神秘の島

これは、日本海域に浮かぶ離島で暮らしていたアカネが、郷里に帰ってからも巻き起こす、陳腐な体験の数々である・・・

生理痛の苦しみ、綴ります。

2008年04月28日 | 日々是好日
 最近すっかり筆(?)不精になっているが、元気。うん。



 今回は、来たら絶対ネタにしてやろうとかねてから思っていた、生理痛について。

 アカネは、幸運にもほとんど生理痛なんてない女である。普段は、「あ、下っ腹が引っ張られる感じがするなー・・・」ってゆー鈍い痛みがちょっとある程度。
 前は、年に一回ぐらい強烈なのが来て貧血になっていたが、ここ3年は大丈夫だった。

 それが、来たのである。

 津波が。


 
 今月予定通りに月の便りがやってきた、初日。
 最初は、いつもみたいな気にならないぐらいの痛みだった。
 お昼御飯の焼き飯を食べようとお皿によそって、口をつけようとした瞬間、アカネの中でささやく声があった気がした。

“やめといた方がいいかも。”

 一瞬迷ったが、アカネはそのかすかな声に従い、焼き飯をフライパンの中に戻し、席を立った。
「やっぱ止めちょくわ。」
「え、あんた食べんが?」
「うん、でっかいがが来そうやき寝よく。」

 アカネはもしもの事態に備えて、布団の中に潜り込んだ。
 
 生理痛の対処法には、寝てしまうのが一番いい。クスリを飲むのは最後の手段である。
 本でも読みよろっかな~♪なんて考えていたが、甘かった。
 
 予感は的中した。
 だんだん、子宮が絞られるような痛みがしてきたのである。
「うう、イテテテ・・・」
 気を少しでも送れるんじゃないかと思い、下腹に手を当て、腹式呼吸を試みる。だが、意識をして吸って吐いてするのがしんどい。苦しい。

 だんだん冷や汗が出てくる。
 汗ばんで熱いけれど、今布団を少しでも持ち上げたら、部屋の空気が一気に身体を冷やして痛みが増すことがわかるので、ひたすら耐える。

 あくびが止まらない。吐き気をもよおす前は、あくびがよく出る。酸素が足りない証拠だ。腹式呼吸を意識するが、よけい痛い気がする。
 吐き気が這い上がってくる。
 アカネは、生理痛がひどい時は吐いてしまうことがあるのだ。
 昼食を食べなくてよかったと、心から思った。あの時、身体の声に逆らって一口でも食べていたら、間違いなく戻してしまっていたことだろう。
 アカネは必死に吐き気から気をそらそうと、
「寝てるんだから、胃液が逆流するわけない!」
と身体に言い聞かせていた。

 だんだん身体が軽くなり、痛みが和らいできた・・・と思っていたら、また暗闇の大津波のように痛みが襲ってくる。
 何故か骨盤もミシミシ痛む。
 その鈍痛が、ひざの関節にまで広がってくる。
 
 下腹の内部がギューーーと握られるような痛みに耐えかね、布団の中で寝返りを打ったり、足を動かしたり。ひそかに悶絶しているのである。
 痛みから少しでも気を反らそうとの行為であるが、逆によけい痛みを感じてしまったり・・・・


 いったいどれだけそうしていただろうか。

 あー・・・、やっと軽くなってきた・・・。

 と思ったところまでは覚えている。その後、寝入りこんでしまったので。



 んで、1~2時間寝て、布団を取り込まなくっちゃ・・・と思い起きだしたものの、痛みはだいぶ治まったが、今度は身体に力が入らない。貧血になってたんだろう。
 しばらくごぞごぞしたものの、やっぱまだ寝なくては、ってことに気付き、また熟睡した。
 その後はすっかり元気になった。

「おねえも、たまに帰ってきては“生理になったー”ゆうて寝込んで、“一日無駄にした”っていゆうわ。」
と母。
「この家、何か生理痛を起こさせるもんがあるがじゃないが。」
とアカネ。



 そのあと、妹ののんも、何故か生理3日目にして廃人同様になっており、その後バッタリ倒れていた。

 これと言って、その月特に身体とか精神に悪いことをした覚えもないのに、なんでだろ??

