心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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合掌(トラス)その3

2012年07月21日 | 日記・エッセイ・コラム

木造トラス(合掌)の製作、承ります。

2016年8月2日【木造トラスの製作・施工図作成承ります。】を参考まで。

 

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設計の出来る大工、つまり伝統大工の仕事。

この仕事は全て(実施設計・施工図作成・墨付け・刻み)、私に3年程付いて修行していた20代前半の若い子によるもの。【木組みによる隅木②捻組と渡腮2012.06.25】と同じ彼です。

Photo

木組み部の凸凹に注目(画像をクリックすると大きくなる)。
在来材を【げんぞう】ではなくしっかり木組みして、その上で構造ボルトによる接合方式を採用。


ツーバイ材を【げんぞう】で合わせて、接点部を合板ガセット釘打ちにしたものや、メタルプレートコネクターによる、”ぶっつけ方式” ではありません。


ボルトは釘に比べ、初期ガタつきはあるものの、終局耐力と耐久性は上、特に耐久性は格段に上。その初期ガタつきを低減する為には【げんぞう】ではダメで、凸凹加工を施したしっかりした木組みが必要。


また、合板の耐久性の危うさは、リフォームで一階床に貼られた合板の”ベリべりめくり”を体験した大工は皆理解している。6mを超えるスパンにその様な合板に釘の【げんぞう】構造は、こと耐久性については疑問符が付く。


よって、おそらく大工が自邸で合掌(トラス)を計画した場合、ツーバイフォー構法大工以外は合板ガセット+釘打ち方式を採用しないのではないか?


ここでの仕事は、合板を使わず、無垢材にしっかりした木組み+構造ボルトによる安全性向上(耐震性・耐風性・耐久性・経年変化低減等)の為の最上級仕事。


【げんぞう】:木組み部で凸凹を加工しないでただ突き合わせるだけの、最もローコストな大工技法。釘やビスでとまっているだけなので、安全性や経年変化に対しては問題がある。

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