心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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Let's enjoy 構造計算⑤  (^-^)v

2006年03月25日 | うんちく・小ネタ

睦月、如月、そして今季節のこよみは弥生下旬。花見月ですね。春分の日も過ぎ、ソメイヨシノも各地で開花して、東京でも来週末ぐらいが桜の満開でしょうか。陽光降り注ぐ春うららかな中、息子はJR特急スーパービュー踊り子号に乗車出来て、ご満悦(o^_^o)  パパは掃除に洗濯、布団干です。 p(^-^)q

さて、少々専門性が高かったかなぁ~(?_?)の、Let's enjoy 構造計算シリーズは⑤の今回でひとまずピリオド。画素数を落として画像を掲載しているので、理解出来ないのではなくて、ただ単に見えないだけかな…

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3.5.接合部の設計ですね。3.5.1.で浮き上がりの検討を行います。「3.各部の設計」の項「3.1.軸力の算出」から導きますが、Vt(vertical tension)=VL(耐力壁間の押えに有効な長期軸力の合計)-Vs(耐力壁の回転によりおきる軸力の合計)×β(浮き上がりに対して建物全体が押さえ込む効果を考慮した係数)で計算します。

耐力壁には壁倍率といって、水平力に対しての変形しにくさが数値化されていて、たしか法改正前で長さ1m当たり200kgの力に耐える壁が倍率1で、その時の正長方形から平行四辺形への変形の度合いが1/120ラジアン(角度の単位)が定義だったと記憶しています。(改正後は200kgが196KNへと単位も変わって、”キロニュートン”なんてのより、ボクシングの”パァウンド”やゴルフの”ヤード”やらを国際単位に変更してもらった方が私としては生活が楽しくなるんですけど… ちなみにトリノ五輪ではスノボのハーフパイプ見てたら、公式TVでちゃんとメートル表示されてました♪)

ところでこの壁倍率という奴はやっかいな代物で、倍率を上げる(但し法令による仕様規定では5倍が上限)に連れて、接合部の接合強度を比例してアップしないことには耐力壁としての効果が発揮されない特性があるんですね。このことが大変理解しにくいようで、壁倍率さえ上げれば地震に強くなると単純に思い込んでいる設計者や施工者が多いのです。

2000年の法改正では、構造計算によらずに仕様規定で設計施工するのであれば、徹底的に構造の金物補強(…というか、”木造金物接合構法”という形に現実はなりました)が義務付けられました。このことの理屈を知りたい方は、『E-ディフェンスを見て、学習することをお勧めします。というか、プロとしてこの業界でメシを食っている人間は、”知る”こと位は必須ですよね~。

ということで、どの柱がどれ位の浮き上がりが生じているかを表で示し、略平面図で更に解り易く図示します。そして対策として、伝統構法的アプローチではなく、現在主流の仕様規定在来構法的金物補強策(実際には補強ではなくて、金物が主扱いなんですけど…)を示す訳です。2000年法改正で一躍脚光を浴びた『ホールダウン金物』ですね。

ただ、今回、構造計算により算出したデータなのでこれだけの量で済んでいるのですが、構造計算によらない事が圧倒的大多数の2階建て迄の構造なのであれば、仕様規定にも『N値計算』という簡易計算法が用意されているので、お勧めです。それすらもやらない・やろうとしない・やろうとしても出来ない設計士によるのであれば、純仕様規定の、ガチガチに金物漬けにするしか今は家は建ちません。結果、構造躯体にボルトの穴をあけまくって、結露による構造躯体の腐食や、熱伝導による温熱環境の悪化は避けられないことになります。

参考までに、限界耐力法構造計算 >許容応力度法構造計算 > N値計算(H12国土交通省告示第1460号第2号ただし書き) > 仕様規定(H12国土交通省告示第1460号)の順に金物の量は減らすことが出来るンですよ~♪ 

