豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

白馬岳4人凍死事故の刑事裁判は4月に判決出る模様

2015年03月04日 | ツアー登山、ガイド山行
ちなみに書類送検が2013年の12月。民事の方は2012年の年末に一部の遺族と和解が成立しているようです。事故が起きたのは2006年10月ですから、8年以上経過していますね。


山岳ガイドに禁錮3年求刑 白馬岳4人死亡事故
読売新聞  2015年02月27日


さて、

引用
検察側は論告で、富山地方気象台が登山前日の10月6日から当日の7日にかけ、強風や波浪の警報、注意報を発表しており、田上被告は天候悪化を予想できたと主張。携帯電話から気象情報を入手できたのに、怠ったと指摘した。
引用おわり

引用
弁護側はこれに対し、田上被告が前日にテレビの天気予報を見て、当日の天候は回復すると認識したと説明。「台風北上の影響で急激な暴風雪となる現象はごくまれにしか起こらず、予測不可能」と主張した。
引用おわり




気象情報の入手と、それから悪天候が予測できたか否かについてが争点ぽいですね。




気になるのは、ここなんですよね。



検察側は携帯電話から悪天候に関する気象情報を入手できたと主張してきたのに対し、弁護側は被告がテレビの天気予報を見ていたとした上で、天候悪化の予測が困難であると言っています。
もちろん、入山前には気象情報を収集するのが常識ですし、入山してからも可能な限りチェックすべきです。が、予報はあくまでも予報です。好天の予報なのに実際は悪かったり、あるいは逆に悪天候の予報なのに大したことがなかった、なんてことは当たり前に起きるのです。

登山における天候判断とは、最終的には現場が実際にどうなっているのかを見たり感じたりして決めるものだと思います。登り始めてから刻一刻と変化していく天候を見て、その場その場の判断がどうだったのか。本来はそこを争点にすべきだと思うのです。

入手した気象情報では誰でも悪天候が予測できなかった。だから突っ込んで死んだ、ではダメだと思うのですよ。このコースは相当な健脚向けですけど、一般的な登山コースであり、しかもガイドがいるのですから。




まあ裁判だからこうなるのでしょうけど。


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