最近思うことⅢ

2008年04月15日 | 日々是好日
 4月11・12・13日の三日間、アカネはあるお料理セミナー(以前の記事)に参加してきた。
 雑穀を取り入れたベジタリアン料理である。
 
 つまり、食べ物を中心として、地球の現状、陰陽学、身体のしくみ、現代食の食品汚染・・・・とさまざまな説明を受け、聴くわけだが、このセミナーの間中、アカネは感動しっ放しだった。

 
 日本語の語源とか、自然食にある落とし穴とか、魔法みたいな料理法とか、初めて知ったことや驚いたことはいっぱいあるけど。


 でも何よりも、もっとも感動したことは、先生が語ることの一つ一つが、アカネが小さいころからずっとずっと感じてきた感覚や気持ちとぴったりだったことだ。



 今まで、誰にも話したことはなかったけど、告白する。
 
 アカネは、小さいころから野山に親しみ、物心ついたころにはすでに、地球の現状に心を痛めるようになっていた。
 テレビや本で報道されている環境問題やゴミ問題には、自然と目がとまった。社会の授業で、埋め立てによる都市化を習うと、
「でも、そこに住んでいた魚や環境はどうなったの?」
と思う子供だった。

 科学の進歩や拡大を無邪気に喜ぶことができず、世の中の感覚との大きなずれを感じながら、こんな風に感じている自分のことを、周りに気づかれないようにしてきた。
 アカネは、人間の存在が地球にとって危険で、自分もその一人だということに、罪悪感を抱えて生きるようになった。
 
 そしてこんなことを思う自分はおかしいんだ、いちいち環境のことなんか気にしなくてもいいんだ、と常に自分に言い聞かせ、周りと同じ生活を心がけてきた。
 つまり、洗剤を使うときにチクリと心が痛んだり、美容院でストレートパーマを注文するときに、「パーマ液は水質をどれだけ汚染するもんだろう」なんて考えてしまう自分を、常に打ち消してきたわけである。
 
 大学のときに、いろんな出会いに恵まれ、自分の生活から変えていける部分があることを知ってからは、かなり自分を受け入れることができるようになったものの、やはり無力感から抜け出すことはできなかった。


 
 雑穀料理の権威・大谷ゆみ子さんの言葉は、アカネの身体にひとつひとつ入ってきて、収まった。
 葉っぱに、お日様の光がいっぱい射して、全部の葉緑素が受け止めたみたいだった。


 あたしが、小さいころから感じていた、地球への感謝、賛歌、愛情は、何一つ間違ったものじゃなかった!

 あたしは、どんな時でも、自分の足の裏に根っこがあって、大地とつながっているっていうふうに、感じていた!

 消費者として、先進国に生きる人間として、何ができて何をすべきなのかを、ずっと考えていた!
 

 もう、罪悪感に囚われなくていいんだ。
 地球は愛に満ちているって感じてきたけど、その中に人間も含まれているって、わかったから。
 地球を壊すパワーを持っているなら、それは、治す力もあるってことなのだ。



 セミナーから帰ってきた次の日、ワラビを採りに山ん中這いずりまわったんやけど、嬉しくてうれしくて、本当に幸せだった。
 小さいころから、アカネの周りで行き場をなくして彷徨ってた魂が、やっと帰ってきた感じなのだ。

 アカネは、地球と交信できるアンテナを持っていて、
 どうすれば自分が幸せでいられるかも知っている。
 一体、なんの不安があろうか?


