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由紀さおりの 「1969」 と日本の女性歌手

2013-01-13 | 演歌・ポップス
2011年10月に発売された由紀さおりの「1969」 というアルバムが、空前のヒットとなり、我々の同世代の女性歌手が頑張っている姿を見ると、嬉しくなります。

そこでこれまでに日本の女性歌手が洋楽を歌っているものを、手持ちの中から何枚か紹介したいと思います。
そのほとんどは、アメリカ発のスタンダードや、シャンソン、それに自身のオリジナルをアレンジし、原語、もしくは日本語で歌ったものです。

最初は「1969」に敬意を表して、その原点となった「夜明けのスキャット」のジャケット(CD)と、「1969」のCD、および海外バージョンのLPです。
  
夜明けのスキャットのCDには、オリジナルLPには無かった「バラのためいき」「恋心」「恋は水色」「知りたくないの」「白い恋人たち」「男と女」がボーナス・トラックとして入っています。
また「1969」の方ですが、CDでは1曲目がブルー・ライト・ヨコハマに対し、LPは夕月となっていて、これは海外では夕月の方が受けがいいからだそうです。

それでは順を追って紹介します。
1.美空ひばり( 下記の2枚のアルバムを残しています)
   
「ひばりとシャープ」は彼女の初のジャズ・アルバムで、初盤は1961年です。
(曲目はジャケットに記載されています)
一方、右側のジャケットの「ひばり・シングス・ジャズ・ソングス」の方は、1965年の発売で、副題として「ナット・キング・コールをしのんで」となっており、全てキング・コールの十八番で構成されており、キング・コールのアルバムとほとんど同じアレンジを使用しています。
1)Stardust 2)Love 3)Fascination 4)Walkin’ My Baby Back Home 
5)Too Young 6)It’s Only A Paper Moon 7)Lover, Come Back To Me 
8)Pretend 9)Get Out And Get Under The Moon 10)Love Is A Many Sprendored Thing 
11)Lonly One 12)Red Sails In The Sunset

彼女は何を歌わせても一級品でしたが、このアルバムもいい出来で、特に英語の発音が素晴らしいです。

2.江利チエミ
  
彼女は早くからジャズもラテンも独自のフィーリングで歌い、これらに関する数多くのアルバムを残していますが、ここではカール・ジョーンズと共演した続編のほうを紹介します。(1962年発売)
1)Crazy Rhythm 2)My Funny Valentine 3)Just Squeeze Me 4)Tenderly 
5)The Big Twister 6)Midnight Sun Will Never Set 7)Love Is Hear To Stay 
8)I Get A Kick Out Of You

歌の内容は折り紙つきで、バックで白木秀雄、渡邊貞夫が共演しています。

3.朝丘雪路
   
彼女の歌はちょっと艶のある歌謡曲だけかと思ったら、れっきとしたスタンダードを歌っていました。
それも一部は原語で!( 雪路姉さん、失礼いたしました )
しかも1962年の作品はタイトルが「シング・シング・シング」です。
という訳で、曲目を見てみると…
1)Sing, Sing, Sing 2)My Funny Valentin 3)Where Or When 
4)Johnny, Remember Me 5)Nature Boy 6)What Is This Thing Called Love 
7)You Deserve 8)Bewitched, Bothered And Bewildered
となっています。
そしてこの再発アルバムの帯には彼女自身の言葉が綴られています。

それから2007年に発売された新しいアルバムでは、ソロと小柴大造とのデュエットで、自分の持ち歌である「雨がやんだら」以外は10曲全て原語で、良い雰囲気で歌いまくっています。
1)I’m In The Mood For Love 2)The Shadow Of Your Smile 
3)I’ve Got You Under My Skin 4)Cry Me A River 
5)You Are The Sunshine Of My Life 6)Some One Watch Over Me 
7)Stormy Whether 8)My Funny Valentine 9)S’Wonderful 
10)Stardust 11)雨がやんだら

4.松尾和子
   
彼女はレコード歌手としてデビューする前に、進駐軍キャンプやナイトクラブで歌っていた実力の持ち主で、「 Hasky Voice at Night 」と「 Stardust」の2枚を製作しています。
1966年に録音された邦題「夜のためいき」は、最初こそ日本語ですが、途中からは原語で一語一語端正に歌っていて好感が持てます。
またバックは小原重徳とブルーコーツ、および八木正生クインテットがそれぞれ4曲ずつ担当しており、八木のピアノが聴けるのも魅力です。
1)The Shadow Of Your Smile 2)I Left My Heart In San Francisco 
3)My Funny Valentine 4)You And The Night And The Music 
5)C’est - Si - Bon 6)A Taste Of Honey 7)Golden Earrings 
8)Yesterday 9)The Girl From Ipanema  10)Stars Fell On Alabama 
11)Fry Me To The Moon  12)Love Me Or Leave Me

