待つ平将門。
迫りくる敵軍の中に、幼き頃より共にあった
従兄弟の姿を見た…。

 上記の引用は、京の殿上人の将門に対する
様子。身の危険を助けてもらっていながら、
この様子です。自分がしなければならない事
をしてもらっておきながら、その相手に対し
て失礼な態度を取るのでは、あんまりなので
はないでしょうか。
 どんな時代であっても、何かいつでも諍い
の種はあるものですね。平安と名の付いた時
代でも、一体どれくらいの期間、どれだけの
人が平安な気持ちで過ごしていたのでしょう。

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