ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

堀江敏幸【正弦曲線】

2014-12-28 | 中央公論(新)社

第61回(平成21年)読売文学賞受賞作。
著者名もさることながら、書名に惹かれました。
いや、このタイトルじゃなくても、読んでいましたけれども。
ほら、この漢字の形や雰囲気がカッコいいでしょ。「正弦曲線」って。

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 正弦曲線

 著者:堀江 敏幸
 発行:中央公論新社
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と、そんなことを考えて読み始めたらば、最初のところで、同じようなことが書いてありました。
サイン、コサイン、タンジェント。
この語呂の良さは、算数の時代から数学がダメなワタクシをも魅了します。

日常の中の時間や物事が描かれているのに、どういうわけか、非日常を感じてしまいます。
確かに日常ではあるけれど、生活の匂いがしない。
ぼんやりとした物想いすらちゃんとした「思考」であるような。
さすが、『河岸忘日抄』(読んだ当時の記事)を書いた人だなぁと思うわけです。

きっと私はこの方の書く文章が好きなのだと思います。
生活感のまるでない日常の記。
つい、他の本も買ってしまいました。
それも、いずれ。





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