ADONISの手記

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15.空戦

2016年06月30日 20時39分28秒 | 小説

 ASTの魔術師は、ハイレグな格好で妙にメカメカしい、自衛官というよりもエロ戦闘員みたいな女性たちである。そのASTとの戦いで、彼女たちは空中で銃やミサイルなどを打ち込んできた。私をそれを避けるか防ぐかしつつ天使の槍で敵を仕留めていた。

 空戦、つまり空中での戦闘は陸戦とは勝手が違う。そもそも人間は地面を足で立った状態で活動するものだ。それは戦闘でも変わりなく、そうなると陸戦では正面だけでなく360°注意しながら戦うものであるが、上と下が死角となっている。

 それは地上戦ではさほど問題にならないが人が空を飛びながら戦う空戦の場合は、上や下から敵が襲い掛かることもある為、360°どころか全天周囲の敵味方の位置関係を把握しておかないといけない。

 そこで重要となるのが空間認識能力である。どこに何があるのか瞬時に把握する能力であるが、それがないと空戦に支障が来すのだ。とはいえ、精霊になった為にその手の能力もある程度は得ており、後は経験を積んでそれを磨き上げればいいだろう。

 

 霊結晶をとりこんで精霊となった私は天使である特殊な槍や霊装という強力な鎧(といっても気鋼闘衣には及ばない)を手に入れていたが、それ以上に自由自在に空を飛べるようになったのが大きかった。

 これまで私は様々な世界で戦ってきたが、それは何れも地上つまり陸戦ばかりだったのだ。空中戦をやるような世界じゃなかったからそれも当然です。勿論、気が使えるので【ドラゴンボール】の舞空術を習得すれば空を飛べるのでしょうが、その必要はなかった。

 しかし、この世界では精霊となった私と敵対しているASTやDEMなどの魔術師たちが空戦を得意としている以上、空戦の必要性が高まっていた。また、これまで必要なかったとはいえ将来的に空戦技能が必要な世界に行くことがあるかもしれないし、そうでなくても空戦ができるのは何かと便利だろう。

 それらの事を考えればASTやDEMの魔術師は空戦の実戦経験を積むのにちょうどいい相手だろう。何しろ、精霊の反応を隠蔽せずに出しているだけで向こうから戦いを仕掛けてくれるのだ。これほど都合のいい敵はいない。

 そこで私は普段は宇宙空間に待機させている監察軍の巡洋艦ですごし、戦闘時には必要な時は霊力を開放してASTを含めた各国の魔術師たちと戦う日々を過ごしていた。

 ちなみに私はより経験値を得るために、私自身だけでなく影分身を各国に送り込んで戦闘させることもあった。この影分身は素の身体能力は同じであるが、霊力、気、魔力などの力は本体と影分身で分割されてしまう。

 つまり、影分身を99体作ると私自身の霊力と気が百分の一になってしまい、影分身を多く作ればそれだけ私と影分身の個々の力は弱まってしまうのだ。そう聞けばリスクが高いように思われがちであるが、実際はそうではない。

 影分身は分身が消えてしまうと分身に分割されている気と霊力が消費(勿論、時間経過とともに自然に回復する)されるが、自分の意思で分身を解いた時には使用されなかった気と霊力が本体に戻る為、狂三のようにリスクを負うことなく分身の使い捨てが容易にできるのだ。

 そして、分身が消えた際にその経験が本体に還元されるという効果から、筋肉トレーニングには使えないが、勉学や戦闘などの経験を効率的に積むことができる。

 何より大きいのが、私の戦闘能力が強大なのである程度弱体化しても問題にならないことだ。

 通常の精霊の場合は霊力が百分の一になったら極めて不味いでしょうが、私の場合はこれまでの積み重ねにより一般的な精霊よりも桁違いの霊力を有しているし、そこに気や素で超人的な身体能力が加わるのだ。そうなると一般的な魔術師にやられることはない。

 とはいえ、DEMのエレンや時崎狂三のような危険人物もいるので、影分身を使用して弱体化している時は表に出ず、巡洋艦に待機した状態で影分身を送り込むという安全策を取っていた。逆を言えば影分身をすべて回収して万全の状態のときは私自身が派手に暴れていますよ。

 余談であるが、姫百合零菜の影分身を使用した一連の消耗戦は各国の対精霊予算を思いっきり跳ね上げることとなる。その負担増に耐えかねて精霊討伐に消極的になる国が出てくるほどであった。やっぱり軍隊だろうが、予算が物をいうから予算を圧迫されると堪らないよね。