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と、続いて、3.6.基礎の設計ですね。何事も基礎が大切。一般の方は土台のことを基礎と思い込まれているようですが、基礎は純粋に地面と接しているコンクリートや石等をいいます。この設計、正しく行えば地中梁が必要になるケース、鉄筋がワンサイズ大きくなったり、大きくならないまでも増加したりするケース等、上部の間取りによってかなり”ごつい”ものになることがあります。しかし発注者からすると!と?のようで、『そんな設計になるんだったら、よそに設計させるからもういい!』と罵声を浴びせられた一級建築士を私は知っています。

その発注者の名前は明かせませんが、耐震強度偽装を賑わしている○○元建築士や○○社長やらがやっていたことは、何処にでもとは言いたくはありませんが、対岸の火事ではないことだけは間違いないと思います。本来木造で建ててはいけないような建物を、”コストダウン”の為に木造で建てる行為を平気で行う意匠設計士と建築主がいることが問題なのです。どうして、そこまでして受注したいのでしょうか。お客様にはおそらく何でも『出来ます』なのでしょうね。ただ、これも煎じ詰めればお客様の”自己責任”にもなってしまうことなので、安請け合いするような業者には要注意だと思うのですが…。

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続いて、3.7その他 です。3.7.1で転倒の検討、3.7.2で層間変形角の検討、3.8で二次設計ですね。転倒とは文字通り、のっぽ状になりがちな3階建てなので当然の事として、層間変形角とは倒壊までは至らないまでも、地震や台風時にどれ位家が傾くかということを計算するもので、品確法では、仕上げ材の損傷の程度を示すものとして表現を変えて規定されているものです。

二次設計とは、最低限人命の安全を確保する為の設計のことで、大地震時(震度6~7)に建物が倒壊しないかどうかをチェックすることをいいます。ちなみに一次設計とは中地震(震度4~5程度)を想定していて、使用上支障をきたさないようにする設計のこと。

層間変形角は、防火の観点からも特に厳しく性能が求められています。木造では、準防火地域の3階建てでは、1/150ラジアンと、それ以外の地域の1/120ラジアンよりも高い耐変形性能が要求されています。変形によって生じる、隙間から一定時間、火が進入したり噴出したりしないようにすることを要求されているからです。ということは、耐力壁量が準防火地域では多く設計することが大切なんですね。

『カーテンウォール』という言葉をご存知ですか?高層ビルの外壁の施工方法のことですが、外装材を躯体(構造の骨組み)とはワンクッション置いて施工されていることをいいます。”ゆーらゆーら”揺れる建物に外装材をきっちり留め付けて施工してしまうと、揺れを吸収出来なくて、ヒビや亀裂ひいては脱落してしまう危険性があるんですね。ですから或る程度の”遊び”が必要な訳でして、まるでカーテンのように、力をふわぁ~っと伝えないことからネーミングされたのだと思うのですが、これも、層間変形角を計算している訳です。

で、ラスト3.8.3で再度偏心率の計算が出てきていますが、この計算書を作成した頃は、法改正に伴って許容応力度法による計算方法も改正される移行期でした。偏心率計算がそれまでの計算法には義務付けなく、あくまで自主計算にて安全性を少しでも高める為に行っていたものです。ここでの数値が0.15になっているのは、建築基準法施行令第82条の3の2項によるもので、木造を除く建築物に適応されているかなり厳しい数値です。

偏心率とは各階の間取りの重心と耐力壁の剛心を求めて縦軸と横軸でそれぞれの距離(偏心距離)を平面全体のねじれに対する抵抗の度合いを表す”弾力半径”で割った数値のことで、剛心まわりのねじれの起こり易さを示したもののこと。地震力は建物の重心に作用すると考えられていて、水平力が作用した時、建物は剛心を中心に回転する訳で、この距離が遠いとねじれ変形が大、と考えているのですよね。

この偏心率、木造で0.15が見送られ、0.3に落ち着いたのは、地方の住宅の間取りに配慮した為なのだろうと思います。南側に大開口を設ける伝統的日本家屋では、限界耐力計算によるか、さもなくば設計上のあるテクニックを用いなければ、0.15では実質建築不可となってしまうのではないでしょうか。多くの点で都市部の住宅に焦点を合わせた法改正だったように私は思っているのですが、結果、地方の住宅に同じ法令を適用するのには少し無理があるような気が私にはしますけど。ただ、2000年の法改正の焦点を逆から見れば、それだけ都市部の住宅が無秩序だということでしょ?

間取りの現実、それは確かに地方の間取りにも多く見受けられてもいますが、やはり都市部のそれは更にひどい、が私の正直な所見です。また、十人十色のデザインは別にして、地方には設計施工を本当に良く知っている腕の良い大工がまだまだ棟梁として全体を統括しているのに比べ、都市部では分業化の短所が建物の質の低下を加速させているように思えてなりません。釘打ち機でなければ釘を打てない大工、鉋掛けも出来ない大工に、本当に良い建物が出来るとは思えないのです。

・・・

ふ~。構造計算って、こうして見てみると大変ですね。私の舌足らずはもちろんを承知の上で、ただ、接合部の計算は、浮き上がりだけでしたでしょう。つまりね、改正前では、柱や梁の断面算定や耐力壁関連の計算はあるものの、梁については、その端部がどう他材に関連していて、荷重がどれくらいの応力の伝達が出来るのかとか、木組みによる違いとかは全くノーチェックだった訳です。例えば蟻仕口一つでも『蟻掛け』・『大入れ蟻掛け』・『腰掛蟻』・『茶臼蟻』とでは接合強度も荷重の応力伝達性能も異なるのに、それらについては、触れられていない。

また、耐力壁の配置についても、基準法としては、ほぼ正四角形でほぼ総2階的な間取り・構造でしか対応していないという現実があり、改正後の1/4バランス計算や偏心率計算についても、基準法的には凸凹やセットバック・オーバーハングのある間取りについては対応出来ないということで、コスト優先の弊害とまでは言い切れない面がありますけど、大人の木造建築について、限界耐力計算法の一日でも早い整備と運用、そして活用を私としては期待したいところです。

でもね、本当に大切なのは、構造計画なんですよね。伝統構法はその事からしっかり配慮しなければ、施工出来ない構法です。伝統構法が理解出来るのであれば、自然と構造計画も理に適ったものになっていくし、おかしな材料を使うことなく、耐力壁を併用することで、保有水平耐力は木造では最大になります。なにしろ、筋違い・構造用面材を使うこと無く、骨組みだけで自立する構法なのですから。

終り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Let's enjoy 構造計算④  (^-^)v

2006年03月19日 | うんちく・小ネタ

今日は子供と凧揚げ ヽ(^▽^)ノ をしました。でも、すっごい風で、あっという間に木に引っ掛かって絡まってしまい、あえなく終了。小さいことは全く気にしない豪快な?息子は、『あっはっは~』と笑ってました。『名は体をあらわす』とはいいますが、人間の性格とは面白いものですね。

さて、Let's enjoy 構造計算④。

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1.一般事項、2.耐力壁の設計に続いて、3.各部の設計を提示します。3.1.で軸力の算出を行います。軸力とは、平たく言えば、柱にかかる荷重のこと。どの柱に一体どれ程の荷重がかかってくるかを計算して行く訳ですね。設計士は荷重(かじゅう)と言いますが、大工は”荷(に)”と言ったりします。『荷がかかる柱』というように。実際、木材一本一本を手に持ったり、肩で担いだりしながら墨付けや刻み(きざみ:墨付けがなされた木材を鋸や鑿等で工作するこという大工用語)を行うので、身体感覚に大変近い表現がされているのだと思います。

で、3.1.1.で水平力による耐力壁の応力を提示します。ここで示されているのが、簡易軸組み図です。筋違い(筋交いではないよ)が一方向にしか示されていませんが、これはソフト上だけの表記で、現実には圧縮筋違いと引っ張り筋違いがあるので、/と\が同数になるように設計しなければなりません。(こういうこともご存知無い設計士、しかも一級にも、ざらにいらっしゃいます(・・;)

3.1.2.で柱の長期軸力と短期軸力を提示します。長期とは地震や台風や雪が無いような状況下での構造の有り様、短期とは地震や台風や雪があるような状況下での構造の有り様(大変乱暴な言い方)です。ですからこの項では、長期、積雪時、水平力(地震や風による横から建物に加わる力のこと)について、軸力を見る訳です。大雪が屋根に積もっている時に、暴風雪が吹き荒れ、そこに震度7の大地震が来た時が建物にとって構造的に最も過酷な状況な訳です。そんな状況はまず無いでしょうが、それでも絶対に無いとは言い切れない訳でして、品確法では『500年に一回あるかないかの…』といった表現で、構造設計のグレードをランク付けしています。

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それらを平面図上の柱位置(座標軸として表記)に落としこんだものがこれらです。左から長期鉛直軸力、積雪時鉛直軸力、水平力による軸力。そして右端は計算により判明する、柱が重力に逆らって上方へ上がろうとする力『引き抜き力』を示しています。これが多くの方の理解に苦しむ力のようです。さて、興味ある方は、これらから、長期軸力と短期軸力の違いを見てみて!。きっと、普段の設計や施工が、いかに根拠も持たずになされているかを”目からうろこが落ちる”ように気付くかもしれないからです。また、それに気付くことが出来れば、設計や施工が本当に理解出来るようになるだろうし、建築主への職能上の最大限の貢献、ひいては社会貢献のよろこびで仕事がとにかく楽しい・愉しいものになるに違いありません。(^-^)v  仕事はね、どうせやるなら、たのしんでやろうよ!

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これらを踏まえて、3.2.で柱の設計、3.3で梁・桁・胴差の設計、3.4.でたるき・母屋・根太・他の設計を行います。柱の設計についていえば、仕様規定として建築基準法施行令第43条に基づいて小径(断面寸法のこと)を決定するのがポピュラーなのですが、性能規定という道が2000年の法改正で開かれたのだから、設計士はジャンジャン構造計算を行って、安全性を計算で証明した上で、感性に訴えかけてくるような素晴らしいデザインをして欲しいものです。デザインとはネ、構造だってデザインなんですよね。パリのポンピドーセンターぐらいは知ってるでしょ?レンゾ・ピアノ氏やリチャード・ロジャース氏、ノーマン・フォスター氏とかネ。私は今大工やってますけど、彼らの講演行きましたよ。関空はこの目で体験もしたし。

ところで、特に注意すべきは3.3梁・桁・胴差の設計です。構造計算で算出した断面寸法さえ守れば必ずしも良い訳ではないんですね。それがOKかは材料次第、それを扱った職人次第といった要素が極めて大なのです。それは、木が生物材料だからです。つまり、それが1番玉なのか2番玉なのか3番玉なのか、木には腹と背があり、『背に腹はかえられない』訳でして、単純梁で使用するのか、連続梁で使用するのか、跳ね出し梁で使用するのか、また、集中荷重がどこに下りてきてどこから降りていくのか、単独材なのかそれとも他材との絡みはあるのか、根太彫りはあるのか、etc.適材適所を見極めなければ、計算で出た設計が担保出来ない複雑な事情があるのです。計算では、50%割り増しの安全率を掛けてはいますが、それよりもはるかに大事なのが、”人”なのです。     う~ん、だからネ、木造は面白いんですよね (^-^)v

