~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

側弯症に対する理学療法士の皆さんの取り組み

2008-03-02 14:41:25 | 脊柱検診スクリーニング
大きな病院ですと、理学療法科(室) あるいはリハビリテーション科(室)と呼ば
れる診療部門を持っているところがあります。ここで働いているのが理学療法士
の皆さんです。特発性側彎症患者さんにとっては、これまであまり馴染みのない
部門だったと思うのですが、この理学療法士の皆さんも側わん症治療に取り組んで
いることをご紹介したいと思います。


当院における特発性側弯症ヘの取り組み
1) 三豊総合病院リハビリテーション科 2) 広島大学医学部保健学科

当院では,平成9年度より特発性側弯症の早期発見,早期治療,治療の継続のため
の地域ネットワークづくりとして,地元中学2校において側弯症学校検診を開始し
た。

検診は視診法にて理学療法士が行い,低学年ほど基準を厳しくした。

その結果1,2年生が14.5%,3年生が2.7%の発見率であったが,受診者においてCobb
角15度以上の発生率は0.66%であり諸家の報告と差がなかった。

検診の際,cutting off pointの設定により発見率は変化するが,特発性側弯症は
multifactorialな疾患であることから,検診では単に軽症例を除去するのではな
く,症例に応じた指導へつなげる必要があると思われる。今回,学校検診にPT
(理学療法士)が参加した結果,周辺への啓蒙効果もみられ,予防にもつながった

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日本国政府に側彎症検診(モアレ検診)の必要性を訴え、それを法制度として
学校法の中に制定することに努力し貢献してきたのが、整形外科の先生がたです

側わん症治療にとって、もっとも大切なこと、それは「早期発見」です。
その早期発見の最前線が、小学校中学校における脊柱側わん症検査なわけですが、
これはこれで現実として様々な課題を内包しているのも事実です。
(ブログ内のカテゴリー「モアレ検査」参照下さい)

その課題に取り組んでいるのが、今回ご紹介した広島地区における理学療法士の
皆さんによる学校検診への直接参加、ということになります。日常の仕事の中で
人間の「からだ」に直接触れ、体躯のあり様を見ている「プロ」の皆さんが学校
検診に参加することで、検査の精度が上がることが期待できると思います。

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上記検診から見えてくるもうひとつの面にも注目したいと思います。

発見率  中学1,2年生 14.5%
         3年生  2.7% 

Cobb角15度以上    0.66%

つまり、コブ角15度以下の脊柱変形を持つこどもたちの比率が相当数見られる
ということになります。しかし、この子供たちの大半は「正常域」であり、
自然寛解するグループに入ります。大切なことは、コブ角の小さいうちに発見して
要観察グループである場合は、定期的検査を絶対に欠かしてはいけない、という
ことです。

東京都モアレ検査値を基礎として話をさせていただきますと、例えば中学1年生で
14.5%に脊柱変形が発見されたとしても、そのうち、「側彎症」として診断され
装具療法を必要とするのは、約1% ということです。残りの13.5%のこどもたちは
まったく問題のないグループ(自然寛解してまっすぐになる、あるいは多少の変形
はあったとしても側彎症とは呼ばないグループ)にやがて含まれる、という事です

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理学療法士さんについて :


理学療法士国家試験
http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/8.html
受験資格
文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した理学療法士養成施設に
おいて、3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの

ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%86%E5%AD%A6%E7%99%82%E6%B3%95%E5%A3%AB

(august03より)
理学療法士になるには、国が認可した専門教育機関で3年間の教育を受け、
さらに国家試験に合格することが必要です。
ヒトの身体に直接触れて医療行為を行う、ということは、それだけの時間をかけて
専門的に学ぶことが必要であり、それだけの責任がある。ということでもあります

民間レベルでかってに認定したり、お金さえ払えば誰でも「整体師の資格」を
持ってます。ということとは、根本的に異なる次元であることがご理解いただける
と思います。


御願い:本ブログ内で使用している「整体」とは、特発性側弯症を医学的根拠を
示すことなく治療できると宣伝し、特発性側弯症という原因不明の病気で苦しんで
いる患者さんとそのご家族を「ビジネス」のために利用している一部の整体のこと
を示しています。そのような整体のために、多くの良識ある整体の方々が同列で
呼称されることは本意ではないかと思いますが、その点に関しては整体という業界
内で解決されることを期待しております。業界基準と倫理規定を持たれている
カイロプラクティックの方々は、もちろん含むものではありません)






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