14.霊結晶

2016年06月30日 18時34分00秒 | 小説

【機動戦士ガンダムSEED】の世界から引き上げたレイナ・ヒメユリは【デート・ア・ライブ】の世界に転移していた。

 この世界での目的は精霊になり、その強大な戦闘能力を得ることだ。勿論、霊結晶(セフィラ)がなければ人間が精霊になることはできませんが、私は監察軍からそれを調達していた。早速、アイテムボックスから青い輝きを放つ宝石のような霊結晶を取り出した。

 私はそれに手を伸ばして、その霊結晶に触れた。すると霊結晶は凄まじい輝きを放って私の胸に吸い込まれていった。次の瞬間、私は異様な感覚を苛まれながら精霊へと変質していった。

「これが精霊。すごい力だわ」

 気がつけばレイナは白で統一された半袖シャツ、ミニスカート、ニーソックスの上に青を主体とした軽装鎧を身に纏っていた。それはまるでファンタジー小説の姫騎士を彷彿とさせる姿であったが、これはただの鎧ではない。神威霊装・零番(アイン)、私が精霊になった事で得た霊装である。

「殲滅者(ウリエル)」

 私の意志に応じて青い槍が具現化した。この槍こそが天使であった。精霊となった零菜は天使などの精霊の力の使い方が手に取るように分かる。原作にもそれらしい話があったことから恐らく精霊になった時に自動的に力の使い方を習得できるのだろう。

 しかし、霊力の扱いでは【GS美神 極楽大作戦!!】の世界や【幽☆遊☆白書】の世界で散々修練してきただけあって、この強力な霊力を他の精霊よりも精密に制御できて、その気になれば士道に霊力を封印されなくても精霊の反応を抑えこともできる筈だ。

 それと、この世界の精霊になったからにはレイナ・ヒメユリではなく姫百合零菜と名乗ることにしましょう。その方が世界観にあっているからね。

 ちなみに現在の零菜の姿は外見や格好などが【創刻のアテリアル】のメヒーシャにそっくりです。といっても天使の羽と輪はないけどね。まあ、それがあると接近戦では邪魔なのでない方がいいでしょう。

 

「来たか…」

 そんな零菜は上空から複数の人間が接近しているのを感知した。恐らく陸自のAST(Anti Spirit Team=対精霊部隊)であろう。精霊になる際に膨大な霊力が観測されるから私という精霊の存在をASTに気付かれるのは当然のことだ。

 本来ならば、無駄な戦いはするべきではないだろうが、相手は任務として出動した軍人なので戦いは避けられない。案の定、彼女たちがミサイル打ち込んできたために、零菜は自らの天使である殲滅者(ウリエル)を使って自己の周囲に重力障壁(グラビティ・ウォール)を展開してミサイルを防いだ。

「いいでしょう。能力の馴らしに丁度いいわ」

 どうせ戦いは避けられないならば、彼女たちには新たな能力を試す実験体になってもらう。そう考えを切り替えた零菜は好戦的な笑みを浮かべて、試しにASTの重力を百倍にしたら彼女たちは地面に墜落してそのまま全滅してしまった。

 AST弱すぎ。実戦テストにもならないじゃないか。まあ、力を入れ過ぎて手加減しなかったから無理もないけど、これじゃ不完全燃焼だよ。はあ、まあいいや。とりあえずこの場から退散するとしましょう。

 ちなみに、わざわざこの世界に転移してから精霊になったのは【デート・ア・ライブ】の世界の霊結晶を人間が取り込めば精霊になるという世界観を利用する為です。別に他の世界で取り込んでも問題ないと思うが念には念を入れてこの世界に来てから実行したわけです。

 

ASTside

 ASTでは新たに現れた精霊の存在に大慌てだった。その精霊は未確認で初出現であったために当初は楽な任務だと思われていた。というのも初出現の精霊は攻撃をしかけてくるASTに困惑してまともに戦わないことが多かったのだ。ASTにとって精霊が脅威となるのは、精霊がASTを敵と認識にして積極的に攻撃を仕掛けてきてくる二回目以降からだ。

 しかし、その精霊はASTのミサイル攻撃を重力障壁で防いだ直後に攻撃に移った。それは重力操作によってASTの重力を百倍にするというものだった。いくら顕現装置で超人となっていたASTでもそんな重力に対応できるわけもなく、地面に叩き落とされてそのまま圧死して全滅した。

 こうしてASTが敗退したわけであるが、初出現でありながらも躊躇いもなくASTを瞬殺した精霊の容赦のなさと問答無用さに彼女たちが脅威に思うのは当然で、ASTはこの精霊にグラビトンというコードネームを付けて要注意するようになる。

 

解説

■霊結晶(セフィラ)
 精霊の力の源。これを取り込む事でただの人間が精霊になる事ができる。この話で出てくる霊結晶は『剣と少女と世界の旅人』で姫神みこがチート能力を使って試しに作り出したオリジナルの霊結晶です。みこにとって霊結晶は無用の品であった為に監察軍に回していて、そのまま使われることもなく監察軍本部の倉庫に保管されていたが、監察軍と接触してそれを知ったレイナが監察軍から提供してもらっていた。

