担当編集者さんのやることは、 たくさんあった。
持ち込みをした人への会社の説明。 原稿の講評。 原稿の打ち合わせ。
イラストレーターさん、 装丁さん、 校正さんとの打ち合わせ。
作品で使用されているCM曲の正式な歌詞や、 レントゲンをかざして見る
ときの電光掲示板を 〝 シャーカッセン 〟 と呼ぶといったことも調べる。
どんなカバーでいくかということも、 まずは担当編集者さんがアイデアを
だす。 目次のタイトルも考えてくださった。 ( 「光のしっぽ」というタイトル
は、 ぼくが考えたが )。
ネット書店に掲載される本の紹介文章や、 本の帯も、 担当編集者さんが
書いてくださった。 帯は 幻冬舎ルネッサンスの社長のチェックを受け、
OKがでるまで書き直しさせられるそうだ。
もしもぼくが 『 オレンジ病棟 』 の帯を書くとしたら、
「 読むだけで髪がフサフサに! 」
……ちょっとインチキくさいかな。
いろいろと個人的なことにも 相談にのっていただいた。
編集者が著者のバックボーンを把握していると、 それがおもわぬところで
作品にフィードバックされることがあるからだ。
ひとりの著者に対し、 ざっとこれだけのことをしなければならないのだが、
ぼくの担当編集者さんは、 ほかにも何人かの著者を抱えていた。
よく編集者は多忙だと言われるが、 これでは身体がいくつあっても足りない
のも 納得がいく。
『 オレンジ病棟 』 が刊行されたころは 割と多くのレビューがついたが、 そ
れは 朝丘大介よりも 担当編集者さんがしっかりしていたせいだ。
多謝。
「オレンジ病棟」をAmazonで購入