中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(231)別れの美学

2014年03月23日 | 授業
 卒業式。
 学級担任をしていると楽しい思い出だけではありません。苦しい経験もあるものです。
 その苦しい経験を一瞬にして忘れさせてくれる卒業式。これがあるから、この仕事が続けられます。

 さて、卒業数日前に次のようなことを生徒に話しています。

1 卒業をしたらなるべく中学校に来ない。
 ・4月から中学校も新しいメンバーで新しい生活が始まっています。
 ・5月、6月なっても「中学校の方がよかった」と言っているのは前向きではありません。残念なことです。
  そのとき、その場所が一番よいと思えるようになってほしい。

2 20歳まで同級会は開かない。
 ・これは私の経験によります。盛り上がりにかけます。個人的な考えですが。

3 高校を卒業する。やめない。
 ・苦労して合格した喜びを忘れるな。
 ・退学を悩んで本当に苦しいなら相談に来なさい。
 ・進路実現には私も関わったのですから勝手に辞めてはいけない。(ちょっと横柄ですが、このような師弟関係も生徒が頑張れる拠り所になると思います。)

 生徒からすると、卒業と同時に中学校や先生と縁を切るような寂しさを感じるかもしれませんが、巣立ちとはこのようなものだと思います。
 小学生のときに見た映画「キタキツネ物語」には、子狐の巣立ちのシーンがあります。
 子狐が巣立ちを迎えたとき、親狐は子狐に噛み付いて巣から追い払います。
 あの厳しさ、別れの辛さが今でも心に残っています。

英語教師生き残り(準備号)iPhoneで英語トレーニング

2014年03月09日 | 授業
 先週、「英語教育・達人セミナー」に参加し、二つの講座を受講しました。

講座1
「スマホでネイティブに100%通じる音読レッスン法」
        金子忠司(iPhone Siri発音インストラクター)
講座2 「掴んで、離さず、その気にさせる、デジタル教材活用法」
        唐沢 博(浦和学園中・高等学校)

 これは刺激的な講座でした。
 受講中から「iPhoneやiPadの音声識別機能をいかに中学校教室で使うか」で頭がフル回転しています。
 まずは、自分が学習してみました。
 中学三年生の教科書を開く。iPhoneのメモアプリを開く。
 そして音声入力開始。
 これがなかなかうまく入力できない。音声識別機能は発音に厳しいのです。
 英語辞典の音声を聞き、口形やリズムを修正して、何度もチャレンジします。
 教科書通りの英文が入力されたときは感激です!
 この英語学習に2時間ほど熱中していました。
 そして実感します。「これ、授業でやれば生徒が熱中する。」
 
 さらに「これは家庭学習になる。」
 これまでの一般的な英語の自己学習は紙とペンだけの学習でした。
 音もわからず、アルファベットの形を視写していただけの生徒も少なくなかったはずです。
 意欲的な生徒はリスニングCDや電子辞書の音声で、正しい音を聞いていましたが、自分の発音が○か×か確かめる方法がありません。
 それが、音声認識機能はできるのです。
 また、家庭学習として「p.45を音読3回」と課題を出し、音読を3回したかどうか教師が確かめることができます。入力されているかどうかディスプレイで見ればいいのですから。

 ICTの授業を学校現場で実践してみたいです。ワクワクしてきます。

 公立学校の現状では、生徒一人一人にタブレット端末を持たせ、それらがインターネットに接続している状況にするのは難しいですが、計画的に働きかけをすれば無理なことではない。タブレット端末を授業で使用している報告は、国内、国外にもあります。

 ICTが授業のすべてを変えるとは思ってません。
 これまで行われてきた学習活動に、うまくICTを取り入れていくのがよいと思います。

 金子忠司さんの著書はお勧めです。
 http://www.amazon.co.jp/英語の耳と口を手に入れる13の法則-CD付き-Tad金子/dp/4534050186