さて、つれづれなるままに…、久しぶりに木組みのことなどを。
タイトルを漢字にすると『渡り腮』または『渡腮』となります。主に横架材(床梁や小屋梁、根太)の部材相互を組む場合に、比較的多く用いる技法です。要は、”あご”という凸凹を意図的に木組みすることで、せん断力や曲げモーメント、更には水平剛性といった構造の特性を向上させる訳ですね。
つまりは、単純梁ではなくて連続梁に架構しちゃいましょう!ということ。一級建築士の方であれば、全員この違いが理解出来てるはずですよね!? 水平剛性だって、向上しちゃうんですよ(^‐^)凸 【木造軸組み工法住宅の許容応力度設計】ぐらい、出来る出来ないはともかく、目(◎_◎)ぐらい、通してますよね!?
耐震偽装問題で、一級建築士全員の再試験が検討されていたのが結局ボツになって、”ペーパー一級建築士”の肩書きにしがみついている方達は、ホッと安堵で胸を撫で下ろしているのでしょうねぇ。
私は”再試験すべき派”だった訳でして、そんなに難しい試験じゃないでしょう、一級建築士試験って。化粧の振れ隅木・垂木・転び母屋・隅木に差さる斜め胴付き束を実際にドンピシャ正確に造る方が、はるかに難しい気がするんですけど…
ということで、画像がないと素人の方はちんぷんかんぷんなので。
渡り腮はダボを併用するのが原則です。ただし、画像では、理解し易いように完全基本形で模型を製作しています。凸凹である”あご”が、部材相互にそれぞれ”渡って”いるから、『渡り腮』というわけです。
こんなに簡単な形状なんですけど、全自動プレカットでは出来ない木組みなんですよ。
つづく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます