神秘の島

これは、日本海域に浮かぶ離島で暮らしていたアカネが、郷里に帰ってからも巻き起こす、陳腐な体験の数々である・・・

ブログを移転します。

2010年01月19日 | 日々是好日
 こんばんは。
 ずっと先延ばしにしてきましたが、ついに新しいブログへ移転することにしました。
 そもそもこの“神秘の島”は、島での一人暮らしを楽しく送るために始めたものでした。今では生活が全く変わってしまったのに、相も変わらず何か奇をてらった内容を中心に書き綴ることが、自分の中ですごく違和感がありました。

 文章を書くことはどうやら大好きだし、自分自身の考えの整理になるので新しいブログに変えることにしました☆
 今後は日々考えていることや農作業の記録を中心に書き込んでいきたいと思います。

 今まで読んでくれていたみなさんありがとうございました。
 またお暇な時間ができたときは、

啓蟄の候(けいちつのこう)

 を覗きに来てください。

 
 じゃん・けん・ぽん☆
 うふふふふ~~~

 

われる症トケー忌

2010年01月04日 | 日々是好日
 えー、続きです。前回を読んでない方のために、あらすじを。

~前回のあらすじ~

 前回は、皆を幸せな気持ちにしてあげたいと願う、純情無垢な主人公(♀)が、スフレチーズケーキ作りに挑戦し、ヘンゼルとグレーテルの呪いで失敗してしまう、健気なストーリーでした。
 さて、主人公は呪いにも負けず、もう一度スフレチーズケーキを作り始めます。
 はてさて、今度は成功するのでしょうか?



 31日の大晦日、アカネはお菓子の本に書いてある分量を半分にし、もう一度スフレ部分の生地を作り始めた。
 下に敷くスポンジは、昨日の残りがある。猫に骨抜きになっている姉を動員し、再び完璧に生地を作った。
 型に流し込み、今度は60分きっかり湯煎焼きした。

 今日は、もう一つのショートケーキのスポンジも作るつもりだ。デコレーションは明日の午前中にしよう。フルーツから水分が出て、生クリームが溶けたりしないようにである。

 レンジが歌った。指定していた時間が来たのである。
 アカネはドキドキしながら扉を開けた。

 スフレチーズケーキは焦げもなく、良さそうであった。しかし、湯煎していたため水が浸みている。底が抜けるタイプの型って、湯煎したら水が浸みてこん??
 側面の型を注意深く外し、水を抜こうとした。
 
 あれ。

 クッキングシートが、濡れてとけている。ケーキにべっちゃりと張り付き、水分を交換し合っている。
 アカネはケーキにお皿を当て、ひっくり返して底を上に向けた。底にひっついてあるクッキングシートをとるためである。
 クッキングシートの細切れを取り除き、もう一度ケーキをひっくり返して焼き色が表面になるようにした。
 かなり軟らかく、絞ったら水が出てきそうである。
 しっとりを通り越して、べっちょりである。

 ・・・・思うに、諸悪の根源はこのクッキングシートなのでなはいか!?

 普通クッキングシートは、水を弾くし、生地にひっつかない。
 ところが、これは水に溶けるし、パリブレストを作った時はもうシュー皮の部分と一体化してどこが紙なのか皮なのか解らなくなってしまった。
 それに、焦げてパラパラになった部分もあった。

 アカネは、“日本郵政 粗品”と書かれた、非常に正直な自己評価を持つこのクッキングシートをまじまじと見つめた。
 こいつが、全て悪かったのだ。
 嗚呼許すまじ粗品よ!

「あれ?これスポンジを上にしたが?」

 皿に乗せたケーキを見て姉が言う。
「してないよ?これスフレの焼き色やし。」
「え、でもここスポンジやん。」

 そうだ。
 よく見ると、完全にスポンジの部分を上に盛っている。
 いやしかし、アカネの手順に間違いはなかったはず。一回ひっくり返したのを、またひっくり返したんやし。
 ということは、型の中にお湯が侵入し、お湯の中で何故かスフレ部分の生地が土台の下に沈み込んだのだろうか??
 そんなことってあるのか?
 単にバカネが勘違いしているだけなのか??
 わからない。
 あたしにゃもう何もわからない。


 という訳で、ふわふわでしっとりのスフレチーズケーキは、何故か土台に押しつぶされ、水っぽいケーキのような何かとなりましたとさ。




 あ、でね、ショートケーキも、スポンジを型から取り出すときに割れたに。
 取り出す前に、ナイフで型のまわりをぐるりってせないかんかったけど、本に書いてなかったき。振り落とそうとしたら、真中が割れて落ちてきた。
 生クリーム塗ってごまかしたけど、切り分けたときやっぱり崩れよったわ。


 
 そんな訳で、今年もよろしくお願いします。

とろける痴ーズケー忌

2010年01月03日 | 日々是好日
 明けましておめでとうございます。
 どんな年末年始を過ごしましたか??

