どんぽのばぶさん61~

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カイロ団長・考 その2 殿様蛙の居酒屋

2017-06-01 07:16:39 | ばぶさん童話
どこで仕入れてきたのか石油缶(一斗缶/18リットル)いっぱいのウイスキー、どれくらいの量でいっぱいいくらで売るのか…いろいろ試みてたどり着いた結果は粟粒をくりぬいたコップにいっぱい注いで価格は二厘半(1円=100銭、1銭=10厘)。
私はリーズナブルな価格設定だったと思います。二厘半というのは一銭の四分の一です。
「もう半分(飲みたい)」という酒飲みの心理としては一銭の四分の一という価格はお代わりを注文したくなるお値段です。雨蛙たちの財布には50銭や1円の金はあるだろう。

粟粒をくりぬいたコップに、表面張力を生かしてなみなみと惜しげもなく注いで回ったことでしょう。
くいっと一杯ひっかけて、その勢いと適度な酔い加減で「おかわり」「おかわり」の連呼が店内いっぱいに響き渡ります。
お客の302杯の注文も342杯のお代わりもきっちりオーダーに答えた殿様蛙、てんてこまいの繁盛を極めました。
結構まめで律儀な店主です。
昨今の『ぼったくりバー』のような安易さはみじんもありません。
何しろ彼には夢があります。
「カイロ団」を結成して自分はその盟主になるのだ。
カイロ団長の誕生まであと一息。
いや、二息半、それ位の努力、なんで惜しんでいられましょうや。
雨蛙たちにお金を払いきれないほど飲ませればカイロ団の家来の獲得、しかも一気に30人の家来の誕生です。「おかわり」「へいへい、ただいまうかがいます」

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