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救急の症例に思う 前編

2009-12-07 00:43:55 | ひとりごと 医療系

昨晩の救急当直での出来事です。



「救急隊から救急搬入受け入れ要請です」


車同士の正面衝突ということらしい。

意識障害なし、バイタルサインに問題なし、あちこちの打撲と擦過傷、

右手背の外傷からの出血は圧迫で止血しているとの情報。


「受けてもらっていいですよ」

 「20分位で到着するそうです」


受傷の具合をあれこれと想定する。

救急隊からの情報が、必ずしも患者の真の状態でないこともある。


かすかに聞こえてきた救急車のサイレンが次第に大きくなって

鳴り止む時には、アドレナリン分泌もクライマックスに達している。


院内のPHSが鳴る前に階段を降り、救急の玄関へ。


救急隊のストレッチャーには頭部から左頬にかけてベットリと血が付き

右手を包帯で巻かれた男性が上半身を起こしている。



「一番痛いのは、どこ?」



 「ここがかなり。折れてる気がする。」


と、左の胸を押さえる。


左上腕にも腫れとそこそこの痛みあり。

包帯で巻かれた右手はそれ程痛まないが、薬指だけが伸ばせないという。


 「?!



触診での診断をレントゲンにて再確認したのち、右手の処置へ。



長さ4センチほどの、恐らくガラスによる切創。

案の定、薬指を伸ばすための伸筋腱がスッパリと切断されてます。



局所麻酔をして創を洗浄しながら、創内を検する。

レントゲンでは判らなかったが、第4中手骨表面に小さな削れた傷がある。

が、開放性骨折というわけではないか・・・。



伸筋腱の中枢側は収縮してしまっているので、見つからず。


救急の対応としては充分な洗浄と、とりあえずの傷口の縫合となる。


つまり、後日、手術室で、縮んでしまった伸筋腱を引っ張り出して、

腱縫合術を受けるんですよということを説明しながら、傷を縫い始めた。



ところが縫合しながら患者と交わした会話で、

        重大な事実が判明したのだった。

                            つづく




後編はこちら 救急の症例に思う 後編


糖尿病関連記事:糖尿病診療 結局は患者次第か・・・
           糖尿病は いまや 国民病
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           生活習慣病の根源を探る バーカー仮説

糖尿病合併症に関する記事:抗糖化を認識することが必要なわけ


創立2周年記念、AGE Readerによる皮膚AGEs測定の実際は こちらから


当ブログの重要点『抗糖化』等に関してはこちらにまとめてあります。
なお、図表および内容の引用は固くお断りいたします。


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