らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

北海道・大雪山~旭岳~

2018年06月11日 | 縦走

2018年のゴールデンウィークはかねてより計画していた大雪山の旭岳から黒岳への縦走を目指す。
天候さえ良ければ積雪期でも比較的安全に登れそうで、登山者も北アルプスに比較すれば少ない。
東京から北海道まで遠いとは言え、飛行機を使えばわずか90分程度の移動時間であるから気にならない。
無雪期の登頂は何度か経験があるが、積雪期は今回が初めてである。
それ故に大雪山系の山々がどんな景色を見せてくれるのだろうと、ワクワクしながら出発する。


出発当日の朝、5メートル先の視界がまったく効かないホワイトアウトで足止めをくらう。
目印となるようなものがなくルートが不明瞭なので、このような天候だと迷う危険がある。
まだかまだか…ガスの晴れない空を何度も眺めながら過ごすこと半日…
正午過ぎ、雲の合間から青空が見え始めるとガスの切れ目から旭岳への稜線が現れる。
よし、今のうちだ急げ!と待機していたテントを撤収して登る準備を始める。


登山開始時刻は13時、どこまで行けるか分からないがまずは旭岳へ向けて出発。
時々ズボ足で股下まではまって抜けなくなり、これにかなりの時間と労力を費やされる。
ワカンがあれば、こんなに大変な目に遭わずにすんだであろう。
ピッケルで先を突き、雪の状態を確認しながら進む。


登り始めて1時間経過、7合目辺りまでくると雪解けして火山礫(かざんれき)の夏道が出てくる。
背負子に乗っていた娘を下ろして一緒に歩かせる。


再び残雪が出てきたので、娘を背負子に乗せて歩くリーダー。
稜線では風も強いため、それを遮るために背負子用のザックカバーを掛けて防風対策する。
これで、寒がっていた娘も落ち着いた様子。
それにしても、旭岳山頂は思っていたよりも遠い…


ガスはすっかり消えて、周囲の山がはっきり見渡せる。
どこまでも続く真っ白な山々を見ていると、大雪山系が果てしなく広がっている様に見える。


ニセ金庫岩まで来ると、再び火山礫の夏道が現れる。
このゴロゴロ道が意外と歩きにくい。
雪解け後で、ぬかるんでいる箇所も多く快適な登山道とは言い難い。
しかし、高度が上がるにつれて見えてくる大雪山系の真っ白な山々が疲れを忘れさせてくれる。


夕方、北海道最高峰・旭岳山頂に到着。山頂は広い。
山の頂きに立つ私の目に映るのはどこまでも続く白い山のみ。
じっと眺める程、北海道の大きな大地を感じる。
ここまで登れて良かった!と本当に嬉しく家族全員が笑顔で喜びを分かち合う。
記念写真を撮ると、あまりゆっくりもしていられない。
日の入りまでに落ち着かねば…
本来ならばこの日のうちに黒岳石室まで行き、翌日下山の計画であるが今回は断念せざるを得ない。
登ってきた道を戻ることにする。


下りは早い、早い。
時々踏み抜くも、ザクザクと下りていける。今回は一度もアイゼンを使うことなく歩く。


適度な傾斜と広い場所のところで、持参していたヒップソリを使って娘は一気に滑り降りる。
これがかなり楽しいらしく、何度も途中で転んでも、もっともっと!とずっとソリ滑りをやる娘。
それもそうだ、こんな絶景の中で貸し切りで滑れるのは、ここ北海道くらいだろう。
大自然を満喫出来たようで、嬉しい。
カムイミンタラ、ここは本当に「神々が遊ぶ庭」だなと今回の山行で感じる。

旭岳から黒岳縦走こそ出来なかったが、本州の山にはない雄大な景色を思う存分堪能出来た。
登山者もほとんどなく、静かな山登りの時間を楽しめるという贅沢な山行になった。
近いうちに、また登りたい。
















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