環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

スウェーデン社民党新党首に モナ・サリーン氏を選出

2007-03-25 12:33:41 | 政治/行政/地方分権
私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック

持続可能な緑と福祉の国をつくる会(仮称)のブログは、ここをクリック


3月18日の時事通信が「スウェーデンの野党、社会民主党は17日の党大会でぺーション前首相に代わる新党首にモナ・サリーン氏を選出した。同党初の女性党首となる」と報じています。

モナ・サリーンさん は、1995年当時、副首相で、当時のカールソン首相の後任と目されていましたが、実際には前ぺーション首相がカールソン首相の後任となりました。モナ・サリーンさんは2005年1月1日から2006年9月の政権交代までは、世界初の「持続可能な開発省」の大臣でした。

昨年9月17日(第3日曜日)のスウェーデン総選挙(定員349)で、穏健党を中心とした野党の中道右派4党連合が社民党と閣外協力2党(左翼党と緑の党)の与党左派連合を僅少さで破り、12年ぶりに政権が交代しました。つぎの総選挙は2010年ですから、そのとき社民党が政権復帰すれば、モナ・サリーンさんはスウェーデン初の女性首相になるかも知れません。

私のブログ内の関連記事はつぎのとおりです。

(1)スウェーデンの国会議員の投票率の推移(1/9)

(2)市民連続講座:緑の福祉国家1 ガイダンス(1/11)
   
(3)緑の福祉国家8 「持続可能な開発省」の誕生、「環境省」の廃止(1/18)  

(4)政治家の不祥事(1/20)
   


↓環境問題の本質を知り、「環境問題についての共通の認識」を形成するためにご協力を!
それぞれのマークを1回クリックしてください。

     



フィランソロピー、メセナ、そしてCSR

2007-03-25 06:15:11 | 社会/合意形成/アクター
私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック

持続可能な緑と福祉の国をつくる会(仮称)のブログは、ここをクリック


都知事選立候補者の一人、淺野史郎さんの略歴を拝見しましたところ、淺野さんは現在、社団法人日本フィランソロピー協会の会長をされているそうです。この協会のHPには、「フィランソロピーはギリシャ語のフィラン(愛)とアンソロポス(人類)を語源とする合成語で直訳すると人類愛、慈善のことですが、日本では「社会貢献」の意味で使われています」とあります。

「フィランソロピー」は1990年代初めにマスメディアを賑わした言葉で、最近はほとんどマスメディアに登場しなくなりましたが、企業が社会に対してどう振る舞うかということです。淺野さんの略歴を拝見して、15年前の企業風土に関するある調査を思い出しました。日本の企業とヨーロッパ企業の相違の概略を紹介した調査です。



もう一つ、「メセナ」(フランス語)という言葉があります。この言葉も最近はほとんど目にしませんが、日本では、1990年に企業メセナ協議会が発足した際、「即効的な販売促進・広告宣伝効果を求めるのではなく、社会貢献の一環として行う芸術文化支援」という意味で「メセナ」という言葉を導入し、一般に知られるようになりました。その後、マスコミなどを通じてこの言葉が広まっていく過程で、教育や環境、福祉なども含めた「企業の行う社会貢献活動」と、広義の解釈でも使用されるようになりました。

そして、もうひとつ「企業の社会的責任」(CSR:Corporate Social Responsibility)という輸入概念が2000年頃から広まってきました。CSRは、「持続可能な社会」をめざすためには、行政、NPOのみならず、企業も経済だけでなく社会や環境などの要素にも責任を持つべきであるという考えのもとに成立した概念、現在では、「フィランソロピー」や「メセナ」に変わってマスメディアに登場しています。





いずれも、企業が社会に対してどう振る舞うかということですが、日本とスウェーデンの企業の間には、現実に生じている問題に対する興味深い相違があります。スウェーデン企業はフィランソロピーやメセナにはあまり熱心ではないようですが、環境問題への対応や持続可能な社会の構築には熱心です。


↓環境問題の本質を知り、「環境問題についての共通の認識」を形成するためにご協力を!
それぞれのマークを1回クリックしてください。