関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 奥蓼科温泉(渋鉱源泉) 「渋・辰野館」 〔 Pick Up温泉 〕
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<奥蓼科温泉(渋鉱源泉) 「渋・辰野館」>
(長野県茅野市奥蓼科温泉、11:00~16:00(要事前確認)、不定休、1,500円、0266-67-2128)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
蓼科の南側、R299メルヘン街道と並行して走る県道191渋ノ湯堀線沿いには、渋の湯、渋御殿湯、渋川、渋・辰野館、明治など古くから知られる温泉が点在し、”奥蓼科温泉郷”と呼ばれています。
この県道は渋の湯で行き止まりになるので交通量がすくなく、北八ヶ岳のゆたかな自然とあいまって、いずれも落ちついた佇まいをみせています。
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【写真 上(左)】 バス停にも風情
【写真 下(右)】 表門
「渋・辰野館」は奥蓼科温泉郷のなかほどにあって、林のなかにたたずむ一軒宿。
木づくりの瀟洒な外観、玄関前には「信玄の薬湯 渋・辰野館」という風格のある銘板がかかっています。
かたわらの信楽焼のタヌキや赤い郵便ポストもいい味を出しています。
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【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 信玄の薬湯
武田信玄公は東信・北信攻略に当たって、3つの軍用道路(上の棒道、中の棒道、下の棒道)を整備しました。
このうち上の棒道がこのあたりを通っていたため、少名毘古那神のお告げによって発見されたとされる効能ゆたかなこの古湯が、傷ついた将兵や軍馬の療養の場とされ、「信玄の薬湯」として人口に膾炙することとなりました。
また、ここは明治三十四年創業の老舗で、東山魁夷画伯がたびたび逗留した宿としても知られています。
ウッディな館内。吹き抜けのロビーからはみずみずしい林をのぞみ、意匠的にもかなりのすぐれもの。
全館にただようロハス~ネイチャー系のイメージは、軽井沢の星野リゾートに相通ずるものを感じます。
「旬の自然食料理」にも定評があり、日帰りプランも設定されています。
いかにも奥蓼科らしい落ちついた大人向けの雰囲気と「信玄の薬湯」、「旬の自然食料理」などに惹かれ、訪れる人があとを絶たない人気のお宿です。
浴場は、大浴場(展望風呂)、露天風呂(森の温泉)、内湯(信玄の薬湯)の3つがそれぞれ男女別にあります。
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【写真 上(左)】 展望風呂-1
【写真 下(右)】 展望風呂-2
うち、大浴場(展望風呂)は温泉ではなく自然湧水を加温して使用、石鹸類の使用はこの浴場でできます。
自然湧水といっても、カランの湯口まわりには析出がでていたので、相当の成分を含んでいるかもしれません。
大浴場(展望風呂)は入らなかったので、露天風呂(森の温泉)、内湯(信玄の薬湯)の2ケ所のレポです。
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【写真 上(左)】 「森の温泉」
【写真 下(右)】 「森の温泉」露天からのシラカバ林
露天風呂(森の温泉)は、内湯(木造4人)と露天(同4人)の2槽構成。
眼前にシラカバ林がひろがる抜群のロケーションです。
ともに岩から突き出た木の湯口から打たせ湯状に少量投入で側面吸湯。内湯は側面注入もあります。
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【写真 上(左)】 「森の温泉」の内湯
【写真 下(右)】 「森の温泉」の露天
湯温はどちらもぬるめで、内湯で32~33℃、露天で30℃くらいか?
これだと、一般人はかなりきついので、ふつうはどちらかを加温槽にしているかもしれません。
ともに透明度40cmほどの乳白色のにごり湯で、かなりの量の白い湯の花が浮遊&沈殿しています。
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【写真 上(左)】 「森の温泉」の内湯の湯口
【写真 下(右)】 「森の温泉」の露天の湯口
お湯はどちらもややなまり気味で、とくに内湯はかなりのなまりを感じたので、長湯することなく内湯(信玄の薬湯)に移動。
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【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」入口
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」
さて、本題の内湯(信玄の薬湯)です。
総木造のすこぶる趣のある浴場で、シンボルの打たせ湯が中央の浴槽に豪快に注ぎ込まれしぶきをあげています。
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【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽
【写真 下(右)】 しぶきをあげる打たせ湯
手前脱衣所側から、冷泉槽(木造2人)、打たせ湯槽(木造3人、90cmととても深い)、加温槽(木造4人)の3つの浴槽が並んでいます。
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【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽と冷泉槽
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽と加温槽
冷泉槽は透明度60cmほどのうすい乳白濁でいちばん冷たく18℃くらい。
打たせ湯槽は透明度60cmほどの青味がかったうすい乳白濁で20℃くらい。
加温槽はややにごりが強まり透明度50cmほどで41℃くらい。
いずれの浴槽にも白い湯の花が浮遊&沈殿、打たせ湯槽には白いつぶつぶの湯の花が浮いています。
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【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」冷泉槽
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽
冷泉槽は木板から突き出たパイプの湯口から冷泉を少量投入で木樋からの排湯。
打たせ湯槽は木板から突き出た丸太を刳り抜いた湯口から冷泉を豪快に大量投入で、木樋をつうじてとなりの加温槽への流し出し&ザコザコのオーバフロー。
加温槽は木の湯口からの冷泉少量投入&打たせ湯槽からの冷泉流し込み&側面からの熱湯注入で排湯方法は不明。
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【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽の湯口
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽の湯口
鮮度感は源泉大量投入の打たせ湯槽が抜群で、つぎに冷泉槽。
加温槽はなまり気味ながら、露天風呂(森の温泉)の2槽よりはコンディション良好。
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【写真 上(左)】 つぶつぶの湯の花
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽の湯色
酸性泉特有のレモン味+収斂味+微たまご味+微苦味+僅微炭酸味?
しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭に焦げ臭がまじります。
この焦げ臭は、渋の湯や渋御殿湯では感じられなかったもので、この源泉の個性ではないかと・・・。
酸性泉のぬるのうらにきしきしとした湯ざわりがあるあと曳き系の浴感。
それにしても総硫黄0.4mg/kgで硫黄の規定泉ですらないのに、このイオウ泉系浴感&湯色&湯の花はいったい何事?
加えて、打たせ湯&冷泉槽のからだが引き締まるような独特な浴感は独特のもので、なるほど「信玄の薬湯」の能書きもうなづけるものがあります。
ただし、場内はけっこう混んでいた(日曜14時で森の温泉に3人、信玄の薬湯に4人、信玄の薬湯の脱衣所には服を着ている人が10人ほどもいた。)にもかかわらず、打たせ湯&冷泉槽に入っている人はほとんどいません。
たしかに、湯温20℃はスパ銭の水風呂なみ、しかも高原の涼気&特有の収斂感(&おそらく炭酸冷感)が効いて、温度より冷たく感じるので、湯なれていない人は、時間をかけてからだを慣らしてからでないとまず浸かれないでしょう。
わたしは冷泉浴マニア(笑)で15℃くらいまではふつうにいけるのですが、ここの源泉は15℃の真水の水風呂より体感的にははるかに冷たく感じました。
ただ、入るほどに冷えていくような渋御殿湯の「長寿湯」よりは入りやすいかも?
さすがに冷泉浴のメッカ、蓼科の重鎮「渋・辰野館」。
泊まりでじっくりとこの名湯を堪能したいところですが、高級宿なのでなかなか手がとどきません(笑)
〔HPより〕
単純酸性冷鉱泉(Na・(H)-HSO4・Cl型) 21.2℃、pH=2.9、自然湧出湧出量不明、成分総計=1027mg/kg、H^+=1.3mg/kg (21.21mval%)、Na^+=58.6 (41.93)、Mg^2+=5.6、Ca^2+=13.7、Fe^2+=1.2、Cl^-=95.2 (44.4*)、HS^-=痕跡、HSO_4^-=6.6、SO_4^2-=156.5 (53.9*)、陽イオン計=102.8 (6.08mval)、陰イオン計=259.3 (6.05mval)、メタけい酸=72.1、メタほう酸=6.3、遊離炭酸=588.0、硫化水素=0.4 <H8.1.16分析> (源泉名:奥蓼科温泉 渋鉱源泉)
〔館内掲示より〕
単純酸性冷鉱泉 26.4℃、pH=2.92、湧出量不明、蒸発残留物=430mg/kg、H^+=1.203mg/kg、Na^+=65.0、Mg^2+=3.764、Ca^2+=13.96、Fe^2+=0.174、Cl^-=88.29、SO_4^2-=134.6、メタけい酸=94.12、メタほう酸=9.923、遊離炭酸=226.0、硫化水素=0.068 <S55.12.23分析> (源泉名:奥蓼科温泉 渋鉱源泉)
〔 館内掲示 〕
1.信玄の薬湯の由来
この信玄の薬湯の開湯はとても古く延暦二年(西暦七二八年)奈良時代の末期諏訪神社の神官の霊夢により発見されたと伝えられています。
戦国の雄将武田信玄が上杉謙信との永年のたたかいの為八ヶ岳を巻き奥蓼科の麓を通る信玄の棒道を建設、この湯で将兵や軍馬を湯治させ、以来「信玄の薬湯」と呼ばれています。
この薬湯の湯塩、湯の花は古文書にも多く記され、非常に古くから採取されていたようです。湯を樽につめ薬用としての販売も江戸時代中頃から始まりました。
これら湯塩、湯の花、薬湯の販売は明治の始め頃から非常に盛んになり、それが昭和十年頃まで続きました。
<HPより>日本神話の中で大国主の神と一緒に国づくりで活躍する小人の神・少名毘古那神(スクナヒコナ神)がこの薬湯を発見したとの言い伝えもあって、由来は神秘に包まれています。
2.薬湯の効能
当温泉は硫黄を主に、明ばんと炭酸を含んだ硫黄泉です。(中略)
湯は白く濁っていて、湯面に粒状の「湯の花」が浮いています。
この信玄の薬湯は、源泉で28℃と決して高くはないため、昔から湯治客には苦労が多かったようです。標高も高いため冬の湯治が不可能なことはもちろん、夏でも暖をとっては入浴する必要がありました。そのため効能が非常に大きいと言われながらも、湯治途中であきらめる者も少なくなかったそうです。
初めて沸し湯されたのは明治10年のことで、温湯でも効能は変わらないことが確かめられました。(以下略)
3.薬湯の飲泉
この薬湯は、非常に古くから飲泉も親しまれ、その薬効を讃られてきました。ちょっと渋みのある淡いほろすっぱさは、とてもさわやかな味です。(以下略)
<HPより>古く4世紀の頃、神功皇后が朝鮮征伐凱旋の時、諏訪大明神が夢枕に立って、毒矢などの傷兵にこの薬湯を飲ませよと告げた、との記述も見えます。
〔 2010/01/04UP (2006/09入湯) 〕
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