ADONISの手記

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なぜなにトリッパー第三回 トリッパーと監察軍

2015年11月15日 22時53分27秒 | 小説

 シドゥリ「なぜなにトリッパー第三回は、トリッパーや監察軍について説明しますよ~」

 シリウス「今回もノリがいいな(ボソ)」

 シドゥリ「(無視)さあ、手始めにこれです」

 

■問一『三千世界って何?』

 シリウス「監察軍やブリタニア帝国では数多の下位世界とその並行世界群を一般的にそう呼称している。元々は仏教用語の三千大千世界(さんぜんだいせんせかい)の省略で、1000の三乗つまり10億個の世界を意味しているが、数多の世界とその並行世界を網羅している監察軍にとって世界とはまさに無限にあるから10億個では足りないけど、他に適当な名前もないのでそう呼んでいるよ」

 シドゥリ「露骨に下位世界とかいえないから、隠語として三千世界という呼び名が必要となったんだよね」

 シリウス「そういうことだ」

 

■問二『何でトリッパー以外には下位世界の真実を教えないの?』

 シドゥリ「いや、これはバレたら色々と問題有りなのですよ。例えば『魔法少女リリカルなのは』のプレシア・テスタロッサ。彼女はある意味被害者なんだよね」

 シリウス「確かに娘が死んだり、実験失敗の責任を押しつけられたりしていたね。おまけにプロジェクトFで失敗している」

 シドゥリ「でもこの悲劇は実はそうなるように物語として具現化してしまったから何だよね。つまり上位世界人がそんな悲劇の物語を作りだして、それを忠実に具現化したから起きたことだし」

 シリウス「……哀れだな」

 シドゥリ「そうだね」

 シリウス「バレたらブチ切れそうだな」

 シドゥリ「……(汗)」

 

■問三『なんで死神はトリッパーを誕生させたの?』

 シドゥリ「これは下位世界の不安定さが原因です。下位世界は上位世界人の異世界創造能力で作られた作り物の世界ですが、世界が創造された時にその反作用が生まれます。これはドラゴンボールのマイナスエネルギーと同じ様な物です」

 シリウス「その反作用が蓄積されるとそれが発現する。確か死神達は“破壊神ベヅァー”と呼んでいたな」

 シドゥリ「ベヅァーは創造の反作用つまり破壊に特化した存在だよね。以前出現したときは当時存在していた下位世界の大半をその並行世界ごと消滅させたらしいわ」

 シリウス「まさに破壊神だな」

 シドゥリ「そうだね。それで、その時消滅した世界の中でも比較的知名度があった世界は、上位世界人の異世界創造能力が働いて同じ世界が再度創世されたけど、知名度が低いというか当時既に忘れ去られていた物語の世界とかは再構成されることはなかったわ」

 シリウス「そこで死神はベヅァーが現れるたびに下位世界が破壊される現状を何とかしようと解決策を模索して、一つの方法を発見した」

 シドゥリ「それがトリッパー。つまり上位世界人の魂を持った人間を下位世界に転生もしくは憑依した者だ。上位世界人の魂を持つ者が下位世界にいてその世界を認識するという事によって反作用を中和できる事が分かったわ」

 シリウス「だから死神達は予定外の死者を積極的に下位世界に転生か憑依させることにした。とはいえトリッパーは全員予定外の死者かと言えばそうでもない。そもそも予定外の死者などそうそうでないからな。トリッパーの数が不足していたから、この世に未練がある者や自殺者などもトリップさせたりして人数合わせをしている。まぁ自殺者には自分の命を捨てた罰で、何の説明も特典も無しに死神の都合でトリップさせるという事が多いな」

 シドゥリ「そこまでして何とか定員を満たしている訳ね。というか予は自殺者じゃないのにトリップするとき何の説明も受けていないけど?」

 シリウス「それは君を担当した死神が、説明抜きでやらせたらどういう行動をするか面白がっていたからじゃないのか? でも君はちゃんと特典は貰っているだろう?」

 シドゥリ「……確かにそういう所があったわね。ベルカの聖王女に転生したし、魔力も馬鹿みたいに強かった上に、石仮面まで何故か入手できたもの。予が石仮面を解析できたのも死神の仕掛けがあったんでしょうね。そうでなかったら無理だし」

 

