2014/4/20 美浦TC
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4月20日(日)中山11R・皐月賞(G1・芝2000m)に蛯名騎手57kgで出走、馬体重は前走と変わらず462kgで、ここは2番人気でした。スタートを五分に出ると、先行集団の後ろ8番手付近を追走しました。道中は折り合いもぴったり付いて、外に進路を取った直線では早々に先頭に立つと、内から追い上げてきた1番人気のトゥザワールドを1馬身1/4抑えて1着でゴール、見事にクラシック第一冠を制しました。良馬場の勝ち時計は1分59秒6でした。
殊勲の蛯名騎手は「G1の舞台で対戦したことのない相手、中山を走っていないし2000mの距離は初めてという諸々の条件で、どうしたらいいか自分なりに考えました。内枠が仇にならないよう、いつでも外に出せるポジションで、スムーズな競馬をしたいと思いました。1コーナーでゴチャゴチャになるのが嫌で、ゲートからあまり出していきませんでした。この馬の能力もあるけど、きょうは本当に思い通りの競馬ができました」と喜びを語っています。
また栗田博憲調教師は「騎手、牧場、スタッフの力が結集しての勝利で、嬉しいのひとことです。ダービーに向けてメドがついた内容でしたし、このあとはまた山元TCで短期のリフレッシュ放牧をはさんで本番に向かいたいと思います」と感無量の表情で話していました。
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【社台サラブレッドクラブより、公式HPの近況レポート等の転載につき、許可を受けています。】
パドックでイスラボニータを見ているうちに、贔屓目込みかもしれませんが、断然の気配の良さだと感じました。G1独特の緊張感漂う雰囲気も、我関せずといった感じで、周囲を物見しながらゆったりと周回。これまでもそうですが、この馬はパドックでイレ込むことはなく、いつも落ち着いて周回してくれます。イスラボニータらしい柔らかい歩様も健在で、この時点で好勝負してくれるだろうという思いを強くしました。本場馬入場でも、大歓声の中で真っ先に返し馬に入りましたが、スタンドの方を見ながらのクビを横に向けてのキャンター。緊張感がないのか、よほどマイペースなのか、それとも天然なのか分かりませんが、良い意味で精神的に余裕があるのも、この馬の長所だと思います。
レースでは五分のスタートから先行すると思いきや、蛯名騎手は先行させずに中団のポジションへ付け、向こう正面では外目を追走します。このパターンだときっと行きたがるだろうと思いましたが、折り合いはピタリ。このあたり、蛯名騎手とのコンビの経験値でしょう。その後、4コーナー手前から徐々に進出すると、直線手前から先頭に立った馬を目がけて一気に全開のスパート。一瞬で取り付く瞬発力が素晴らしく、あとはイスラボニータらしい大きなフットワークで、後続を突き放してのゴールでした。
口取りに向かう途中で社員さんと話しをしたのですが、週中に蛯名騎手と皐月賞の乗り方について30分ほど話し込んだようで、その際に蛯名騎手は、「皐月賞を勝つためにはスタートから出していく必要があるだろう。ただし、ダービーを考えると出して行きたくない。皐月賞では届かない可能性もあるが、ダービーを見据えて乗りたい。」と言っていたとのこと。スタート後に前目のポジションを取りにいかずに中団から進めたのは、こういう背景があったようです。これに応えて見事に中団からの競馬を実行し、そして堂々と勝ってくれたのですから、本当に凄い。一戦ごとに成長を見せるイスラボニータ、完璧に乗ってくれた蛯名騎手、イスラボニータの素質を見抜き、2歳時からブレることなくクラシックを視野に進めて下さった栗田先生、厩舎スタッフや牧場の方々、イスラボニータに関わる全ての方々の賜物だと思います。
レース前には、右回り未経験、中山未経験、距離不安、早熟説、血統不安説、相手関係、色々と言われましたが、イスラボニータは全てを振り払って勝ってくれました。次は大目標のダービー、再び様々な壁が立ちはだかります。しかし、これまで一戦ごとに強くなってきたイスラボニータのこと。きっと、皐月賞馬として堂々とダービーに挑み、結果を出してくれると信じています。6/1(日)の大舞台、本当に楽しみです。
2014/4/20 中山競馬場