豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

「ガチで考える道迷い遭難」 第9回

2015年03月16日 | ガチで考える道迷い遭難
「第2章 道迷いを防ぐために」は、今回で終了です。次回からの第3章では道迷いに陥った場合の対処について語っていきたいと思います。たぶん4回ぐらいです。



◆危険な箇所にぶつかったら

何度も「登山道の先を見ましょう!」と書いてきましたが、先を見てしまったために危険な場所へ突っ込んでしまった例を何度か目撃しています。目の前に危険なレベルの急な岩場や斜面があるにも関わらず、その先に登山道がくっきり見えていると「ここはルートだ」と思って入り込んでしまうようです。これを目撃したのは不帰キレット周辺なんですけど、怖い岩場を何度も通過しているうちに、感覚が麻痺してしまうのでしょうかねえ。普通であれば、そんな怖い場所がルートだとは思わないはずなのですが・・・

そういった登山道が見えなくても、前方にある危険な岩場や斜面へがむしゃらに突っ込んでしまう人がいます。

目の前に恐ろしい感じの岩場や急斜面がある場合、通常はそういう危険箇所を迂回するルートがどこかにあります。よく探しましょう。この場合、よーく探すというのは、真後ろまで見るということです。それで見つからなければ5メートルぐらいバックして探してください。絶対に、前に突き進んではいけません。

また、そういう恐ろしい場所が出てきたら、人が通っている痕跡を探してください。これは前にも書きましたけど、一般的な登山道は、長年にわたって大勢の登山者が通過しているのです。ですから、よーく観察すれば大勢の登山者が通過した痕跡が見えてくるはずです。

目の前にある怖い岩場や急斜面に、人が通った痕跡がありますか?あるいは人の手によって加工された痕跡がありますか?それが見えなかったら、そこはルートではないのです。はっきりわからないのであれば、そこはルートではないととりあえず断定し、いったんバックするべきです。

道に迷った挙げ句、転落事故を起こすケースが多いということを覚えておいてください。


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