■問四『転生型のトリッパーにしか特典がついていないのは何故?』

 シドゥリ「これは能力や才能という物は死神が受精卵の段階でしか与えることができないからよ。だから憑依型の場合はお金とか便利な道具などは可能でも、才能や能力は入手できないわ」

 シリウス「だが憑依型は初めからやらなくて良いという利点があるな。転生だと赤ん坊からやらねばならないから精神的に痛い」

 シドゥリ「……改めて言わないでよ。今でも恥ずかしいわ。オムツをかえてもらったり母乳を飲んだり、今では黒歴史ね」

 

■問五『そもそも監察軍って何?』

 シドゥリ「ああこれは下位世界にいるトリッパー達が効率よく沢山の下位世界を認識できるようにそれぞれの下位世界を自由に干渉できるようにする組織よ」

 シリウス「元々は死神が考えたシステムを改良したらしいな」

 シドゥリ「そうよ。ブリタニア帝国で実施するに当たって色々と改良の余地があったしね。予がそれをしたのは、当時トリッパー組織を設立できるのは予しかいなかったとという訳ね」

 シリウス「確かに技術力、国力、権力等がずば抜けているな」

 シドゥリ「他のトリッパーもファンタジー世界で王侯貴族になっている者もいたけど、その程度じゃ到底実行できなかったわ」

 シリウス「これのおかげでトリッパー達が数多の下位世界を認識する効率がよくなった。今の数少ないトリッパーで何とか反作用を中和できているのも監察軍の成果のおかけだよ」

 

■問六『監察軍を帝国が直接管理しないのは何故?』

 シドゥリ「下位世界に干渉又は監察する組織は、その特性上トリッパーが実権を握っていないといけないわ。でも予はブリタニア帝国の皇帝としての公務があるのでそこまで手が回らないわ」

 シリウス「そこで私が監察軍の総司令官になったわけだが、当時はシドゥリの支持があったとはいえ風当たりが強かったな」

 シドゥリ「ブリタニア人ではなく得体の知れない余所の世界の者達が、数多の下位世界に干渉できるトンデモ組織を動かしているのを面白く思わない人は多かったからね」

 シリウス「確かにな。結局ブリタニア人のトリッパーは一人も現れなかったからな。彼等から見れば異世界の人間にばかり特権を与えて優遇する組織と見られても仕方ない」

 シドゥリ「まぁそんな監察軍はブリタニア帝国の国家予算で運営されているわ」

 シリウス「おかげに資金調達には困らないが、入手した情報、知識、技術などはスポンサーの帝国に提供する義務がある」

 シドゥリ「それぐらい当然だよ。金は出せ。だが情報や技術は機密だから渡さないなんて言ったら誰も納得しないわ」

 

■問七『監察軍の人間はシドゥリ教徒ですか?』

 シドゥリ「実は監察軍はブリタニアの辺境星系にある特別地区に本部があるわ。それでその星系はブリタニア帝国領から外されているわ。つまりフリーゾーンということだね。だから宗教的には別に規制はないから無宗教や他宗教の者もいるわ」

 シリウス「まぁ他のトリッパーとかその他の異世界出身者にシドゥリを無条件で崇めろというのは無理があるからね。その辺りはフリーゾーンを用意するしかなかったんだよ。しかしそのフリーゾーンは辺境だけあって移民に適した惑星も貴重な資源もないまさに価値に極めて低い星系だが、広さだけは十分あるので研究開発用のコロニー群をそろえているんだよ。イメージとしては『機動戦士ガンダムSEED』のプラントみたいな感じだね」

 シドゥリ「あまりにも条件のいい場所をあげると不満が出るじゃない。だからそれぐらいが丁度いいのよ」

 シリウス「確かに余計な風当たりは避けるべきだね」

 

■問八『監察軍には何か規制とかあるんですか?』

 シドゥリ「あるわね。大量破壊兵器の保有禁止、戦艦及び正規空母の保有禁止などね」

 シリウス「そうだね。実際監察軍の艦艇は戦艦ではなくて巡洋艦ばかりだよ。この辺りは時空管理局と似ているけどアルカンシェルのような物騒な兵装は保有していないよ。でもうちの連中はそんなものは玩具扱いで、生身で銀河を軽く破壊できるような規格外がいるから規制も気休めにしかならないけどね」

