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東京フィルメックス11月21日 『ドラマー』
ドラマー(原題:戦・鼓)
監督:ケネス・ビー(畢國智)
出演:ジェイシー・チェン(房祖名)、アンジェリカ・リー(李心潔)、
レオン・カーファイ(梁家輝)、ロイ・チョン(張耀楊)、
ジョシー・ホー(何超儀)、ケネス・ツァン(曾江)、ユミコ・チェン(鄭希怡)
有楽町朝日ホールにて鑑賞
上映前にスクエアホール(朝日ホール下)にて
「香港映画最前線」というテーマでシネマトークサロン開催。
監督のケネス・ビーがゲストということで参加したのですが、
ジェイシーがしっかりゲストでやってきました。
テーマは「香港映画最前線」でしたが、お話の内容は「ドラマー」の製作裏話
といった感じで、最近の香港での映画制作に関して合作や資金関係の裏側を
「ドラマー」を通して探る、という解釈のようでした。
この映画が香港・台湾・ドイツという珍しい合作映画で、香港・台湾からは
政府の補助金もあったそうです。
またドイツとまったく関連のない映画に資金を出す、
というのはドイツでは初めてのこと。
そしてドイツの合作がロカルノ映画祭での上映につながったのだそうです。
香港黒社会のボス(梁家輝)の息子で父親の仕事仲間のボスと
トラブルを起こしたシド(房祖名)は、
父親の手配で部下の張耀楊とともに、台湾の山中で潜伏生活を送っていた。
シドと獣医の姉(何超儀)は幼い頃、母親が父から家から追い出された事で、
父親との折り合いが悪かった。
ある日山から聞こえてきた太鼓の音に誘われて、シドは山に入っていく。
そこは、厳しく鍛錬をしながら太鼓の訓練を重ねている藝術集団だった。
バンドのドラマーだったシドは団員の若い女性(李心潔)に関心を持ち、
また太鼓にも惹かれ、グループに入ることを決める。
太鼓の練習はまず心と体の鍛錬から。自給自足のような生活をするための
トレーニングが始まり、シドは仲間に波紋を投げかけながらも、
なぜかそのカンフーのような修行や鍛錬や、哲学的な思考に少しずつ惹かれていく。
それは自分自身が成長する過程でもあった。
その頃香港では、梁家輝とトラブルの相手のボスとの間の関係が悪化し、
抗争から梁家輝は刑務所に入ってしまう。
シドは太鼓集団の一員として香港へ帰ってくる。
この作品は香港部分のストーリーは黒社会を描き、
そして台湾のパートでは哲学的な思考や禅宗やカンフーの修行のような
香港映画としては、かなり珍しいスピリチュアルな題材を描いている。
それは映像にもよく現れていて、香港は高層ビルや夜景、台湾では
緑の山々や自然、土地で暮らす少数民族の音楽、そして太鼓のリズムで
二つの物の対比が際立っている。
異質な二つのものをつないでいるのが、親子の愛情なのだろうか?
これは台湾に実際にある優人太鼓(公式HPはここ)という
太鼓集団」の練習や修行の場を撮影し、団員達も出演、というように
太鼓のパートはドキュメンタリーの雰囲気もする。
なかなか面白い題材で、黒社会の構想がなくても、ただの親子の確執だけでも
充分ストーリーになりうると思うが、そこに香港映画的な要素を組み込んだのは
マーケットの需要を意識したのでしょう。
芸術映画と娯楽映画の相反するものを結びつけたオリジナリティをだした
ストーリーは面白いと思う。
ただし結末はどちらかというと娯楽性に重きを置いてしまったのが残念。
なにげにフィルメックス中国映画祭では「張耀楊、何超儀まつり」(放・逐、ドラマー、恋する二人)なのである。
放・逐とはまた違う、セミナーで人生の行く末を考える
張耀楊の老眼鏡(?)姿や
赤ちゃんのいる母親役や、弟思いのかたぎの獣医師役の何超儀。
どちらも渋くて魅力一杯。いい役者になりました。
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