 我が家では、毎年親戚が集まってくれてお客をするもんで、今年はアカネは一発ケーキを焼いて人気者になろうと企みました。
 ま、生クリームたっぷりのショートケーキは王道でしょう。皆に凄いと思われるには、もう一品ケーキが必要です。二種類もケーキがあったら、どのおっさんやジャリでもアカネのことを見直すでしょう。そして尊敬してやまないでしょう。


 と、いう訳で、下心たっぷりにアカネはお菓子の本を開いた。
 そして、ショートケーキとスフレチーズケーキを作ることに決めた。スフレチーズは、以前島におったときに、後輩の誕生日に作って大成功を収めたことがある。

 30日、大勢の客でごった返す店でアカネはケーキの材料を調達し、意気揚々ととりかかったのであった。
 まずは、チーズケーキから。
 本と同じ、18センチの丸型で、全く同じ分量、アレンジなど一切加えず、ハンドミキサーで泡立て、苦もなく作ってしまう。
 型に敷くクッキングシートは、以前パリブレストを作った時に生地にひっついて大失敗したものであるが、それは裏表を間違えたからだと思われる。
 “日本郵政 粗品”と書かれたそのクッキングシートを、アカネはもう一度信じることに決めた。
 
 クッキングシートを型に沿って切り、型に合わせ、その中にスポンジを敷き、スフレ部分を流し込む。量がものすごく多くて、型から溢れそうになっているが、これで分量通りなのだから問題ない。ハズである。
 お湯を張った器に入れ、レンジで湯煎する。
 まず、200度で10分。
 その後、150度に下げて50分。
 これは、初めに表面をしっかり焼いておいてから、中はしっとりふっくらするように低温で長時間焼くためである。
 
 ところが・・・・・・・・・。

「ねぇ、これ焦げやあせん?」

 型から溢れんばかりの生地は、レンジの中でますます膨らんで天井まで届きそうな勢いである。そしてその表面は、黒く焼け焦げ始めているようだ。
 そういえば、去年柚子のバイトに行きよったときも、皆に食べてもらおうと思って作ったこのスフレチーズケーキ、表面が真っ黒に焦げたんやったっけ・・・。

「これもう止めたほうがいいがやない?」
 家族が心配してやいやい言い出す。
 ・・・いや、ここで止めたら、しかし、・・・焦げるぐらいなら。
 アカネは時間を5分短縮し、レンジから出した。

 湯煎から引き上げ、型のまましばらく冷やし、器に移そうとしたときだ。
 型の側面を外したら、





 ゆるるるる。

 ずるり。
 
 どろぉ。


 固まってないスフレ部分が崩壊し、大量の水とともに液体の生地が溢れてきたのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 
 ・・・・・・・・・・・・・・な、
 なんでよお~~~~~~~~!!!!!

 アカネはピコドンして悔しがった。
 一時間湯煎焼きをしていたというのに、最後の5分を短縮しただけでここまで軟らかいものか!?!?
 そうなのか!?
 アカネが悪いのか!?!?

「大丈夫、美味しいよ?」
 家族が必死でフォローしてくれている。
「そんなん砂糖も高カロリーのもんもいっぱいはいっちょって、美味しいにきまっちゅうろ!
 だからこそ口当たりや軟らかさが大事ながよおー!!」
 ドスン!

 
 どうする!?
 もう諦める?ショートケーキだけにする?
 いや、けど、
 もう一回材料買う?クリームチーズ高いで?
 いや、けど、
 ・・・・・・・・・・・。

 散々迷った末、アカネはもう一度作り直すことに決めた。
 もしかして、分量は何故だかわからないけれども、ケーキ二つ分なのかもしれない。だって、スポンジを作っても、土台にする部分は1cmぐらいでいいので、半分以上余るのである。
 分量を半分にして作ってみたらどうだろう?
 そしたら焦げる心配もないし、中まで火も通るだろう。


 こうして、アカネの新たなチャレンジが始まった。
 果たして、バカネのスフレチーズケーキは成功するのだろうか!?
 後半へ続く!!



 ちなみにこの記事、去年の30日の出来事です。
 長くなったき、カッコよく区切ります☆