今日のネタは写真も多く、けっこう長いから覚悟しな~!!
っというわけで、本日のお題は『ナイフを作る為の道具を作る』 です
どんな物かというと平面の研削、研磨を行うための道具
いつもお世話になっている鈴木刃物製作所さんのブログで公開されている通称エンバンですな
まあ、エンバンに関する詳しい内容は、鈴木さんの記事をよ~く読んでみてくださいな
では、材料となる8~10mm程度のアルミ板を仕入れましょう
今回、ワタシが使ったのはA2017(ジュラルミン)の8mm板で、サイズは250mmX250mm
この板を加工してドーナツみたいな形状にするです
っで、その中心穴は直径16mm程度に明ける必要があるのですが、残念ながらちょうど良いサイズの刃物を持ってない・・・
まあ、 16mmのドリルを買えば済む話しですが、ドリルも12mmぐらいから上はけっこう高いですし、今回しか使わないのにもったいない
『じゃあ、どうすんだよ!!』という声が聞こえてきそうですが、『ナイフを作る為の道具を作る為の道具』を作るわけですな~
↓こんな物を作ります
ホロセットネジ(イモネジ)以外は仕事場にあったガラクタ再利用
写真左側の丸棒には横穴を開けてM3のネジが立ててあります
さらにネジ穴と直角に3.5mmの穴も開いてる
写真右側の小さい棒は、3.5mmぐらいの穴を開けたドリルのシャンク部分を切り、それを刃物の形状に削った物です
ワタシの場合は使い終わった超硬ドリルで作りましたが、別に普通のハイスドリルでも問題ないです
そして組み立てると↓こんな具合に
これをボール盤に取り付けてグルグル回せば、好きな大きさの穴が開けられるのだよ~♪
しかし、刃物の付き出し量をちゃんと調整してやる必要があります
写真のように定盤の上にコロコロと乗せ、ハイトゲージをセット
定盤の面でゼロセットし、開けたい穴の半径(今回は16mmの半分で8mm)+丸棒の半径(丸棒は直径8mmなので半分は4mm)=12mmにセットします
っで、刃先をハイトゲージに合わせたらホロセットネジをしめて刃物をしっかり固定
これで準備完了~♪
四角い板に対角線を引き交点にポンチを打ちます
それを中心として、コンパス等を使い直径230mmの円を書いておくです
そしてポンチを案内に4mm程度穴あけ、続いて15mmのホールソーで穴あけ
ホールソーで開けた穴の中心が動いちゃうと、いろいろ面倒くさいのでクランプ等でしっかり押さえて作業しましょ~
さて、いよいよさっき作った道具の出番!!
こんな具合にホールソーの穴を拡大します
15mmの下穴に対して最終寸法16mmに拡大するわけですから、片肉0.5mmの切削
この刃物はそれほどちゃんと作ってないので、あまり無理が利きません
だから様子を見ながら慎重に
めでたく16mmの穴になったら、コンパスで書いた円にそってバンドソーで丸く切り、バーキングに取り付けます
用途としては外径と穴の同心精度はどうでも良いんですが、あまりガタガタしてると気分が悪いのできれいにしてやるです
その方法はワークレストを刃物台に見立て、バイトをフリーハンドで動かし旋盤の要領で外周を削るのだ~!!
↑こんな感じ
ワークレストを調整してバイトの刃先がバーキングの回転軸中心より、ほんのわずか下にくるようにします
旋盤で言うところの芯高調整ですな
この調整はけっこう重要で、 刃先の位置が高すぎると切れないし、低すぎると刃物が切削物に食いつき巻き込まれるのでチョー怖いです・・・
あまり欲張らず、手ごたえや音に注意しなくてはなりませぬ!!
調整その他が上手くいってると『シュ~』って感じの音がして、気持ち良く削れるです(逆の場合はガリガリいって、なかなか削れん・・・)
一緒に面取りなんかもやってきれいに仕上げましょ~
ほ~ら、この通り
指が映りこむぐらいきれいに削れました~♪
しかし本来の使い方じゃない上に、見た目よりかなり危険な作業なんで、まるっきりの素人さんにはお勧めできません・・・
それなりの知識とか経験がないと難しいかもしれません
そして作業は自己の責任において行ってください
っで、保護フィルムを剥がせば完成~♪
使い方とかは鈴木さんのブログを見てもらうとして、さっそく使ってみた!!
ハンドル材の接着面を削ってみたけど、そりゃ~も~ 今までとは別次元の美しい面に!!!
2枚をくっつけて明かりに透かしても光が漏れてこないのだよ~
なんて素晴らしいアイテムなんだ『エンバン』!!
っというわけで、このような素晴らしいアイデアを公開してくれてる鈴木さんには感謝ですな~
そして、このエンバンを『自分で作れないけど、ど~しても欲しい!!』というアナタ
とりあえずコメントください・・・