続く。


Let's enjoy 構造計算③  (^-^)v

2006年03月12日 | うんちく・小ネタ

後厄のたたり? 風邪をひいて治ってはまた風邪をひき…(x_x;)  私は今、仕事と子育てと親の介護でちょいとダウン気味です。毎朝、タウリン3000mg・植物性生薬2種類配合の医薬品栄養補給ドリンク剤を飲んで、パパはがんばってますよ~p(^-^)q  大変だけれど、私はちゃんと子育てをするのだ。あ~、仕事だけしてた方が、どんなにラクなことか。育児休暇も当然ない恵まれない労働環境でも、必死に身体にムチ打って、馬車馬以上に働き、子供の未来の為に真剣に育児している同士よ、俺もがんばってる、君もがんばれ!それにしても、おかあさんの偉大なこと!尊敬m(_ _)mしますね。 我が家でも妻は凄いっす。それに比べれば、男はへなへなですね~

ということで、今回はLet's enjoy 構造計算シリーズの③   細かいことは抜きにして、目次に沿ってさーっといきましょう。

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1.一般事項 計算の前提条件の提示です。1.3では使用材料および許容応力度表を提示します。設計者なら、たとえ木造であっても、建築基準法施行令(”施工令”ではないよ)第8節ぐらいは”知ってる”でしょ、と言いたいところなのですが、建築士試験で構造と法規何点で合格だったの?と訊きたくなる方が現実には多数いらっしゃいます。ヽ(^^ ) 私は意匠および大工系なのですが、構造25点満点中21点、法規は同22点でしたけど。みなさんしっかり設計しましょうね。

1.4.で仮定荷重、1.4.1で固定荷重、1.4.2で設計荷重、1.4.3で積雪荷重、1.4.4で速度圧の計算、1.4.5で地震力をそれぞれ提示します。そして1.5で略伏図(根太等の2次部材を省略した柱と梁だけの構造図のこと)を提示します。木造とS造(鉄骨造)・RC造(鉄筋コンクリート造)・SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とでは構造計画から根本が異なりますが、今一連の耐震強度偽装問題で数値を偽装したのは、多分ここでしょうね。設計には基本設計と実施設計がありますが、相当に力量のある設計士でなければ正確な実施設計が出来ませんから、偽装を見抜けるには大変な知識量が必要だと思います。ちなみに私は偽装していませんよ~ (^-^)v

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2.で耐力壁の設計をします。現在の木造軸組み構法では、最も大切な構造設計です。2.1で耐力壁の配置と有効壁長Ldと許容耐力Piの算定、2.2で建築基準法施行令第46条に定める壁量の算定を行います。2000年の法改正で性能規定が盛り込まれ、耐力壁の配置バランスの規定が数値化されて、それまでの『釣合い良く』という語から、偏心率が0.3以下というものに変更されました。ただ、法改正後も木造では間取りを1/4ずつに区切って配置計算を行える、仕様規定的簡易計算が大多数を占めているのが実情です。偏心率計算を行った方がより間取りの自由度が大きいので、お勧めです。(ただし構造計算費用分、コストアップしますけど)

2.3.1で地震力、2.3.2で風圧力の算定をそれぞれ行い、耐力壁量が法令以上であるかを提示します。ここでは地震力で1階X方向が法令の1.29倍、Y方向が同1.31倍、風圧力で1階X方向が同2.28倍、Y方向が同2.51倍の耐力壁量を設計しています。品確法を考慮した場合、出来れば地震力で1.5倍以上は欲しいところです。

私は伝統構法の構造計算が行える限界耐力計算法による計算方法を知りませんが、伝統構法では間違いなく構造接合部(木組み)を評価するのでしょうから、伝統構法+耐力壁の組み合わせが木造では最も高性能な耐震性能が得られる構法といえるのではないでしょうか。

つづく


文化学院

2006年03月09日 | 日記・エッセイ・コラム

私の母校、東京・御茶ノ水にある文化学院が建て替えられることになりました。 このような学校でした

じーん。感慨無量ですね。ここで、本当に多くのものを学びました。あのアーチはやはり新しい校舎になってもそっくりそのまま保存・移築して欲しいですね。新校舎は故・坂倉順三氏設立の坂倉建築研究所だそうですが、校風を反映するような校舎になるといいなぁ…

私は、文化学院に学ぶことが出来て、心から良かったなぁ~と、思っています。

さようなら、私が学んだ校舎。