 
 今まで、自分のスーパーエゴとどう折り合いをつけながら生きていくかが、アカネの人生のテーマだと思っていた。
 だけど、どうやらそれ以外にもあるようだ。

 アカネの心と身体が本当に喜んで、地球に貢献できる生き方が、きっと。

悠々実家生活^-^

2008年04月05日 | 日々是好日
 3月31日にアカネと父が家に帰り着くと、妹ののんがシャコシャコシャコ・・・と歯磨きをしながら通り過ぎた。口内刺激がのんのマイブームらしい。実家には、のんの餌食となった数多の歯ブラシが、毛先を噛み潰されて放置されていた。

 次の日、アカネがのんの後トイレに入ると、歯ブラシが転がっていた。
「おばーちゃん、トイレにのんの歯ブラシが落ちちゅうでぇ!」
「洗うてまた電話の傍にでも置いちょいちゃって。」
「え、トイレの床(何か月も掃除してなさそうな)に落ちちょったがで!?」
「かまん、その都度捨てよったら、かったしあたしらの歯ブラシでも噛まれて使えんなるも。」
「・・・・そ、そう。」

 うーん、やっぱり我が家の清潔観念と世間のは違う!!
 
 初日から思い知らされたアカネであった。


 
 こんなこともあった。
 アカネが、洗濯物を畳んでいるときである。

「もう、この汚い硬いバスタオル、雑巾にしよや。」
「かまんよ、してして。」と母。
「ほんでよ、台所とかトイレの前とかにある、蹴飛ばされたり踏みつけられたりして隅に寄せられちゅう足ふき、もう捨てようや。」
「どうぞ、捨てたらいいよ。ちょっとマシなバスタオル、足ふきにおろしたらいいき。」 
 
 あ、おしゃれなマット買おうって発想、ないんだ。
 てゆうか我が家って、普通の洗濯物と雑巾を一緒に洗ってるんだぁ。



 こんなこともあった。
 地球の温暖化か、近所で何か肥料を置いているのか、それともアカネが帰ってきたからか、我が家は異常にハエが多かった。父がハエ取り紙を買ってきて、吊るしたほどである。ハエ叩きでたたくだけでは、もう間に合わないのだ。
「これ、昔つけたとき、小さかったあんたらぁは“おうちに花がさいたぁ”ゆうて、喜んだがねぇ。」
 天井からぶら下がるハエ取り紙を見て、母が目を細める。

 へー、そんな可愛いこと言ってたのかぁ。
 そして、ハエ叩きのハエ叩く部分、普通に食事のテーブルの上に乗せとくんだぁ。

 アカネにはそっちの方がびっくりであった。
 そんなこと前の職場でしたら、叱られた上に延々と陰口を言われ続けるぞ?



 アカネは、そんな愉快で鈍感な我が家でのほほほほ~~~~~・・・・んんと暮らしている。

 4日のアカネの行動と言えば、

朝9時前まで惰眠を貪って時間を無駄にし、
畑に行っては雑草を大量殺りくし、
父と山の畑に行って枯れ草に放火し、
栗やキウイをのこぎりで切りつけて傷を負わし、
付近の山を無断侵入で徘徊し、
そこでワラビを強奪し、
昼からは無免許でトラクターを田んぼの中で乗り回し、
夕方は妹たちを風呂に入れたために風呂場で猥褻物を陳列しまくり、
夜は死体の如く爆睡した。


 そんな無法地帯的自由を楽しんだり、退屈やったりしゆう、今日この頃である。

KY的島の去り方

2008年04月01日 | 日々是好日
 アカネの、バッカちーーーーーん!!!!
 このアッポがぁあぁあぁぁ!!!!
 


 
 うんとね、ついに島を去ったがやけどね、あたしがいかにSKYか教えちゃる。もう恥ずかしくって情けなくって顔から火が出る。まぁ、あたしの場合、出るんは脂やけどね。




 30日に父が引越しの手伝いに来てくれ、名産の水晶ブンタンを挨拶回りで配って歩き、夜はツンや同居人も交え、近所の居酒屋で食事をする。
 家に帰ってからも、父は
「酒が飲みたい。俺ぁ酒飲まな寝れんきよぉ。」
などと言ってコタツに座り込み、テレビをつけてすっかり寛ごうとする。完全に、若い女の子に囲まれて晩酌したい!ワクワク☆って魂胆が見え見えだったが、同居人たちもオヤジの晩酌に付き合う気はなく、そそくさと部屋に散ってしまう。
 アカネも
「こんな汚い机で、酒を飲む気になるかね?」
って感じで、散らかったコタツの上を片付けもしなかった。