 シドゥリ「でもポーズでもいいからそうしておかないと貴族や軍部が不満を持つわ。私達の世界ブリタニアに強力な兵器を持つ他組織が存在すると不安がるから」

 シリウス「下位世界の調査だけなら巡洋艦で十分だし、武力行使が必要な時でも武装隊でなんとかなっている。いざとなればブリタニア帝国軍に協力を要請できるしね」

 シドゥリ「帝国軍に対する要請は滅多にないけど必要ならば協力するというシステムになっているわ」

 

■問九『監察軍ってどんな所?』
 
 シドゥリ「監察軍は予が『機動戦士ガンダムSEED』のネタに走ったのでプラントのパクリがチラホラとありますね」

 シリウス「スペースコロニー群で構成されていて、コロニー1基を1区、10区を1市としており、プラント全体で12市ある。そのコロニーの総数は100基近くある」

 シドゥリ「巨大な研究施設だね。ここでは下位世界で蒐集した情報・知識・技術を専門に扱っていて、ここでまとめられた情報や技術がブリタニア本国にバックアップされるわけだから監察軍はブリタニア帝国本国に先駆けて下位世界の情報や技術に触れることが出来るわ」

 シリウス「まさに最先端の研究施設という物だ。それだけに防諜にも注意が必要だけどね」

 シドゥリ「ああ、テロリストとか犯罪者とかが狙うことがたまにあるわ。共和主義者とか反シドゥリ教の集団なんかもあるけどそう言った連中って邪魔だから思想犯としてラボ(人体実験の施設)送りにしているわ」

 シリウス「えげつないな」

 シドゥリ「それだけ邪魔だもの。信仰の自由や民主主義を求めるからブリタニア帝国じゃ彼等は認められないわ」

 

■問十『監察軍の制服は?』

 シドゥリ「ここにもSEEDネタがあって、監察軍に所属するトリッパーは赤い制服を着るんだよ。ここからトリッパーは赤服とか言われる事もある」

 シリウス「それ以外の一般兵は主に緑の制服で、他にも監察軍には医者や科学者達がいるが、彼等は制服ではなく白衣を着ている」

 シドゥリ「監察軍は軍とよんでいるけど実際は民兵組織みたいな感じなので階級はなくて役職によって仕事をしている」

 シリウス「後、トリッパーとそれ以外では制服の色が違うのは見分けやすくするためだ。流石にトリッパー全員の顔を覚えきる事はできないからな。だから原作に抵触するような話題は赤服だけが集まって話しているし、聞かれないように注意している」

 

■問十一『トリッパーに制約とかあるの?』

 シドゥリ「ありますよ。トリッパーの魂に対する干渉やその魂を加工する事はできません。だから型月世界の第三魔法・魂の物質化は効かないんです。トリッパーの魂は特別製なので下位世界の者は勿論同じトリッパーでさえトリッパーを殺す事はできても、その魂には一切干渉できないわ」

 シリウス「あと他者との合体・融合も不可能だ。具体的には【ドラゴンボール】のボタラによる合体や、フュージョンもできない。あの世界ではそれなりに痛い短所だな」

 シドゥリ「それにトリッパーは死亡したら私達では生き返らせることはできないよ。下位世界の住民は覚醒者の反魂の術とか、【ドラゴンクエスト】の魔法とか、ドラゴンボールで生き返ることができるけど、トリッパーだけは無理。例外として死神だけは死亡したトリッパーを再度転生憑依させる事ができる」

 

■問十二『監察軍は下位世界にどう対応しているの?』

 シドゥリ「基本的にはその世界にトリッパーがいれば、可能な限り組織の存在を表沙汰にしないようにしながらそのトリッパーを支援するというスタンスで、情報収集を優先しているから武力行使は滅多にしないわね」

 シリウス「というか軍事行動を盛んに起こせるほど戦力が充実しているわけではないからな。監察軍の艦船は巡洋艦であって空母でも戦艦でもないからそこまで戦闘向きではない、というかそんな物を配備していたら予算を馬鹿食いしてしまうよ」

 シドゥリ「時空管理局みたいに下位世界の治安維持までしていたら人も金もいくらあってもたりないからね。異世界への干渉は調査がメインだから巡洋艦で十分です」

 


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