華氏451度

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「教育基本法・可決へごり押し」は教育に悪い

2006-11-17 23:20:33 | 憲法その他法律

  教育基本法改定案が衆院を通過し、参院で審議入りした。あいかわらず野党4党は欠席のままである。安倍首相は「教育再生」を最重要課題であると言い、速やかな成立を目指して欲しいと記者会見で語ったそうだが――繰り返して言う、なぜそれほどまでに急ぐのか。

 今回の暴挙には、多くのブロガーが怒りを表明しており、私の所にも多くのTBを1いただいた。たとえば――「こんな国民をバカにした国会が許されていいのか!」とと叫ぶdr.stoneflyさん、「教育基本法は学校教育の憲法とも言われる重要な法律である。それをたかだか100時間程度の審議で採決するという暴挙は断じて許すことが出来ない」と説くアッテンボローさん、「何が自民党だ。非民主的なことこの上ないやり方で自由を奪いやがって」と激怒する反骨心ブログさん、その他大勢の方が「マジで怒って」おられる。(ひとつひとつご紹介できればいいのだが、身内の年寄りが亡くなったりしたことで少し疲れているのパスさせていただく。どうか昨日のエントリ、「教育基本法採決の強行に満腔の怒りを」にTBされた記事を読んでいただきたい。私のしょうもない寝言より、よほど内容の濃い記事ばかりである)

 首相は教育再生、教育再生とお題目のように唱えるが、「反対意見については聞く耳持」たず、「数をたのめば何でもできる」と傲岸に構え、「馬な庶民は詳しいことなど知らなくてよろしい」とばかりにイケイケで法案を押し通そうとする姿勢は……子供の教育に悪いんでないの? 

 安倍首相は彼の著書『美しい国へ』などによると、祖父・岸信介をいたく尊敬しているそうだ。誰を尊敬するのも個人の自由だが……半世紀ほども前に祖父がやったことを、まるで不気味な相似形のように彼はなぞろうとしている。教育の根幹を支えるもので、憲法と並んで重要な法律である教育基本法をドサクサ紛れに変えようとする安倍内閣を、私は死ぬまで許さない。

 ところで……それに関して、やや気になるニュースがある。

【教育基本法改正案の衆院採決に反発して国会審議を拒否している民主党内で17日、参院の審議入りを受け審議復帰の動きが出始めた。参院幹部が修正協議を打診して自民党側にすぐに否定される場面もあり、野党4党で徹底抗戦を誓った翌日に軟化する民主党の姿勢に社民党などから「早過ぎる」と不満の声も出た。】(11月17日付・毎日新聞)

 民主党に対しては半ば危惧を抱きつつ、半ばは応援するというのが私のスタンスである。だが、ここで徹底抗戦を止めるのであれば、「所詮は自民党と、二卵性双生児――多少の違いはあるが似た者同士――」と絶望せざるを得ない。日和るな、民主党。ここで軟化したら、許さないぞ。

コメント (7)
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