虞美人草

競馬予想を定期的・恣意的に行います。

17 天皇賞秋 1

2017-10-28 02:13:01 | 予想
 現5歳世代はダービー馬がドゥラメンテ。名実ともにこの馬が世代のトップに君臨したが、昨年早い段階で引退した。それでも今回の天皇賞にも出てきている同世代の3頭がG1をにぎわせ続けている。キタサンブラック、リアルスティール、サトノクラウンである。

 キタサンブラックは言わずと知れた現役最強馬。私もこのブログで何度も絶賛してきた。クラシックは菊花賞のみの1勝だったが、私はこの馬が3歳春の時点でG1を、それもいくつも勝つようなことになるとは予想していなかった。G2までだろう、と。皐月賞での前二頭につけられた差は決定的にも思えたし、ダービーはハイペースにも巻き込まれて散々な結果だった。それでも3歳秋からはほぼ凡走なしでここまで至っている。テンのスピード、持続力、勝負根性。総合的バランスは得難い名馬の域である。

 リアルスティールは共同通信杯を1戦1勝の身で制した天才少年だった。皐月賞の段階で私はこの馬が勝つと信じ切っていたし、事実理想的に直線抜け出してきたときは勝利を一瞬確信した。ところがそこからドゥラメンテの破壊的な末脚に屈する。ダービーは完敗で菊花賞も素質スピードで上回っているはずのキタサンに内から差されてやられる。いかにも勝負弱い馬、が板についてきたように思えた。だから私はそこから予想の中心に据えることをやめた。海外G1を勝ったりもしたが、私の中ではまだ「クラシックを勝てなかった馬」の印象が根強い。

 サトノクラウンはユニークな血統構成の馬だ。2歳時にすでに重賞を勝ってクラシック候補生となったが、私には父Marjuという血統が果たしてクラシックを勝てるものかどうかよくわからなかった。ディープインパクトに屈するのではないかと思って軽視していた。やはりと言おうか、クラシック制覇は果たせなかった。秋は菊花賞ではなく天皇賞に矛先を向け、大惨敗。これはこのまましぼんでしまうパターンかとも思ったが、4歳で重の京都記念を勝ったところから立て直し、海外で世界に名だたるG1馬を差し切るような活躍も見せた。そしてこの春はとうとう国内G1も勝ち切った。

 2015年の皐月賞で1・3・4番人気を占めた馬たちが二年弱の時を経て天皇賞で1・2・3番人気を形成する勢いである。その3頭もこの二年間は三者三様の歩みを続けてきた点が面白い。この3頭から勝ち馬が出るのか。はたまたその他勢力の台頭か。かつてクラシック第一弾をいずれも重賞勝ち馬として人気を集めて迎えた馬たちが年齢を重ねて初めて一堂に会する。ここの力関係をうまく測ることができれば正解に近づけそうだが、相当に難しい。

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