中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(208)リーダーを育てる班編制 席決め その2

2012年12月16日 | 学級経営
 (207)の続きです。

 では席決めです。
 私があらかじめ次のような座席表を作成しておきます。
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 男1 女1 男2 女2 男3 女3
 女4 男4 女5 男5 女6 男6
 男7 女7 男8 女8 男9 女9
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 上記の表は、枠線で区切られています。
 班の境界線も入れてあります。
 これを2枚印刷します。一枚はくじ用です。はさみで切ってくじを作ります。もう一枚は記録用です。

 まずは、6人の班長を6班に振り分けます。くじを引きます。2人の班長が同じ班になったら、その2人がくじを引き直します。これは、学級会の前に済ませておきます。

 次に、視力の都合で前の席を希望する生徒にくじを引かせます。前2列分のくじを分けておき、その中から引かせます。

 最後に、全員が引きます。生徒の動きの交通整理ができるように、男子から、女子からのどちらかに決めてくじを引かせます。

 この際、事前に指導すべき点があります。隣の人がだれになっても、「やった!」「えー。」「やだ。」等のリアクションをとらせないことです。生徒が隣の人にび当たり外れについてリアクションをとるようなら、私は席替えを中断してやめます。ここは学級担任しての毅然とした態度が必要だと思います。

 また、くじを取り替えるなどの不正がないように、学級運営委員と学級担任で厳しく見るようにしています。

 さて、席が確定し机の移動です。
 やらせですが、移動前に今のご近所どうしで「お世話になりました」と挨拶をさせています。そして、転居先のご近所どうしで「お願いします」「お世話になります」と言わせます。やらせでいいと思います。将来あるかもしれない、転居や転勤などの機会のためのソーシャルスキルトレーニングのつもりです。

 時間の余裕があれば、新しい班のメンバーでリレーション作りのエクササイズをさせます。「スゴロクトーク」がおすすめです。

 このように席替えについて、進め方がはっきりしていると次回から、学級運営委員の力で進める事ができます。1回目は学級担任の先生のお手伝いをさせて、ならさせておくのです。
 

(207)リーダーを育てる班編成 席決め その1

2012年12月08日 | 授業
 席替えのお話です。私はこうしています。

 4月、生徒間の投票により、正副学級長と班長を決めます。
 4月の学級開きの直後に、投票をするのではありません。
 投票の前に、生徒が相互理解できるようなエクササイズをできるだけ多く体験させます。
 私は構成的グループエンカウンターの中から、「スゴロクトーク」を行います。
 また、「これ配ってくれる人」「これやってくれる人」と小さな仕事でもボランティアを募ります。
 こうしたチャンスに仕事をかって出てくれる人も、リーダーの素質があります。生徒は知らず知らずに、リーダーの素質を見合う事になります。

 生徒の相互理解がいくらかできたところで、まず正副学級長を決めます。
 数年前までは立候補を募っていましたが、今はそうしていません。
 リーダーの資質のない生徒や、自らの資質を理解できていない生徒が立候補し、そのまま学級のリーダーになることがあるからです。
 社会や学校で褒めて育てられた子ども達は、自己肯定感が高すぎて、メタ認知が弱いのかもしれません。
 
 まず、正副学級長にふさわしい生徒名を生徒たちに書いてもらいます。
 リーダーを務める気持ちのある生徒は自分の名前を書くように言います。
 すると3名から6名ほど候補者があがります。
 その候補者に、「自分が学級長になったら」「推薦されての感想」などを発表させます。
 ここでやる気のある生徒は、自己PRができます。この発表を聞いて、生徒達は推薦された生徒とやる気を理解する事ができます。
 そして投票です。

 勤務校では学級長が、生徒会評議員を努めます。評議員が男子1名、女子1名と決まっています。とって、投票も男子1名、女子1名の名前を書かせます。
 最も表が多かった生徒を正副学級長とします。男女どちらを学級長にするかは、生徒達に机にうつぶせにさせて挙手で決を採ります。
 ここ数年、この方法で、リーダーにふさわしい生徒が、正副学級長を務めてくれています。

 次に班長を決めます。
 6班を編成するのであれば、正副学級長2名のほかに4人の班長を決めます。
 これも投票です。生徒達は4人の名前を書きます。上位4人を班長とします。
 正副学級長も班長を務めるので、6人の班長が出そろいます。
 私はこの6名を「学級運営委員」と呼び、学級会やイベントの運営をさせたり、学級で気になる事があるときは、彼らに相談しています。
 リーダーを育てるとは、この6人が「自分たちがリーダーだ」と実感できる活動を体験させることだと思います。
 担任に相談を聞き対策を考える経験も、リーダーの自覚を高めると思います。

 次回は「班編成」です。つづきます。