一方、1979年発売の「 Stardust 」の方ですが、この中で歌っているス・ワンダフルは、ランニング・ベースのみの伴奏でスキャット、それも途中からは舌がもつれる程の速さで飛ばしており、アレンジと相まって実にいい雰囲気のアルバムです。
1)Stardust 2)Over The Rainbow 3)Love Letters  4)’S Wonderful 
5)Johnny Guitar 6)You And The Night And The Music 7)My Foolish Heart
8)Tenderly 9)I’ll Never Smile Again 10)On The Sunny Side Of The Street
11)East Of The Sun 12)Good - Bye

このアルバムの1曲目(Stardust)は、偶然にも美空ひばりの「シングス・ジャズ・ソング」と同じです。
松尾和子の方は、ジャズィーというより少し歌謡っぽいでしょうか。
それでも全体を通しての出来は上々だと思います。

5.ペギー葉山
  
タイトルは「よさこい いん JAZZ」となっていて、彼女の歌手生活40周年を記念し1993年に録音されています。
彼女は1952年に渡辺弘&スターダスターズの専属歌手として注目され、ジャズ、ポピュラーをはじめ、日本の歌など幅広い分野での活躍があります。
このアルバムの内容は彼女の持ち歌と、日本の叙情歌を全て日本語で歌っています。
1)花 2)さくらさくら 3)島原地方の子守歌 4)浜辺の歌 5)ふるさと 6)砂山 7)七つの子 8)早春賦 9)月の砂漠 10)赤とんぼ 11)学生時代 12)誰もいない海 13)爪 14)南国土佐を後にして
奏者
Hank Jones(p) 尾田 悟(ts) Warren Vache(cor, marimba) Mads Winding(b) Billy Hart(ds)

タイトルにJAZZとあるように、バックバンドはハンク・ジョーンズを始めとして、錚々たるメンバーが努めています。

6.青江三奈
  
高校時代から銀座の銀巴里でステージに立つ経験を持ち、1966年「恍惚のブルース」で衝撃的なデビューをしています。
1993年に渡米して、現地の一流ミュージシャン達とレコーディングし、自身の持ち歌2曲も英訳され、全曲原語で歌っています。
過去に今は無きアメリカの男性ヴォーカリストであるメル・トーメと、ジョイント・ライブをした映像も放映されたことがありました。
1) Cry Me A River 2)It’s Only A Paper Moon 3)The Man I Love 
4)Love Letters 5)Lover, Come Back To Me 
6)Bourbon Street Blues ( 伊勢佐木町ブルース) 7)Harbour Lights
8)When The Band Begin To Play 9) What A Difference A Day Made 
10)Green Eyes 11)Gray Shade Of Love 12)Sentimental Journey 
13)Honmoku Blues ( 本牧ブルース)
奏者(ピアノはマル・ウォルドロンです)
Freddy Cole(vo, p) Grover Washington Jr.(ss) Eddie Henderson(tp) 
Jim Powell(tp) Ted Nash(ts) Jerry Byrd(g) Mal Waldron(p) 
George Mraz(b) Billy Hart(ds) Steve Berrios(per)

一流ミュージシャンと、ナット・キング・コールの弟であるフレディ・コールを迎えて、卓越したセンスでソウルフルなスキャットも聴かせてくれます。
こういう歌をもっと歌って欲しかった歌手の一人ですが、2000年に54歳の若さで亡くなってしまいました。


7.八代亜紀
  
彼女は15歳で上京、銀座でクラブ歌手としてスタートし、当時は歌謡曲と共に海外のジャズ・スタンダードを歌っていましたが、1971年に演歌歌手としてメジャー・デビューしています。
今回のこのアルバムはデビューから42年の、昨年(2012)10月10日に発売になった新譜です。
発売後は盛んにキャンペーンを打ち、NHKTVの早朝番組等にも出演し、このアルバムの中の1曲を披露していました。
このアルバムを歌もアレンジも良いと絶賛する評論家の方もおられますが、私が聴いた限りでは演歌を歌うクラブ歌手としか聴こえません。( 八代さんゴメンナサイ!)

1)Fry Me To The Moon 2)Cry Me A River 3)Johnny Guitar 
4)五木の子守歌 ~ The Shadow Of Your Smile 5)Summertime 
6)Autumn Leaves 7)Sway 8)私は泣いています 
9)One Rainy Night In Tokyo


以上、由紀さおりまで入れると8人になり、それぞれのアルバムの曲を列記してみると、似通ったものが多いことに気が付きます。
そしてこの中でNO.1歌手を選ぶとしたら、私は美空ひばりを推薦するのですが、皆さんはいかがでしょうか。

コメント (2)
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