日伊文化交流協会

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17人目の証言者(シモーナ)

2008年02月09日 11時43分59秒 | 夕闇のせまるころに
■17人目の証言者(シモーナ:ロベルトの会社の社長秘書)


世の中に完璧な人なんていません。ロベルトもそうです。ここだけの話、仕事はできますが、女にだらしない男です。
私は社長の秘書をしておりますので、おのずと社内だけでなく、家族関係にも詳しくなります。小さな会社ですからね。社員が結婚した時や、出産、結婚記念日、様々な折に花やカードを贈るんですよ。
ロベルトは、社長の奥さんのルチーアと不倫をしています。そうに違いありません。
それに私見たんです。ロベルトが社長の奥さんと一緒に車に乗っているところを。彼は、家庭的な男を装って女を誘うんです。案外、そのほうが、女も真面目な人だと思って安心するんじゃないですか? 不倫をするのに真面目もクソもありませんけどね。相手はだいたい人妻で、お互い遊びで割り切れる関係を上手に選んでいます。部下の女の子に手を出して、セクハラで訴えられるようなヘマはしません。
ですから気が付いている人は少ないようですが、私は解ります。カンが鋭いんですよ。
それにしても、社長の奥さんは、ロベルトの奥さんと学生時代からのお友達だったはずです。ロベルトの奥さんは鬱病で入院中だと聞いていますが、きっとそのせいに違いありません。
だって、そうでしょう? 信頼していた友人と夫の両方に裏切られたんですからね。



これはAl Calar della Seraの日本語バージョンであり、フィクションです。
実在する氏名との重複があったとしても、なんら関係はございません。



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