アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

十団子も 小粒になりぬ 秋の風

2014年12月12日 | 読書
 十団子(とをだご)も 小粒になりぬ 秋の風

 たしか高校の教科書に載っていて、物価や税が上がるとは思い出す句で、芭蕉の作だと思っていたのだが、調べて見ると許六(きょりく)の句であった。自民党はもちろん民主党も、そして連合までが消費税10%に賛成している。連合は総評を解体して、資本の飼い犬として生まれ、それでも労働者の味方面をしてきたが、もはや下層労働者を切り捨てる側に明確に立った。

 このような変節は過去には幾つもある。1936年全日本労働同盟が結成され、翌年日中戦争勃発後には戦争を支持し、ストライキ絶滅を宣言した。この時鶴彬は「労働ボス吼えてファッショ拍手する」と詠んで抗議した。

 「新興川柳は餓死や淫売婦を詠むだけでなく、愛国の沸ぎる作品を示せ。…日本人的な詩人たちが軍歌を献納し川柳家が皇軍慰問川柳会を開くことは当然である」と告発・密告され、鶴彬は治安維持法違反で検挙された。鶴彬はそのまま獄中の人となり、1938年獄中死を強いられた。


 『去来抄』によると、芭蕉(ばしよう)は、許六(きよりく)の「十団子(とをだご)も 小粒になりぬ 秋の風」(『韻塞』)〈秋風が吹き、街道も人影まばらな時節になった。この宇津(うつ)の山の名物の十団子も心なしか小粒になったように見える。〉の句に「しをり」があるとしている。
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