ぼくの文机の前には、 いらない紙の裏にぼくがマジックで書いた言葉が
もう何年も前から貼ってある。
何て書いてあるかを書いてあるかというと、 以下の通りだ。
『 a-haの曲はけっして3コードなどではない。
30コードというべきであり、
ほとんどがマイナーコードなのである 』
これはノルウェーのポップバンド a-haの『analogue』というアルバム解説に
あった言葉だ。
なぜか とても気に入っている。
一見、 シンプルに見えるものにこそ、 裏で細やかな心くばりがなされて
いたりする。
a-haの曲は簡明でありながら、 じつは細部までていねいに考えられて
いる。
こういったことは音楽に限ったことではなく、 オーソドックスな小説や
映画にも言えることだろう。
「 映画とは 7才から70才までが楽しめるもの 」
『 スターウォーズ 』 を作ったジョージ・ルーカス監督は、 かつてそう言った。
同じことがエンタメ小説にも言えるとおもう。
読んでいる人が言葉の意味を考えてしまい、 そこで流れが止まってしまう
ようなものは、 文学としてはよくても エンタメとしてはどうかとおもう。
まあ、 これはあくまでぼく一個人の意見なので、 これが絶対に正しいなど
とは おもってないです。
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