アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

台風と増水とさかなたち

2012-06-20 | 四万十川 梅雨

 最高気温27度。

 コーヒー牛乳色の水が、ザァザァと沈下橋の上を流れてゆきます。

いつものゆったりした四万十川の流れは、今はもうどこにも見えない。

川は、平水時より5メーターほど増水。

この増水は、足摺の南を足早に駆けぬけていった台風4号の置き土産です。

先日の梅雨前線の低気圧、今回の台風、明後日やってくる熱低。

「うーん、川は5メーター増水、3連チャンか・・・」

 

 台風の進路にあたるコトも多い四万十は、雨量が多いところです。

その年平均降雨量は、約3500㍉(年平均気温は19度)。

川は年に3~4回沈下橋が浸かるほど増水し、時に10メーター以上も増水します。

沈下橋が浸かるほど川が増水すれば、カヌーツアーは中止に(平水+2メーター以上で中止)。

カヌーツアーを行えるようになるのは、増水のピークから2日~3日目以降となります。

*そのときの水の引き方で変わります。

 カヌーツアーにはザンネンな大きな増水ですが、水が引いた後には良い面もみられます。

・魚や手長エビなど、川の生き物が大きく移動するので川漁が活発になる。

(増水時の魚は、水中の流れがゆるい場所に避難したり、中には一旦海まで下ってしまう魚も)

・川底のコケがついてた石がゴロゴロと転がされ、古いコケが落ちる。

 その後、再びついた新しいコケを食べたアユは、その香りがよくなる。

・川底が洗われて、水の透明度がグンと良くなる。などなど。

 

 そんな、時々あばれる四万十川は、淡水魚の種類も多い川です。

190種以上(最新の調査では)の魚種が確認されてます。

・アユ・コイ・ゴリ・フナ・ナマズ・サツキマス・雑魚(ハヤ、カワムツ、オイカワなど)

ブラックバス、ブルーギル(外来魚)なども生息してます。

 

 以前、夏の中流域の深場にもぐった時、とてもビックリしたことがあります。

それはそこに、タイのような魚の群れをみたから、あれれ?

「ああっ、それはキチヌやろ~」と教えてくれたのは近所の川漁師のおんちゃん。

四万十川は・キチヌ・イサキ・ボラ・エバ・スズキなどが

(海や汽水域に生息する魚たちが)川の中上流域でも見られるユニークな川なのです。

*これらの魚は、春に川をのぼり秋に川をくだります。

 

 雨空のムコウには、もう真夏の太陽がギラギラと輝いています。

ザブーン!とあなたも川に飛び込んで、四万十川の魚たちとたわむれてみませんか。



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