肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

高校の名物先生伝説⑨ 「お前は数Ⅰだけやってればいい」 S先生の巻

2009-10-08 13:09:50 | Weblog
勉強の仕方が悪かったのか、才能がなかったのか・・・・
1年の時から理系科目につまずき、
2年の最初の頃には、もうどうしようもなくなっていました。

まず、毎回出される数学の宿題が、全く解けないのです。

その頃、うちの学校が使っていた問題集は、
数研出版の「4STEP」

1単元2ページ見開きで、
左ページの一番上には「基本問題」と「例題」が。

そのあと、難易度別に
STEP1、STEP2、STEP3、STEP4
の4つの問題が並んでいます。

STEP1は本当に基本的な易しい問題で、
これは、ヒントとか答えを見れば何とか解くことが(も)できました。

ところがそのあとがいけません。

STEP2→3→4と、内容はどんどん難しくなっていきます。

ヒントを見ようが答えを見ようが
縦にしようが横にしようが
どー頑張っても解けないのです。

翌朝学校で、数学の得意な友達に教えてもらうか、
白旗揚げて降参!のまま授業に突入します。

先生のほうも、事情はよくご存じのようで
私のような人間には、応用問題は絶対当てません。
学年1の秀才H君や医学部志望のAさんに、step4の問題を黒板にて解かせます。

その解答の美しいこと!

文字と数字と記号、
そして、選び抜かれた数学的用語が
一つの間違いもなく、無駄もなく
芸術作品のように板書されていくのを
うっとり眺めるのでした。

おーっと!
眺めている暇はないんだったわ。

私はこの完璧な解答を
ノートに写し取らなきゃならないのよ。

理解したかどうかは、この時点では関係ないのです。
黒板とノートに何度も目を移しながら、
とにかく、まずは写すこと!それが大切なのよ。

解答を写して、その場は解けたような気分の私。

ところが、家に帰って他の問題をやろうとしても、
じぇーんじぇんわからないー!


そんなトホホな毎日を続けているうちに、
期末テストの季節がやってきます。

一日に2~3科目ずつ、
文系科目と理系科目がバランスよく日程に組み込まれていています。

好きな科目は、やればそれなりに成果が上がるので、ちゃんと勉強していくんです。
でも、数学は・・・・ああ。
何をどう勉強すればいいのか、皆目見当もつきません。

授業のノートを見ても
それがどう応用されていくのか、
イマジネーションが湧きません。


うちの学校の数学は200点満点。

用紙は3枚、大問6つが出題されます。



大問1は穴埋めの計算問題。
4STEPの基本、例題 STEP1レベルの問題です。
大問2~6は記述式応用発展問題という構成になっています。

用紙が配られ、スタートの合図。


私がまず取りかかるのは、大問1。
ここだけはなんとか出来る問題もあるので、
必死に解きます。

そして2~6。
これは完答を最初から目指さないの。
「部分点狙い」でいきます。

5点でも2点でもいいから、点をもらえるように
「ここまでは分かるんですけど、ここから先は無理です。」
と、採点者にアピールしておきます。

1時間30分の試験時間、
30分もあれば「分かる問題」は解き終わってしまいます。
だからあとは、暇で暇で・・・・
次の試験の予習をするわけにもいかないので
机に伏して寝るのが常でした。



試験が返される日が来ました。

先生は採点する時、用紙ごとにまとめて○付けをするので
返す時は、用紙1~3がバラバラに返ってきます。

たまに、2枚目から返される時があるのですが、
tenchanの必死のアピールも虚しく、
赤い斜線が、ピー、ピー、と大きく2本引かれ、
右上に「0点」と書かれているのでした。

結局、1枚目の大問1で40点。
2枚目0点。
3枚目の大問5,6で部分点5点ずつ。
200点満点中、トータル50点というのが
毎回の私の得点でした。

美しい解答をする、H君やAさんなんかは
200点だったもんなー、いつも。




3年生になりました。
担任は、数学のS先生。

「えー、数学・・・・なんか、ついてないし・・・・。」
と、最初はがっかりしました。
どうせなら、英語の先生がいいな、と、思っていました。

ところが、S先生、
私のよき理解者になってくれたのです。

「tenchan、いいか、お前はもう、俺の授業聞かなくていいから。
俺もお前を当てない。

そのかわり、数Ⅰの教科書と問題集持ってこい。
授業中にその問題、全部解け。
解いたらノート出せ。添削してやるから。
一次試験に出るところだけ、しっかり勉強しろ。

お前は数Ⅰだけやってればいい。」

と、救いの手を差し伸べてくれたのです。

クラスのみんなが、微分積分を習っている間、
私は一人だけ下を向いて、
1年生で習う内容を、もう一度やり直し、
分からないところはS先生に教えてもらったのです。

その結果、共通一次(今のセンター試験のこと)の数Ⅰは、何点だったと思います?
なんと、





148点


だったのです。

奇跡でしょ。

S先生、その節は大変お世話になりました!!
あっ、先生、それからね、
お陰様で、息子達には私の遺伝子は受け継がれてないみたい。
理系人間のようです~(笑)












