・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

酔言池:7 多層多面 

2020年02月01日 | つぶやきの壺焼

ものごとを一つの方向からだけではなく、多面的に見なさいとよく言われます。
多層的に見なさいとは、あまり言われません。

観光客がどかどか押し寄せれば、食・宿・交通・遊・土産にかかわるおカネが入ってきます。
出ていくものは、美しい風景、温暖な気候、善良な生活習慣などの好い評判です。

日本では、観光の情報として伝えられるのは、おもに見た目と数のことで、表に現れない別の層のことはあまり伝えられません。
入ってくるもの、持ち込まれるものには、悪習、病気など、決してありがたくないものが付いてきます。
観光という申告の言葉だけで名目が出来上がれば、別の目的のことがあっても入国が許されます。
世界中を震撼させるような伝染病が間近に迫ってきても、自由と人権の幟旗が、即断即決の対策を妨げます。
「正常化の偏見」という便利で厄介な心理現象が、自分の身の回りはだれよりもどこよりも安全と思わせます。
個人の命運の場合には、あきらめが通用しても、国の命運を「正常化の偏見」に委ねるわけにはいきません。

国政を預かった人たちは、自分の一生や、なんとか格好をつけて保っている名声という心の層を、緊急時には仮眠させておく芸ができなければなりません。
いよいよになってお役目返上ぐらいのことでは済まされないのです。

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