fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

terminator salvation:

2009-06-11 00:00:00 | film・bilder++
『ターミネーター4』"Terminator Salvation"(2009年/米/MCG監) 。

邦題はこれまでの1、2、3と何故か続いて4となっているが、
原題は『TERMINATOR SALVATION』。過去の3作とのコンセプトの違いが明確に示されている。

ターミネーター・シリーズを初めて劇場で観ることになった。
1は良作、2が名作(個人的にはアメリカ版ドラえもんだと思っている)で3が駄作と思っている質だが、
今回はそもそもから作風が異なり、
宣伝時の戦争映画的な銀残しのフィルムにモエ(燃え/萌え)たため、わざわざ足を運んだ。
これまでと似たようなテイストだったら私の好みから考えてまず劇場に観には行かなかったでしょう…。
ま、2009年夏のロボット映画祭りの第一弾なわけだし☆

時期的に観に行こううと思ってもまだ観ておられない方が多かろうから、あまり色々書きません。

MCG(マックG)は『チャーリーズ・エンジェル』の監督さんでもあります。
最初この人がやると聞いたとき、ゲッ!不安だ~!と思ったものだけど、なんのなんの。
人間て色々な方向性の表現形を持てるんですね。
ちなみに『チャーリー…』でゴジラをパロッてて思ったけれど、この人も結構怪獣映画好きなのかなぁ?
今回も何気に所々にジャパネスクがあるんですが…
あの原潜のモニターに映っていた近畿地方の地図はいったいどういう意味じゃろう…?
脚本はT3同じくジョン・ブランカトー&マイケル・フェリス名義になっていますが、
このコンビの脚本ではやはり満足なものができず、
ジョナサン・ノーランが何度も書き直して正式な形になったようです。
なので、T3より脚本は良いです(どんだけ3嫌い※注1やねん '笑)。

主演ジョン・コナー役は
『ダークナイト』などですっかりお馴染みのクリスチャン・ベイルさん。
けっこうハマっているんじゃないでしょうか。
それよりも個人的にはサム・ワーシントンの方がいい味出してるなぁと思ったけど。
でもMVPはやっぱり最後の方にチョロっと出てくる"彼"でしょうか(笑)。
実は体は別の人で、顔を合成しているんですけどね。

あとさすがにメカが多くて楽しいです。
個人的にはやっぱりデカイものが好きなので、ハーヴェスターがお気に入りだったりする。
大きさ的に『トランスフォーマー』っぽいけれど、ガションガションとぎごちなく動くさまが
どことなく『地球防衛軍』のモゲラみたいな無機質感を感じられて、これはこれでカッコいいです。
T-600もガジェットガジェットしていて萌えます。
いいよね☆ゴツくてなんか動作原理を外見ギリギリ理解できそうな感じが。
でもバイク型のモト・ターミネーターと、水中の奴はデザインいまいちです。
機能美と無駄なガジェットとのバランスが感じられないのね。
"シークェンスありき"で作ったような。
なんだかんだで、「ターミネーターっつうとヒト型でなきゃね!」みたいな頭もあるのかな。

エイリアンなどでも観るたび思うけれども、
宇宙生物でもコンピュータの作った機械でも、キャラクターとして扱われるものは
やっぱり大体は馴染みのある脊椎動物型か節足動物型をしているもので、
そういうの以外は単なるグチャグチャとか、ラミエルみたいな幾何学図形の印象しかない。
何かしらの動くアイデンティティを新規に造形するとき、物理原則の根本から考え始める人はいなくて、
普通はこれまで経験的に記憶してきた"something"を無意識に引用するもの。
そしてそれが、提示される側にとっても直観的に個性として受け入れやすいものなんだろう、と感じますね。
ヒトの想像力って自分たちが思っているほど特別なものではない。


さて、T4の話に復帰。
展開としちゃ前半はかなり良かったのだけれど、後半が少し強引な気がしましたねー。
割とシリアス展開だったのにちょっと都合の良いことが続きすぎちゃうか~と(笑)。
ちょっと話の展開、映像自体(平たく言って屋外→屋内中心な感じになる)がスケールダウンする気も。
野郎2人の物語になりそうだったのに事情が複雑なこともあって、そこまでアツい展開も感じなかった。
もう少し脚本を詰めれば解消できそうなのになぁ、惜しい。
『ラスト・ブラッド(BLOOD: the Last Vampire の実写版)』もそうだったけど、最近の映画ってラストに近づくほどもたれるのは何故だ?

でもなんだかんだ言って、良かったと思います。
                 ps. しかし『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』ほどではなかった(笑)。
2作目は2011年公開予定(早まる可能性もあるらしい)。3部作の序章を、心して迎えましょう。
…って本国では予想外に売れていないので、今後どうなるのかは分からないらしいですが。


そうそう、ラストのオチだけど…あれ、誰か少しは引きとめろよ!
なに「ま、仕方ないよな」みたいな成行きになってるんすか(笑)!



※注1:たしか大学の二次試験日の前日にTVで観ていたのがT3だった。
     受験前日にいきなり審判の日だとか言われましても…

ちなみに、ターミネーターを開発したのはサイバーダイン社だが、CYBERDYNEという会社は実在する。しかも日本に。
2004年設立、筑波大学発のベンチャー企業で、ロボットスーツの開発・販売を行っている。
一時期報道されまくって話題になった世界初のロボットスーツ、HALなどがそれだ。
代表の山海教授はロボットネタに関する権威であり、
たしかフィギュア王誌上でマクロスやアクエリオンの河森正治との対談を行っており、私はこれで認知した。
T4のMCGとも対談しており、次回作の製作に係わるとか係わらないとか…


 
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2 Comments

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はじめまして (masktopia)
2009-06-15 12:40:06
TBありがとうございました。

>キャラクターとして扱われるものは
>やっぱり大体は馴染みのある脊椎動物型か節足動物型をしている

1作目のT-800は、燃えて骨格がむき出しになってからがいちばん怖いと感じました。
脊椎動物型は、人の骨に対する恐怖心を掻き立てる造形なのかと思います。
軟体動物が相手だと、なかなか戦意が湧かないのでは?(笑)

ラストはやけにあっさりしていて、肩すかしを食わされたというのは同感です。
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はじめましてー (LOKI:(fantasia*diapsida))
2009-06-16 00:00:45
コメントありがとうございます☆

やっぱり骨剥き出しは死のイメージだし、
どうやらヒトにとって恐怖を感じる動物のパーツは何より、
"歯の付いた上下に開く顎"が一番みたいですね(個人の経験的所感)。
これは脊椎動物の特徴だし、やっぱり「く、喰われる!」と感じてしまうんでしょうか?

じゃあ「人間にしかないもの、それは本能を覆う理性だ!」と誰かが言ったところで、
果たして理論的にもっと怖い(且つカッコいい)造形ができるかっ?と言うと、
やっぱり無理なんですよね。
どうしてもどこかに見たものの編集としてアウトプットされてしまう。
そういうヒトの感性がおもしろいな、と☆


このラストは…次に続くものとして期待しましょう(笑)。
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