東京国際映画祭2007 10月24日 マッド探偵

 

マッド探偵  Mad Detective
監督:ジョニー・トー/ワイ・カーファイ
出演:ラウ・チンワン/アンディ・オン/ラム・カートン/ケリー・リン

警察から盗まれた銃による連続殺人事件が勃発。
捜査官のホーは人間の内面が透視できるブンに協力を依頼するが…。
ジョニー・トーの最新作。ヴェネチア映画祭コンペ出品。


以上、東京国際映画祭の作品ページより。


不思議な映画でした。予備知識ほとんど無い状態で見たので、
設定とかストーリーの背景とか、俳優たちの役回りなど
見ているうちに徐々に明らかになってくる。

5年前に難事件を実証主義(笑)で解決したブン(ラウ・チンワン)は、
尊敬する上司の退職祝いに自分の耳を切って、差し出す。
ブンは精神に破綻をきたしたとして警察を辞める事となった。
着任早々、ブンの特異な捜査方法を体験したホー(アンディ・オン)は
5年後ある難事件の推理をブンに依頼。そこでホーが見たものは
周りには見えない何者かを見つめるブンの姿だった。
ブンには他の人の人格、いや心持というか気分が見えるのです。
トー監督は「鬼」と言っていました。
「鬼」というものの、全部が強くて残酷なばかりでなく、気弱な鬼、臆病な鬼、
ずるがしこいのもいれば、食いしん坊もいる。もちろん冷静でまともなヤツも。
ラム・カートンの肩には7人も鬼がいて、その一人が林雪。
林雪登場シーンは会場は笑いがおきる。昨日と同じ。

そのうえブンにはブン自身が作り出した妻(これも鬼なのか)が見えている。

《シックスセンス》とか《24人のビリー・ミリガン》を思わせるような題材だが
これは精神の異常なのだろうか?
それは目に見えないのだが実際にそのような鬼がいて、
私達の感情をコントロールしていたとしたら…
それにしても山の中で彷徨うのはあれは置いてけぼりにされた
ラム・カートンの良心なのか。
ぞっとするシーンである。

ティーチインのトー監督は昨日とは違う薄い薄い水色がかった白っぽいスーツに
中の白いシャツはローンのような薄手の透けっぽい素材で
タックかレースのようだった。
サングラスをずっとはずさず、椅子には背もたれにずっと寄りかかったままで
「こりゃ二日酔いと寝不足だね」と思ってしまった。
最初の質問で男性が「ストーリーに整合性はあるのか?」と聞いたので
それで監督はちょっと目が覚めたんじゃないかな。
ちょいムッとしてたように見えた。これはネタバレになるので詳しくは書かないが映画終了後の夜の食事会でみんなで整合性があるのか検討したから、
そういう点ではいい質問だったのかな?

この映画、いっぱい俳優さんが出てくる。ほとんどは鬼の役。
それぞれ考えられるあらゆるケースを撮影したと監督は言っていた。
だから撮影はとても大変だったらしい。
そういえば最後に出てきた子供の鬼はどこかで見たことが、と思っていたら
「黒社会」「黒社会2」で出てきたサイモン・ヤムの息子役の男の子だそうだ。

ティーチインは「ツイ・ハーク監督やリンゴ・ラム監督と約束あるから」という
トー監督の発言で終了となりました。

さてこの映画1年くらい香港では公開されなかったらしいし、
ヴェネチアでは途中退場する記者もいたらしいが、もし日本で公開されたら?と
想像するに、結構受けるのではないかと思ったりした。
耳のシーンは別として、こういうテーマ、宣伝のしようによっては
香港映画を見ない人でも興味を持つ映画ファンはいると思います。
公開してくれないかな~。その前にDVDでたら買わなきゃ。
確かめたいシーンがいっぱいあるのよ。
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