華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

安倍「改憲」内閣、宣戦布告す

2006-11-01 20:41:04 | 憲法その他法律


 自民党が憲法改定に躍起になっていることは周知の事実だし、安倍首相がバリバリの?改憲論者であることも既にひろーく知られている。だから今さら何を聞いてもいちいち驚かないつもりだが、こういうニュースに接すると丸腰の庶民のひとりとして、やはり素直に驚く。と言うか、ギョッとする。

――安倍首相、任期中に改憲したいと言明――

 新聞各紙などで報道されているので皆さんとうに御存知と思うが、一応、新聞の記事を挙げておく。

【安倍首相は31日、米CNNテレビと英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、「自民党総裁としての自分の任期は3年で、2期しか務められない。任期中に憲法改正を目指したい」と述べ、憲法9条を含めた改憲に強い意欲を示した。(中略)この日のインタビューでは、改憲の理由として①現在の憲法は独立前に書かれた②60年たって時代にそぐわない条文があり、新しい価値も出てきた③自分たちの手で憲法を書くという精神が新しい時代を切り開いていく――の3点を挙げた。その上で、「時代にそぐわない条文として典型的なものは憲法9条。日本を守るとの観点、国際貢献を行っていく上でも憲法9条を改正すべきだ」と強調した】(11月1日付・朝日新聞)

 向こう6年の間に憲法を改定するというのだ。安倍「改憲」内閣が、いよいよ決意を表明し、現憲法に対して声高に宣戦布告したと言ってもいい。

 日本を守るという観点がうんぬん――だそうであるが、国を守るというのは国体を守ることか、国土を守ることか、一部の選別された人々を守ることか、そこに住むすべての人々の命と暮らしを守ることか。むろん国民を守るということです、という言葉が聞こえてきそうだけれども……昔々から、「国」(あるいは村でも何らかの集団でも、何でもいい)を守るという掛け声がかかるたびに、人間が自分達が少しでも暮らしやすくなるようにこしらえたはずの単なる枠組みが人間の上に君臨し、足弱な人間を切り捨て、その他大勢の人間を使い捨ててきた。

「国あっての民」へと、飼いならされまい。私達に――守るべき「国家」は、ない。

コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする