「幸子ー?サチコー?」
祖母が誰かを呼んでいる。家には、祖母とアカネと父の三人しかいない。アカネと父は二階で寛いでいるところだ。
「幸子って誰やろねぇ?」
「幸子って・・・アカネのことやろ。」
「えー!・・・ついに孫の名前も忘れた・・・。」
アカネは幸子になりきり、二階を下りて行った。
「なにー?」
「トイレ連れて行ってや。」
「幸子って誰?w」
「・・・。・・・・。何て名前やったかねぇ・・・。」
「アカネやけど。思い出した?」
「・・・・・・?」
というわけでみなさんご無沙汰でした、幸子です。
アカネがJohnのところへ行き、ついでにリンカーン島へも寄って10日ぐらい家を空けていた間に、おばあが呆けていたのだ。
祖母は、病気で目が見えない。視力の喪失と共に生活力が衰えていくのを受け入れることができず、ネガティブな思考へと滑落して行った。ここ1年くらいで、さらに見えなくなったとかで、一切外に出ようとせず、寝るだけの日々が続いている。そんだけ刺激がなくて、死にたい死にたいって思って暮らしてたら、呆けるの早いだろうなぁ~と思ってたら、物忘れが酷くなって、アカネが家を空けてた間にあっという間に前後不覚になっていた。
明け方、祖母が母を呼ぶ声がするので声をかけてみると、
「あたし何処におる!?」
「いつもんとこにおるけど、お婆ちゃん。」
「みんなぁおるかねぇ!?」
「おるよ。」
「あたしどっか知らんところに来たと思うて、急いで出て行かないかんと思いよった!」
「出て行くって、何処に?」
「知らんけんど!」
今日の朝は、リュックを背負ってえらい怒っていた。
「どうしたが、お婆ちゃん。」
「なんでこんなにも部屋の中変えてしまうろう!」
「どこが変わったが?」
「ここら辺かわっちゅうろう!」
そう言って祖母は辺りを手探りする。もちろん、どこも動かしたりしていない。
「一言ゆうてくれたちえいに。お婆ちゃんはあんたが夕べたんす漁るき、どきどきして眠れんかったぞね!」
「あたしが何漁ったが?」
「知るかね!自分の胸に問うてみい!ちょっとおらん間にそんな娘になったかね!」
・・・その内、お金盗られたって言われるんやろうなー。
まぁいいか。
起きた時は、夢と現実の境が全くなく、混乱している。その内母が起きてきて、皆が下りてくると安心して落ち着くのだ。
刺激が全くなく、自分の殻に閉じこもりがちなため、デイサービスの話も出ている。今までもあったが、祖母の性格を考えると反発するに決まっているため出せずにいたのだが、突然呆けてパニックになったことで、母も本人も決心したらしい。
デイサービスの手続きに何故か1か月もかかるらしいので、その間にボケの進行が進まないか心配だ。
・・・・って書きよったらよ、また祖母が呼んでいる。(パソコンは二階にあるのだ)
「千恵ちゃーん?」
・・・という訳で、千恵になって来ます。
祖母が誰かを呼んでいる。家には、祖母とアカネと父の三人しかいない。アカネと父は二階で寛いでいるところだ。
「幸子って誰やろねぇ?」
「幸子って・・・アカネのことやろ。」
「えー!・・・ついに孫の名前も忘れた・・・。」
アカネは幸子になりきり、二階を下りて行った。
「なにー?」
「トイレ連れて行ってや。」
「幸子って誰?w」
「・・・。・・・・。何て名前やったかねぇ・・・。」
「アカネやけど。思い出した?」
「・・・・・・?」
というわけでみなさんご無沙汰でした、幸子です。
アカネがJohnのところへ行き、ついでにリンカーン島へも寄って10日ぐらい家を空けていた間に、おばあが呆けていたのだ。
祖母は、病気で目が見えない。視力の喪失と共に生活力が衰えていくのを受け入れることができず、ネガティブな思考へと滑落して行った。ここ1年くらいで、さらに見えなくなったとかで、一切外に出ようとせず、寝るだけの日々が続いている。そんだけ刺激がなくて、死にたい死にたいって思って暮らしてたら、呆けるの早いだろうなぁ~と思ってたら、物忘れが酷くなって、アカネが家を空けてた間にあっという間に前後不覚になっていた。
明け方、祖母が母を呼ぶ声がするので声をかけてみると、
「あたし何処におる!?」
「いつもんとこにおるけど、お婆ちゃん。」
「みんなぁおるかねぇ!?」
「おるよ。」
「あたしどっか知らんところに来たと思うて、急いで出て行かないかんと思いよった!」
「出て行くって、何処に?」
「知らんけんど!」
今日の朝は、リュックを背負ってえらい怒っていた。
「どうしたが、お婆ちゃん。」
「なんでこんなにも部屋の中変えてしまうろう!」
「どこが変わったが?」
「ここら辺かわっちゅうろう!」
そう言って祖母は辺りを手探りする。もちろん、どこも動かしたりしていない。
「一言ゆうてくれたちえいに。お婆ちゃんはあんたが夕べたんす漁るき、どきどきして眠れんかったぞね!」
「あたしが何漁ったが?」
「知るかね!自分の胸に問うてみい!ちょっとおらん間にそんな娘になったかね!」
・・・その内、お金盗られたって言われるんやろうなー。
まぁいいか。
起きた時は、夢と現実の境が全くなく、混乱している。その内母が起きてきて、皆が下りてくると安心して落ち着くのだ。
刺激が全くなく、自分の殻に閉じこもりがちなため、デイサービスの話も出ている。今までもあったが、祖母の性格を考えると反発するに決まっているため出せずにいたのだが、突然呆けてパニックになったことで、母も本人も決心したらしい。
デイサービスの手続きに何故か1か月もかかるらしいので、その間にボケの進行が進まないか心配だ。
・・・・って書きよったらよ、また祖母が呼んでいる。(パソコンは二階にあるのだ)
「千恵ちゃーん?」
・・・という訳で、千恵になって来ます。