心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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豊かな住まいについて⑥ 私の家の場合その2

2014年06月29日 | 日記・エッセイ・コラム

『私が現在住む家について』で恐縮です。

身の丈に合った地域コミュニティの存在。
私は住まいの豊かさ・暮らしの豊かさを実感しているのですが、その理由の1つがそれ。

団地のこども会。私達家族は入会しています。
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様々なイベントが催され、団地に住む子供連れ家族のコミュニティが図られています。ちなみに、このポスターは妻の手作り。妻も積極的に参画していますし、子供達はこども会が大好き。

6月29日(日) そのこども会で、団地内に七夕飾りを制作・設置しました。
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父親としては日曜日で身体を休めたいところなのだけれど(+o+)、参加する事がとても大切。
妻からはプレッシャーが(^_^;)

竹は近所で伐採、お飾りは数日前から各家庭で制作してきたものを取り付けています。
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短冊には「やさいがたべられますように」って書いたんだって(^-^)

世代を超えてコミュニティを考えてくださる方達がいらして、 世話役を努めてくれています。
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狭山台団地には『ほんきっこ』の会も同様に運営してくださる方達もいてくれます。
親として、本当にありがたく、子供達も大好きで、お世話になっています。

通称『マル公園』入口に七夕飾りを設置しました。子供達の作品展示
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我が家に限らず、3街区に住む子供達の毎日の遊び場所。年配の方達からも『子供達の元気な声が聞けて幸せ』『子供達の声が聞けない日は寂しい』と言っていただける、コミュニティ広場。

お昼は、ケヤキの木陰で、皆でおにぎりを頬ばりました。
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子供達にとってはピクニックみたいで、家の中での食事よりもペロリとたいらげていました。
親も子供を介して、会話も自然と盛り上がるんですよね。

楽しい七夕飾りの制作・取り付けでした。


私の住む団地には、決して背伸びをしない普段着通りの身の丈に合った地域コミュニティがあり、困った時には応援してくれる家族付き合いの出来る母親友達がいることが、何より子を持つ親にとって、ありがたい存在です。


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大人が住まいを考えるにあたっては、建築基準法でいうところの『単体規定』、つまり個別の住宅の質や性能ばかりに目が行きがちです。

しかしながら、家族の住まいに豊かさを求めるのであれば、実は住宅設計者(集合住宅ではなかったとしても)が最も忘れてはならない重要な要素の1つとして、コミュニティがあると私は考えます。

家族にとって住まいとは、新しいから豊かであるとか、高性能だから豊かであるとか、省エネ・創エネだから豊かである、という事ではないはずです。

そこに暮らす家族やその地域に暮らす人々皆が、生き生きと楽しく陽気に暮らせる環境であり、ステージであることが重要なのだと、私は考えます。

その為には、住宅設計者は単体規定での高品質・高性能のみを追求するのではなくて、地域に開かれたコミュニティに参画・参加しやすい設計を、理念として持ち、造形に反映させなければいけないと思うのです。

目を覆いたくなる様な子供の不幸な事件の数々は、社会問題の一環として住宅や街づくりも何かどこかが間違っている事を如実に示している様に私には思えるのです。

縁側や土間が存在したかつての住まいやコミュニティが教えてくれるものは、少なくないのではないでしょうか。

例えば、『ばったり床几(しょうぎ)』(Google画像検索より)って、ご存じですか?