最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いい先生 (ロードスター)
2009-10-08 15:46:35
いい先生に巡り合えてよかったですね。
私は理系で数Ⅲまでやらされました。
受験勉強、今は懐かしいな。今は昔、旺文社のラジオ講座を聞くのが日課でした。
返信する
インテグラル (けんちゃん)
2009-10-08 18:13:57
tenchanの記憶力、そして理路整然とした文章力からして数学が苦手とはとても信じられません。
148点取れる実力からして謙遜しているとしか思えませんね。

私は大学に入ってからインテグラルが何枚も重なる積分の理解が出来なくて数学者への道を断念しました。化学より物理、目に見えるものを信じるけんちゃんでした。4次元以上の世界はわかりません。
返信する
高校で (Mrs.B)
2009-10-08 19:16:39
そんな一対一の対応をしてくれる先生がいるなんて
本当にありがたいことでしたね。
なかなかいないんじゃないでしょうか、そういう先生。
私は中学も高校も部活の顧問が担任でやりづらいなーと思ってました。
返信する
数学が出来ないくせに (ポケッと女房)
2009-10-09 10:15:55
何故か理系にいました。
最悪なことに高校3年間の担任は数学の先生。
授業についていくことに必死でtenchanさんのような
細かい記憶が全くありません。
でも子供達の数学を中学まで見てやれたので
それなりに成果はあったかな?

ちなみに息子は大学に入ってからも教授に褒めていただけるくらい
数学が出来ましたが、娘二人は高校で数学放棄したので
こちらの方は成果がなかったようで…
返信する
ロードスター様 (tenchan)
2009-10-09 13:19:36
さすが、理系のロードスターさん。
数Ⅲまで勉強されたんですね。

私は数Ⅲの授業に出席はしましたが、
↑こんな事情で全く聞いていませんでした。
今、息子が勉強しているところを覗き込むと、
頭クラクラします。(笑)

先生があのとき、「英断」してくださらなかったら、
私は多分落ちていたでしょう。
返信する
けんちゃん様 (tenchan)
2009-10-09 13:23:16
謙遜ではありませんよ~!
今でも二桁の暗算があやしいです。(爆)

勉強の仕方がわからないまま、
どんどん負のスパイラルに入っていってしまったんでしょうね。

もし、高校時代に戻れるなら、
数学をちゃんとやり直してみたいです。

インテグラルって、まあ、
私にはサッパリ分かりませんっ!
インテグラっていうホンダの車がありましたっけ??
返信する
Mrs.B様 (tenchan)
2009-10-09 13:24:59
今日の記事にも書きましたが、
大学に合格できたのは
先生方のサポートがあったからだと思います。

本当に恵まれていました。

いつか、同窓会でお会いしたいと思っています。
返信する
ポケッと女房様 (tenchan)
2009-10-09 13:28:08
ポケッと女房さん、理系なんですね。
いいな~。中学数学を教えられるなんて!

私、数学を見てやれたのは、
中一の一学期まで。
あとは塾の先生にお任せしました。

うちの息子達は、間違いなく夫の遺伝子を受け継いで
理系街道まっしぐらです。

ちび姫は・・・多分私に似ているんじゃないかな。
返信する
数研ステップ (Sandie)
2009-10-09 13:36:02
うーん、懐かしいぞ!そしてなんて素晴らしい先生でしょう。ちなみに私は理数駄目女子校にいたので、数学は中学の頃から挫折しました。数Iできるだけでも尊敬です。
私の数学駄目友人は、教科書の問題そのままテストに出るからといわれ、なんと数式と答え全て丸暗記してました!それで単位とれてました。すごいわ。(爆)

以前教えてもらった名古屋風手羽先の唐揚げ、主人に大好評!風来坊の味、再現できました!ありがとうございます。記事に紹介してもよろしいですか?
返信する
Sandie様 (tenchan)
2009-10-13 14:47:32
数式と答えを丸暗記のお友達!
素晴らしい。

根性がなくてそういうことも出来ませんでした。

もし高校生に戻れたら、
数学をもう一度勉強してみたい。
高校時代は楽しかったけど
それだけは心残りなんです。
でも、息子が勉強しているのを
後ろから見て
やっぱダメだと、へこみます。
難しすぎる・・・・

手羽先、ありがとうございます。
もちろん紹介してもらってOKですよ。
返信する

コメントを投稿