環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

混迷する日本⑯ 国際社会に大きく遅れをとった化学物質政策

2008-01-31 13:36:20 | 化学物質/アスベスト
私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック

持続可能な国づくりの会<緑と福祉の国・日本>のブログは、ここをクリック

 


「健康に有害」あるいは「環境(生態系)に有害」な化学物質を製品に使うのは、むろん好ましいことではありません。化学物質を合成するとき、そして、それらの化学物質を製品として製造し、販売し、使用するときには、この2つの基準に照らして、適当かどうかを判断する必要があります。

皆さんは覚えておられるでしょうか。昨年5月2日のブログで、「日本の環境省によれば、2002年の時点でOECD加盟25カ国のうち生態系保全を考慮していないのは日本だけ」という記事を紹介しました。記憶を新たにするために再掲します。

この記事は今となっては5年前の記事ですが、その後日本の化学物質関連法がどうなっているかをお知らせしようというのが今日のブログです。次の図が示すように、2003年5月の通常国会で「化審法」(化学物質の審査及び製造などの規制に関する法律)を改正し、2004年4月1日から改正法が施行されました。これで、やっと日本は最下位から脱し、形の上では他のOECD加盟国並みとなったのです。


さて、今日の朝日新聞に次のような記事がありました。


同日の毎日新聞がもう少し詳しく背景を報じています。


やっとOECD加盟国と足並みがそろったと思ったら、海外の規制動向を踏まえて、再び来年の通常国会で、再生法案の提出をめざすのだそうです。福田首相が1月18日の施政方針演説で述べた「世界最高水準の環境関連技術」 を有する日本、「世界最高のエネルギー効率」を実現した日本、そして、安倍前首相が2007年1月26日の施政方針演説で述べた「21世紀環境立国戦略」を有する日本が国際社会の後を追いかけている図が見えてきます。残念ながら、ここにも日本が世界をリードしている姿は見えてきません。この記事に出てくる「EUのREACH規制」というのは、元をただせば、「EUのRoHS指令」と同様に、スウェーデン発の化学物質規制なのです。

関連記事

緑の福祉国家36 新しい化学物質政策の策定⑤ スウェーデン発の政策がEUを通して日本へ(07-05-06) 


つまり、ここでも次のような図式が認められます。「予防志向の国」スウェーデン vs 「治療志向の国」日本という構図です。




それぞれのマークをクリックすると、リアルタイムのランキングが表示されます。お楽しみください。


      



最新の画像もっと見る

コメントを投稿