うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

幸せのちから

2007-02-07 21:14:39 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



やっぱ「大金を手にしたい」「成功したい」は誰しも思いますよね~?
一昔前は起業して成功した人をやんやと持ち上げてたけど、最近はそれもあまり聞かなくなりましたね。
やっぱホリ○モン逮捕辺りから変わった?

そりゃあ、ことらも「左うちわ」な生活は送りたいですけども、不満はあれど会社員やってて、それなりに安定してて幸せなんで、特に冒険しようとは思ってません。
…年収1千万には憧れるけど、それだけ稼ごうと思うと、きっと家庭が犠牲になるよね。
それだけは避けようと考えてるわけで。

ともあれ、そんな「億万長者」に憧れ、そして本当になってしまったクリス・ガードナーの物語「幸せのちから」です。
…当初は「しあわせのかたち」とごっちゃになって仕方なかったっす。
まだファミ通でやってるんだろか・・・?


夫婦の間は完全に冷え切り、収入は乏しく日々の生活に困る…というところから物語は始まります。
クリス(ウィル・スミス)は、医療機器のセールスマンをしているんだけど、これがまぁ、「詐欺に引っ掛かったよね?」って感じで…。
だって、会社勤めのセールスマンじゃなく、医療機器を大量に買い込んで、それを個人で売るんですよ。
昔、ミシンの訪問販売なんてあったけど、イメージ的にはこれに近い。
しかも、持ち歩いてる機械はデモ機じゃなく、契約できればそのまま商品として渡すんです。
この辺はアメリカの感覚ですかねぇ…。

この機械をよく紛失するんです。クリスは。
盗まれたり、落としたり。
そして運の良いことに必ず見付かる。
その度にウィル・スミス走る走る。
こんなに体力のある営業マンはそうそう居るまい。

税金は払えず、家賃も滞納。駐車違反の罰金すら払えないという毎日。
まったく売れない重い機械を片手に、ほとほと疲れていたある日、真っ赤なフェラーリが彼の目にとまります。
今の彼からすれば、フェラーリは夢のまた夢。
クリスは思わず、フェラーリから降り立った男性に声を掛けます。
「どうすればこんなクルマに乗れるんだい?仕事は何を?」
「株だよ」
この事をきっかけに、クリスの挑戦が始まります…。


証券会社に履歴書を提出するも、ほとんど相手にされず。
意を決して担当者に直接売り込み。
お金もないのにタクシーに便乗し、当時大流行だったルービックキューブを、目の前で解いてみせます。
このエピソードは、クリスが何かを持っていると感じさせるシーンで、結構重要だったかと。
ところがタクシー料金払うお金はありません。
大脱走です。重たい機械片手にウィル・スミス走る走る。
で、地下鉄に滑り込んで、代わりに機械を落としてしまう。
実はこれが伏線。このおかげで、後の最大のピンチを切り抜けられるんです。

現状打破というのがクリスを突き動かした最大の理由なんだけど、それからの彼はとことん不幸です。
奥さんは出て行ってしまい、アパートはあと一週間で出て行けと言われ、退居の猶予をもらうために引き受けた壁のペンキ塗りの最中、今度は駐車違反の罰金滞納で逮捕されてしまいます。
明日は大事な面接だというのに一晩拘留。
釈放されたのは面接時間の直前。
さぁ、ウィル・スミス走る走る。
身なりはとても面接を受ける姿ではないです。ドロドロの服で、身体はペンキだらけ。
しかしここからが彼の本領発揮。
「面接にシャツも着てこないような男を雇ったとしたら、君はどう思うかね?」
「…よほど良いパンツを履いていた。」
このユーモアで、クリスは面接合格を勝ち取ります。
ところが…面接合格とはいえ採用ではなく、半年間無給で研修を受けなければならず、その後採用されるのは20人に1人。
彼の頭によぎるのは息子のこと。
何があっても息子は養っていかなければならない。
それでも彼は研修を受けることを選びます。
半年間は困難が生活が続くけども、採用さえ勝ち取れば息子に楽をさせてあげられる…。
人生を左右する一大決心の瞬間ですね。

うまく回り出したと思ったらすぐに障害が出てきて、やることなすこと、とことん運がないんです。
それでもめげずにあがくことで、なんとか最後の最後に運を掴んでいくクリス。
諦めずに頑張れたのは、やっぱ息子・クリストファーが居たからだろうね。
なにがあっても息子だけは守るというのがとても感じられました。
状況は悲惨なんだけど、息子には悲惨さを感じさせまいと、努めて明るく振る舞うクリス。
守るべき物があると、人は強くなれるんだね。

研修中とはいえ、やってることは実務で、ひたすらクライアントに電話攻勢。
残業してでも多くのクライアントを確保した人が、採用に対して優位に。
そのクライアントも、個人クライアントよりは法人などの大口の方がいいのは自明の理。
ところが、せっかく大口クライアントのアポが取れたのに、雑用頼まれて時間に間に合わなかったのでした。
そこでどうするか?
クリスは、休日に機械のセールスをするかたわら、その大口クライアントの自宅を訪ねて謝罪するんです。
その誠実さが気に入られ、その場で契約は得られないながらも、強い人脈を確保することに成功。
この誠実さクリスの最大の武器なんだろな~。
人事への売り込みの時もそうだったし。
彼には「見習わなきゃならないな」と思わされることが多いです。

研修も順調、機械も全て売ることが出来、ようやく少し生活に余裕が。
ところが今度は、滞納してた税金分として全部持って行かれて、全財産が21ドルに。
とうとうアパートも追い出され、ついにホームレスに。
不幸すぎて泣けてきます。。
でも、捨てる神あれば拾う神ありで、教会がホームレス救済で宿を与えてくれるんです。
だけど、毎日早い者勝ちで、5時までに列に並ばなくてはならない。
クリスは早く切り上げるために仕事の効率化を図ります。
この辺も、周りの人とは何か違うと感じさせられるところ。
とにかく必死なんですね。

収入もなく途方に暮れてたある日。
地下鉄で落とした機械を発見。
ところが故障してて、そのままでは売り物になりません。
修理するには部品が必要。
なんと、血液を売って、それで部品を買って修理。
ホンマに身を削ってるな。。

そんなこんなで迎えた研修最終日。
クリスは人事の人達に呼び出されます。
「今日は良いシャツを着ているな。」
「今日が最終日ですから。」
「だが明日も良いシャツを着てくるんだ。明日が君の初日だからな。」
それまでの苦労が報われた瞬間。
クリスはなんとか溢れる涙をこらえるのでした。
このシーンはむちゃくちゃ感動的。
ちょっとやられたな~という感じでした。
このユニークな合格通知もなんともいいよな~。
一目散に保育所に向かい、クリストファーを抱きしめるクリス。
本当に良かったね。おめでとう。


…なんか延々あらすじを書いてしまいましたが…
作品的には「サクセスストーリー」というよりも、困難な状況の中での「親子の絆」の映画という印象です。
息子のためにがんばる父親と、その父親をひたすら信じる息子。
母親がおざなりになってるのが、女性視点ではツライかなぁ?
いや、このお母さんもかなり苦労したんですよ。ホント。

不満を挙げるなら、成功して裕福になった後の2人の生活をちょっとだけでも描いて欲しかったなと。
「この後どんな生活を送るようになったんだろう?」というところで終わるので。

パンフレットに書いてあるんだけど、実はこの映画は「事実に基づいた話」で、まるまる「実話」ではないそうです。
何とも微妙な言い回しだけど…。
ところどころ設定が変えてあるんだけど、それはクリス・ガードナー御本人も了承済みとのこと。
より映画的に仕上げたんだろね。
でもそんなに問題ないかと。
素直に感動できる映画でした。


・・・でも、あまりにウィル・スミス走る走るなんで「あれ?これってアクション映画?」みたいな。
あと、ウィル・スミスが見事にオーラを消していて、雑踏の中では「あれ?どこに居るんだ?」って。
その他の主演作品の時とは、明らかに雰囲気が違います。
考えてみりゃ、PRで来日した時もオーラが無かったような…。
消したのはいいけど、そのまま戻らない…なんてことはないよな。。

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