マックス役のトム・ハーディ。図太い声が特徴。「ダークナイト・ライジング」のべイン役が記憶に新しい。
リブート作が盛んにリリースされている。リブート作とは「監督や配役等を一部替えるものの、設定や世界観は引き継ぎ、過去の名作を最新の映像・音響技術でリメイクする」と定義付けられるだろう。今年一番のリブート作はスターウォーズだろう(新エピソードだがまぎれもないリブートだと思う)。でも、このマッド・マックスもただもんじゃないぞ。
「映画秘宝」7月号とプログラム(\900)
プログラムはマッド・マックス・トリロジーへの言及がかなり多い
過去作のDVDやBD。上左から1作目・北米盤BD、北米盤DVD、国内盤DVD。下左から2作目・国内盤DVD、北米盤HD DVD、国内盤BDトリロジー・ボックス
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はマッドマックス・シリーズの4作目にあたるが、作品的には第2作目のリブート作となる。しかも、主人公はマックスじゃないね。シャーリズ・セロン演じる、荒地の王イモータン・ジョーの支配から逃げようとする左腕義手の女、フュリオサ・ジョ・バッサ大隊長が主人公だね。5作目、6作目の製作企画があるが、5作目の仮題が『マッドマックス5(Mad Max5:Furiosa)』だったことからも分かる(『マッドマックス: ザ・ウェイストランド(Mad Max: The Wasteland)』にのちに変更)。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を皮切りにリブート3部作が始動したわけだ。
フュリオサ・ジョ・バッサ大隊長。シャーリーズ・セロン「モンスター」並の汚れ役。
実際、額に車の廃オイル塗ってるしね。怒りと裏切りと絶望を象徴している眼差し
まるっきりBorderlandsを思い出してしまうが、フュリオサのスナイピングの腕はぴか一。アメリカン・スナイパーならず、ウェイストランド・スナイパー。
全編通して、主人公たちが地面に足付いている時間が殆どなく、だいたい車上か籠の中か宙吊り状態なのだ。それだからか、ロードノイズや不安を掻き立てるサウンドと相まって、終始腰が浮いた状態というか、落ち着いて鑑賞をする心持になれない。できたら酒を呑んで、自分も浮遊状態で観たほうがぴっったりだ。
それとこの映画の本当の主人公はマックスやフリオサではなく、爆音と轟音を響かせて砂漠を疾走する鉄のマシンたちではないか。トム・ハーディにはメル・ギブソンにあったリーダー性やカリスマ性が薄い。トム・ハーディをチョイスしたのは、監督ジョージ・ミラーが旧マッド・マックスがメル・ギブソンの映画になっちゃったから、今度は本来のマッド・マックス世界観の映画に振り戻すためではないかと思われる。
ゲーム的に言えば、TPS(三人称視点のシューティングゲーム)から、箱庭アクションRPGに変わった感がある。プレイヤーを取り巻く世界が主人公というわけだ。現にこの映画、ゲーム『Borderlannds』の影響がありありだ。
息子とほぼ1年近く嵌りましたね。二人で荒野を彷徨いお宝探しをしました。
基本的には箱庭アクションRPG。荒廃したウェイストランドの世界観が実にいい
オープニングからラストまで息つく暇がない程、緊張の連続。心臓弱い人は見ないほうが良いかも。ストーリーは至極単純。脳みそ空っぽにして観れる、最近では稀有な作品(脳みそ空っぽな映画は多いが)。荒廃した砂漠の地球の世界観構築ははんぱじゃない製作者たちのエネルギーを感じる。齢70歳のジョージ・ミラーがくりだす、新生マッド・マックス。観なきゃ、損よ。観終わった後の疲労感と虚脱感、そしてそこから沸き起こるエネルギー。人間充電池の放電と充電にマッド・マックスをどうぞ。
それと、邦題がいいではないか!いかにもB級映画っぽくていいね。
リブート作が盛んにリリースされている。リブート作とは「監督や配役等を一部替えるものの、設定や世界観は引き継ぎ、過去の名作を最新の映像・音響技術でリメイクする」と定義付けられるだろう。今年一番のリブート作はスターウォーズだろう(新エピソードだがまぎれもないリブートだと思う)。でも、このマッド・マックスもただもんじゃないぞ。
「映画秘宝」7月号とプログラム(\900)
プログラムはマッド・マックス・トリロジーへの言及がかなり多い
過去作のDVDやBD。上左から1作目・北米盤BD、北米盤DVD、国内盤DVD。下左から2作目・国内盤DVD、北米盤HD DVD、国内盤BDトリロジー・ボックス
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はマッドマックス・シリーズの4作目にあたるが、作品的には第2作目のリブート作となる。しかも、主人公はマックスじゃないね。シャーリズ・セロン演じる、荒地の王イモータン・ジョーの支配から逃げようとする左腕義手の女、フュリオサ・ジョ・バッサ大隊長が主人公だね。5作目、6作目の製作企画があるが、5作目の仮題が『マッドマックス5(Mad Max5:Furiosa)』だったことからも分かる(『マッドマックス: ザ・ウェイストランド(Mad Max: The Wasteland)』にのちに変更)。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を皮切りにリブート3部作が始動したわけだ。
フュリオサ・ジョ・バッサ大隊長。シャーリーズ・セロン「モンスター」並の汚れ役。
実際、額に車の廃オイル塗ってるしね。怒りと裏切りと絶望を象徴している眼差し
まるっきりBorderlandsを思い出してしまうが、フュリオサのスナイピングの腕はぴか一。アメリカン・スナイパーならず、ウェイストランド・スナイパー。
全編通して、主人公たちが地面に足付いている時間が殆どなく、だいたい車上か籠の中か宙吊り状態なのだ。それだからか、ロードノイズや不安を掻き立てるサウンドと相まって、終始腰が浮いた状態というか、落ち着いて鑑賞をする心持になれない。できたら酒を呑んで、自分も浮遊状態で観たほうがぴっったりだ。
それとこの映画の本当の主人公はマックスやフリオサではなく、爆音と轟音を響かせて砂漠を疾走する鉄のマシンたちではないか。トム・ハーディにはメル・ギブソンにあったリーダー性やカリスマ性が薄い。トム・ハーディをチョイスしたのは、監督ジョージ・ミラーが旧マッド・マックスがメル・ギブソンの映画になっちゃったから、今度は本来のマッド・マックス世界観の映画に振り戻すためではないかと思われる。
ゲーム的に言えば、TPS(三人称視点のシューティングゲーム)から、箱庭アクションRPGに変わった感がある。プレイヤーを取り巻く世界が主人公というわけだ。現にこの映画、ゲーム『Borderlannds』の影響がありありだ。
息子とほぼ1年近く嵌りましたね。二人で荒野を彷徨いお宝探しをしました。
基本的には箱庭アクションRPG。荒廃したウェイストランドの世界観が実にいい
オープニングからラストまで息つく暇がない程、緊張の連続。心臓弱い人は見ないほうが良いかも。ストーリーは至極単純。脳みそ空っぽにして観れる、最近では稀有な作品(脳みそ空っぽな映画は多いが)。荒廃した砂漠の地球の世界観構築ははんぱじゃない製作者たちのエネルギーを感じる。齢70歳のジョージ・ミラーがくりだす、新生マッド・マックス。観なきゃ、損よ。観終わった後の疲労感と虚脱感、そしてそこから沸き起こるエネルギー。人間充電池の放電と充電にマッド・マックスをどうぞ。
それと、邦題がいいではないか!いかにもB級映画っぽくていいね。