外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

AGEs(ペントシジン)と骨折リスク

2010-09-09 22:58:09 | 骨粗鬆症と糖化
糖尿病と骨粗鬆症の間には、

NHKのためしてガッテン や
 新型骨粗鬆症 ためしてガッテン についにAGEs登場!

たけしの家庭の医学で取り上げられたように、
  あなたの知らない血糖値の罠!
 あなたの知らない血糖値の罠! にペントシジン登場!

見過ごしにできない関係があります。



骨粗鬆症治療の座談会をまとめた最近のパンフレットでも

糖尿病との関係が重要と書いてあったので紹介します。



海外のデータから示される1型糖尿病と2型糖尿病での

骨密度・骨折危険度は、次の図のようになります。







まず骨密度ですが、

脊椎骨と大腿骨近位部(頚部・転子間部など)において

1型糖尿病では減少し、

2型糖尿病では増加しています。


骨折の危険度は、

1型糖尿病では大腿骨近位部骨折の危険度は大幅に増加し、

2型糖尿病でも1.38倍に増加と報告されています。



骨密度の低下する1型糖尿病で

骨折の危険度が増加するのは分りやすいのですが、


骨密度が増加している2型糖尿病でも

骨折の危険性が増加するというのがクセモノです。




次に、2型糖尿病と骨折危険度に関する大規模試験である

Rotterdam Study(2005年)の結果の図を示します。







この大規模試験によると、2型糖尿病患者では

腰椎あるいは大腿骨近位部の骨密度が高いにもかかわらず、

近位部骨折の危険度が1.33倍高い
と報告されています。



これより前の研究ですと、

2型糖尿病患者657例を含む9654例のコホート解析で、

2型糖尿病では大腿骨近位部骨折の危険度が

1.82倍高くなるという報告
(2001年)もあります。



骨密度が高くても、骨折の危険度は高いとは困ったことです。


わが国においても島根大学医学部のYamamotoらが、

閉経後女性で2型糖尿病の有無によって

椎体骨折の危険度と骨密度との関係を外来患者で検討したところ、

2型糖尿病患者の椎体骨折は骨密度では予測困難である

と報告しています(2009年)。

       ↓





その一方でYamamotoらは、

血清中もしくは尿中ペントシジン増加が、

閉経後2型糖尿病女性の椎体骨折の危険因子であることが

示唆される
と報告しています(2008年)。

        ↓









ペントシジンがAGEsのひとつであることは、

ここを読まれている皆さんにはすでにお馴染みのことですね。



関連する以前の記事は以下のとおり。


 骨密度が高くても骨折しやすい理由
         ↓
 AGEsと骨質劣化について


 ペントシジンの生成抑制について
         ↓
 糖尿病合併症治療薬における抗糖化について



 「腎と骨代謝(2008)」に慈恵医大整形外科の斎藤 充先生が

 ペントシジンに関する記述をされています。
           ↓
骨の材質を反映するマーカーの骨折危険性評価への応用と課題



 島根大学医学部の山内 美香先生が書かれた2ページ目には

 一番最初に掲載した図の解説があります。
           ↓
全身性代謝疾患(含メタボリックシンドローム)における骨折危険性評価の重要性」  






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