 まぁ、そんな親不幸な娘であるが、次の日は父のお陰でスムーズに荷造りを終える。大急ぎで部屋や廊下の掃除をし、忘れ物絶対なし!アカネにしては凄い!ヒロシクン最高!!ってな状態になった。

 
 
 さて、軽トラに荷物を山のように積み込み、港に向かう。
 なんと、港では職場の先生方が、“ひらいせんせいありがとう だいすき”とかって画用紙を切り抜いたものにきらきらの飾りをつけて、センターのガラスに貼ってくれている。
 奥では、せっせと紙テープの用意もしてくれている。

 そして、バスに乗って子どもたちも到着する。風の強い日で、子どもたちはよそ行きの服にジャンバーを着込んでいる。
 普段なら、お昼寝の時間だ。アカネの出港に合わせ、先生方が子どもたちを早く起こし、ぐずる子どもをなだめて大急ぎで服を着せ、ものすごく無理をしてくれたんだと思う。
 子どもたちとわいわい言っているときに、赤ちゃんクラスの子どもたちや職員もやってきてくれた。
 子どもたちがなぐり書きしたり、シールを貼ったりした画用紙をプレゼントしてくれる。他のこどもが花束を渡してくれる。職員みんなが、メッセージを書いたアルバムも渡してくれた。

 28日に仕事が終了だったのだが、その日も、アカネのクラスの子どもたちが、アカネの顔や好きなものをいっぱい書いてくれた画用紙集をもらった。


 アカネは、とてもとてももったいなくて、子どもたちの顔を直視することができなかった。
 結婚で辞めるとか、身体を壊すとか、家庭の事情とか、やむにやまれぬ事情で辞めるんじゃないからだ。言ってみれば、アカネの勝手な「もう、や~めた!」っていう判断で、何度も担当者が代わって、傷つく子どもがいた。
 アルバムを作ってくれたり、プレゼントを買ってきてくれたり、別れの準備をしてくれたり、駆けずり回ってくれる人がいた。

 あたしは、こんなにたくさんのものを、みんなにあげれただろうか?
 もっとできることがあったんじゃないのか?
 もっと子どもたちや職場のために頑張れたんじゃないのか?
 怒ってばっかり、愚痴を言ってばっかりじゃなかった?
 迷惑をかけた方が多かったよ?

 そんな、情けなさと申し訳なさがいっぱいで、こんなにいっぱいしてくれてるっていうのに、涙も出ない。

「お船来たよー!?」
 子どもの一人が知らせてくれる。

 手をつないで岸壁まで行くと、なんとバスに、アカネの顔をかたどった絵と、メッセージを大きく書いたのを貼ってくれている。
 
 乗船時間が近づき、フェリーの乗組員が案内してくれる。第二甲板まで一気に駆け上ると、乗組員さんが紙テープをくくったロープを引っ張り上げ、アカネに渡してくれる。思ったより重い。強風で色とりどりのテープが大きく翻って、すごい。
 子どもたちが手を振る。
 アカネも手を振る。気がつけば、もう船が動き出している。
 だけど、アカネには実感がわかない。こうやって華々しく見送られているのは、別の人物ってゆう気がする。

 風に煽られて、紙テープが重い。

 と、その時!!

 あたしったら、紙テープを放してしまった!!!
 ずるずるずるっとロープがすごい勢いで滑って、海に落ちてしまった。

「あ~あ・・・」

 ギャラリーの落胆の声が聞こえる。ヤバい。
 必死にロープを引っ張ったけど、濡れた紙テープはもう上がってはこない。ギャラリーは、「やっぱりひらい先生は・・・・orz」って感じだ。



 みんな、ゴメン。
 マジごめん。
 
 あたしって、最後まであたしだったわ。
 最後の最後に、みんなの期待を裏切ってゴメン。
 .... o..rz




 という訳で、今日、子どもたちに怒られる夢見ました