豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

奥多摩消防署のサイトから

2007年10月17日 | 山岳遭難
以前にも紹介した奥多摩消防署のサイト内にある山岳事故等の詳細を久々にチェックしたら、けっこう興味深い事故例が出ていました。


○平成19年9月23日(日)奥多摩いこいの道で小橋から滑落
奥多摩いこいの路の途中にある橋から60歳代の男性が転落し、陸上と水上の両方から救助隊が向かったという事故です。左の画像には転落した地点が出ていますが、「一体どうすれば転落できるのだろうか?」と考え込んでしまうほど整備されていますね。
滑り止めに張られた垂木につまずいたか、ヨソ見をしていたか、でなければ飛び込み自殺としか思えません。転落滑落はどこでも起きるという、いい(?)見本ですね。

救助要請の方法もイマイチな例です。引率者がなぜかスタート地点の「奥多摩都民の森」に連絡し、そこから地元の奥多摩病院に連絡したら「救急車を呼べ」と言われてようやく奥多摩消防署に連絡しています。これでおそらく、15~30分はムダにしていますね。呼ぶのならさっさとプロに連絡するべきです。わずかな時間の差で天候が悪化してヘリコプターが飛べなくなるなんて、現場ではよくあることです。


○平成19年9月10日(月)大多摩ウォーキングトレイルで道に迷い、動けなくなる
大多摩ウォーキングトレイルってこんなところです。多摩川沿いにつけられたハイキングコースなのですが、距離は5キロぐらいです。こんなところでもドツボにハマる人がいるんですねえ。これよりもさらに上流には奥多摩むかしみちというハイキングコースがあります。ここは道の大半が舗装路なのですが、ここでも行方不明が出ています。たしか出てきていません。道迷い遭難は、どこでも起きるものです。


○平成19年9月8日(土)サス山で道に迷う
小河内ダムから御前山に登るコースで迷った例です。ダムの駐車場に車を停められるので、奥多摩の中でもマイカーで手軽に行きやすいコースですね。足慣らしにちょうどいいので私も何度も登っていますが、やはりこのコースで道迷いってのは信じられません。たぶん作業道か何かに紛れ込んだのでしょう。
御前山付近で行方不明ってのは、以前にも何度か聞いた記憶があります。このあたりは登山道をはずれると、どこもかしこも急斜面です。初心者だとどうもならないかもしれません。

登り始めた時間が12時というのは遅いですね。でも、このコースはこんな人ばかりです。いつ行っても遅いスタートの人に出会いますよ。しかも1時に「時間が足りない」と判断して下山ということですから、ちょっとアレな登山者でしょう。地図やガイドブックを持っていないのでしょうね。登山口から山頂までは、3時間掛かるのですから・・・



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6 コメント

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Unknown (TAKA)
2007-10-17 22:30:17
bongo-pete様 はじめまして!

なるほど興味深い記事です。
御前山で道迷い・・・う~ん・・・。
なんでだろうと思いますが、
何かあって道を外れてしまったのか・・・

などと言う私も、
道を間違えたりしてますが・・・orz
低山でも気を付けねば!ですね!




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Unknown (bongo-pete)
2007-10-18 00:18:16
普通の注意力を持っていれば、御前山で間違うはずないと思います。しかし、地図もガイドブックも持たず、「このまま登れば、いつか山頂に着くでしょ?」なんて質問をしてくるような登山者と御前山で何度も遭遇していることを考えると、道迷いが起きないわけがないのかもしれません。

私が覚えている御前山での事故例では、行方不明になってから数ヶ月後に、ダム湖で水死体となって発見されています。
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Unknown (malisan11)
2007-10-18 11:11:58
はじめまして。
思い当たる事が多く、大変興味深く読ませて頂いています。

私は60代前半~70代前半の方達といつも歩いていますが、私自身は一回り下の世代です。いわゆるサークル的な会として歩いています。

何でもない所で躓くのは、大抵の場合「おしゃべり」が原因です。前後でのおしゃべりは足元を見つつでまだ良いのですが、例えば後ろの方で「あっ、なんとか草!」と声が上がったり、興味のある話が聞こえると、立ち止らず歩きながら振り返る、こういう時に皆さんよく木の根や小石に躓いています。険しい所は、黙々と歩いているのであまり躓きません。

道を間違える時もありますが、それも大体おしゃべりをしていて分岐に気付かない場合が多いです。幸い複数で歩いているので誰かが気付いて修正しますが。

後、年齢上やはり物理的に視野が狭くなっている&思い込みが強い。分岐の標識は自分の目の高さにあるものと思い込んでしまうんですね。上の方の枝にぶら下がっていたり、壊れて木の根元に転がってたりもするのですが、視野の狭さと思い込みで目に入らない事もあるようです。「ここにありますよ」と言うと「あら、気が付かなかったわ~、やっぱり若い人は目が良いわね」と言われます(笑)。一応皆さんも探しながら歩いてはいるんですけどね。

私自身も言うほど山の経験がある訳ではありませんが、他の方が年々年相応に体力が落ちていくのを見てると、同行者として自分の責任が大きくなっていくのを実感しています。

今後もこのブログから注意点等を確認して歩きたいと思います。また、アレな登山者の話も大変参考になります。
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Unknown (bongo-pete)
2007-10-18 21:54:04
「おしゃべり」でつまずくのは、よくありますね。私はお客さんに後ろから話しかけられてもふりかえらないようにしていますが、急に悲鳴があがったりすると、やはり振り向いてしまいます。そんな時、自分がコケそうになったりします。

視野の狭さって、なかなか改善は難しいと思います。結局、「分岐を間違ったらエライことになる」という意識があるかどうか、だと思いますが、ふだんパーティで行動しているとわからないでしょうね。
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いない (K.J)
2015-06-07 21:12:36
僕は、敦賀市岩籠山で遭難したものです。
怖っかた…。でも無事下りられた時は、とっても
嬉しかった。
皆さんも、遭難しないよう万全の準備をして登って
ほしいです。
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Unknown (K.J)
2015-06-07 21:17:42
しかもですよ!先生も13人も引率しているくせ
25人も遭難しないとダメかって言う話です。
意味がわからないです。しかも岩籠山に
登ったことある先生1~2ぐらいしかいない、どういうこと
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