豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

高山病対策、それは寝ないこと

2015年06月29日 | 遭難と救助について考える
国際山岳医の大城先生が静岡新聞の記事で高山病対策について語っています。


高山病対策を伝授 山岳医、大城さん講演 富士宮
静岡新聞  2015/6/24 08:07


今シーズンは大城先生が富士山の診療所にしばらく滞在して診療にあたるそうです。うむむ・・・

山に登って診療にあたる先生が北アルプスや富士山やその他様々な山域におられますけど、そのほとんどはボランティアですからねえ。ただでさえ多忙な毎日を過ごしているというのに休暇をとったら山に登ってまた診療とか、信じられないほど献身的で頭が下がってしまいますわ。




で、本題。

引用
同センターで毎年、診療件数が最も多い高山病の予防策として、▽ゆっくり登る▽登山初日は高度2500メートル以下で睡眠を取る▽登山前と登山中の水分補給―などを挙げた。30センチ先のろうそくを吹き消すイメージで息を3秒間はき、酸素を吸い込む「努力呼吸」の仕方も紹介した。
引用おわり


僭越ながらこれにつけ加えますと、標高の高い山小屋に到着したら、どんなに眠くてもいきなり昼寝をせず、山小屋周辺をしばらく散歩するなどして身体を高所に順応させましょうってところでしょうか。これは北アルプスの定番パターンだと思うのですが、朝早く出発して標高2500m以上にある山小屋へ昼ぐらいに到着したお客さんが昼寝をしたところ、夕方になってから激しい頭痛や嘔吐など高山病の症状を訴えてくるんですね。

試しにグーグル先生に「高山病 昼寝」で質問してみると、昼寝はあまり推奨されていないようです。自分もよく頭痛や嘔吐を訴える登山者に遭遇するのですが、昼に山小屋へ到着してすぐ寝てしまったというパターンばっかりです。標高2500mぐらいであれば、高所に到達しただけで症状を訴えてくるケースはあまり多くないと思いますが、昼寝でやられるケースにはよく遭遇します。

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2 コメント

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いつも興味深く拝見しています。 (日和)
2015-06-29 21:55:06
大城先生の在籍しています日本登山医学会のファーストエイド講習会に参加した者です。
講習会でも昼寝をしない方が良いと言われていました。
睡眠は呼吸を抑制しますので、寝てしまうと酸素不足になるそうです。
ですが、登山の前は充分な睡眠をとった方がいいようです(^ ^)
Unknown (bongo-pete)
2015-07-02 07:24:37
やはり大城先生のところでも、そういう指導してますよね。富士山の標高ならしかたないですけど、北アルプスの稜線ぐらいでしたら、昼寝さえしなければそうそう高山病にはやられないと思います。