2019/1/12 引退
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香港Cの後は着地検疫を経てNFしがらきでコンディションを整えていましたが、このたびニュージーランドでの種牡馬入りの話が入ったため、藤原英昭調教師と協議を行った結果、オファーを受ける形で競走馬登録を抹消することになりました。「香港遠征後は、種牡馬として受け入れ先がないか調整をしていると聞いていましたので、まずは無事決定してホッとしました。ニュージーランドとのことですが、世界的にディープインパクト産駒の価値が高まっている今、こうして求められて海を渡ることは素晴らしいことですし、胸を張って送り出したいと思っています。5回の香港遠征を含め、大きな故障もなくここまで走り抜いてくれたステファノスには感謝しています。応援していただいた会員の皆様、長い間温かいご声援をいただきありがとうございました」(藤原英師)重賞1勝という戦績ながら、G1で2着に入ること3回、香港へは5度遠征を果たすなど、ステファノスはまさに記録より記憶に残る名馬と言っていいでしょう。中距離戦線からステファノスの名が見られなくなることはなんとも寂しいですが、ニュージーランドでの種牡馬入りのオファーを受ける形の引退は光栄なことでもありますし、ステファノスの第2の馬生が素晴らしいものになるように祈りたいと思います。ここまで長い間ご声援いただき、誠にありがとうございました。なお、本馬に出資されている会員の方へは追って書面を持ちましてご案内いたします。
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【キャロットクラブより、公式HPの近況レポート等の転載につき、許可を受けています。】
香港カップの後、今後について検討中だったステファノスですが、ニュージーランドでの種牡馬入りが決まり、正式にアナウンスがありました。日本での種牡馬入りは厳しいと思っていましたが、海外からオファーがあったこと、種牡馬としての第二の馬生を歩むことができること、心から嬉しく思います。
2歳夏に中京でデビュー。しかしデビュー戦では、同じクラブのディープ産駒に敗れて4着。レース後の藤原先生のコメントは、「まだ競馬を意識した仕上げをしていない。レースを経験して無事に走ってきたことが一番。次からは勝ちに行く」とのことで、これからだと気を取り直したことを覚えています。短期放牧を挟み、2歳暮れに未勝利を勝ち上がり、3歳になると、雨のつばき賞を勝ってオープン入り。毎日杯(G3)ではシュタルケの早仕掛けで3着でしたが、ダービーへ目標を切り替えると思った矢先に皐月賞に登録。出走叶い、ここでも5着と頑張りました。このレースの鞍上は後藤騎手でしたね。ステファノスの追い切りに乗りに栗東に向かってます、なんて写真付きで新幹線の中から後藤騎手がFacebookをアップしていたっけ。今はダービーの優先権は5着までですが、当時は4着まで。あと一歩足りず、ダービーデー前日の白百合Sに出走。ここでは本格化前とはいえ、モーリスに勝って3勝目を挙げました。秋はセントライト記念から始動して4着。そして秋2戦目が富士S(G3)でした。3歳馬ながら、大外枠から上がり32.9秒の脚で差し切り重賞初制覇。当時はまさかこれが最後の勝利、最後の重賞勝ちになるとは夢にも思わなかったよなぁ(苦笑い)
ここからは勝てませんでしたが、古馬中距離王道路線の常連として、数々の印象に残る走りを見せてくれました。個人的にベストバウトと思っているのは、2017年大阪杯(G1)。キタサンブラックに真っ向勝負を挑んだレースです。川田騎手を背に積極的に前目に付け、4コーナーではキタサンブラックを射程圏に捉え、直線を迎えました。一瞬勝った!と思う瞬間もありましたが、最終的にはキタサンブラックに追い付かず2着。しかし、全力で挑んだレースぶりに感動したことを覚えています。2015年天皇賞(秋)も印象深い。ラブリーデイに際どく迫り2着だったレースです。ステファノスは中距離に適性があるので、秋の国内のレースでは天皇賞(秋)が唯一の目標になります。しかし、14番(2015)、14番(2016)と大一番で枠順に恵まれなかった。府中2,000は、本当に外枠はめちゃめちゃ不利です。内枠の馬と、一体何馬身の差があることか。次の2017年は12番を引いたものの雨でドボドボ馬場でアウト、2018年は1番を引いたものの、流石に年齢的に厳しかったです。2015年か2016年に内枠を引いていればと、本当に心から思いますね。
30戦のキャリアで、G1の2着は3回(2015QE2世カップ・2015天皇賞(秋)・2017大阪杯)、3着が2回(2016天皇賞(秋)・2016香港カップ)、香港遠征は5回、香港カップ4年連続出走、天皇賞(秋)4年連続出走、G1出走は13回。本当に素晴らしい成績です。そしてもう一つ、振り返ってみて凄いのは、騎乗した騎手の人数。浜中騎手でデビューして以来、岩田、A.シュタルケ、後藤、三浦、戸崎、福永、川田、C.スミヨン、H.ボウマン、和田、C.オドノヒュー、そしてラストランのW.ビュイックと、延べ13人の騎手が乗っています。これってなかなか凄いことでは?重賞は1勝ですが、まさに記憶に残る名馬でした。
本当に長い間お疲れさま、ステファノス。ニュージーランドでも元気に暮らすんだぞ!
ステファノス
父ディープインパクト
母ココシュニック(クロフネ)
2011年2月13日生まれ
ノーザンファーム生産
栗東 藤原英昭厩舎
通算成績:31戦4勝(4-6-4-4-4-9)
2013/12/7:2歳未勝利
2014/2/15:つばき賞
2014/5/31:白百合S
2014/10/25:富士S(G3)