■神威霊装・零番(アイン)
 精霊の鎧にして領域。ちなみに零菜という名前はこの零番に合わせたものである。

■殲滅者(ウリエル)
 重力を操る力をもつ天使。通常は短槍の形をしているが長さを自在に変えて長槍になるだけでなく、周囲の重力を操作して敵の重力を数倍から数百倍にもして圧殺することが可能。更に自己の周囲に重力障壁(グラビティ・ウォール)を展開して攻撃を防ぐなど攻防ともに優れた能力を持つ。

■グラビトン
 重力子の事。素粒子物理学における四つの力のうちの重力相互作用を伝達する役目を担わせるために導入される仮説上の素粒子で、零菜が重力を操る天使を使う事からこれがコードネームになった。


13.機動戦士ガンダムSEED

2016年06月30日 18時32分10秒 | 小説

【幽☆遊☆白書】の世界で生涯を終えた私は、【機動戦士ガンダムSEED】の世界に転生していた。

 今回の名前はレイナ・ヒメユリです。腰のあたりまで伸ばした青い髪に碧眼、その容貌は見ているだけで目が痛くなるほどの人間離れした美貌の美少女。と、ここまで書けば分かると思いますが、今回の私はコーディネイターです。私の両親の美的感覚はかなりのものだったらしく、遺伝子操作の結果人間離れした絶世の美少女になりました。

 しかし、私の両親は美的感覚には優れていても人の親としてはどうかと思うんですよ。何しろ本来ならば私の瞳は翡翠色になるようにコーディネイトされていたそうですが、実際には碧眼になった事で「目の色が違うわ!」とブチ切れて私を捨てた問題人物ですからね。

 まあ、コーディネイターといっても不安定な母体で育つ為に完全に設計通りに造れない。この問題の解決の為にヒビキ博士が人工子宮を用いたスーパーコーディネイターを製造しようとするわけですが、それは余談ですね。

 それはともかく、この理由でコーディネイターの赤ん坊が捨てられるのは、この世界ではわりと良くある話で、私もその一人にすぎません。

 改めて考えてみると本当にろくでもない親だと思う。普通の子供だったらグレていますが、私にとってはむしろ好都合です。これまで転生していたGS世界や犬夜叉世界などでは家族がいた為に彼らとの関係にかなり気を遣う羽目になりましたが、この世界ではそんな事は不要なのである意味気楽でいい。特に六道冥子のような身内がいたら迷惑です。

 ちなみに私の苗字はヒメユリではなかったけど、ある程度成長したら改名しました。さすがに私を捨てた親の苗字を名乗る気になれなかった為に、私の本来の名前である姫百合零菜からこの世界に合わせてレイナ・ヒメユリにした。

 さて、これまでの頻繁に転生を繰り返して色々なスキルを身に付けてきた訳ですが、今回は優れたスペックを誇るコーディネイターの身体を手に入れる事にしました。

 実際この肉体はすごい。容姿、知能、運動能力、免疫力、その他の才能がずば抜けているし、当然ながらグルメ細胞も持ち越しているから念やスタンド、霊力などの底上げがなくてもかなりの能力があるよ。というかグルメ細胞+コーディネイターって、自力が半端ではないよね(笑)。

 そういえば、この世界では色々ありましたね。孤児院時代にはコーディネイターにフルボッコにされていたナチュラルのムルタ少年に出会ったときには彼のひん曲がった性根を叩きのめすべく念能力や格闘技を叩き込んで鍛えてやりました。その所為か風の噂ではムルタは武闘派として名が知れ渡っているらしいですね。

 また、ブルーコスモスのテロリスト連中が小銃などのちゃちな玩具で私に攻撃した時は素手で彼らをぶちのめしてやりました。まったく、私に小銃なんか効くワケないでしょう。スタンド能力を使わなくても念で防げますよ。大体他人を妬んだ挙句に卑怯なテロを仕掛けるとは見下げ果てた奴らです。どうせなら決闘状を叩きつけて正々堂々と挑んでくるべきでしょう。

 そんなこんなで幾度となくブルーコスモスのテロリストを返り討ちにしていると、何故か大西洋連邦の軍隊が私に襲い掛かって来ました。でもね。テロリストから軍隊にクラスチェンジしても私の相手にならないのよ。やめてよね。私が本気になったら勝てるわけないだろ!

 案の定、生身で一個連隊を撃破したわけです。とはいえ、私がここまで圧勝できたのは相性が良かったのもあります。所詮この世界の兵器は物理攻撃にすぎないから物質を透過するスタンド能力で完全に無効化できるんです。

 これがスタンド使いとの戦いや、悪霊などの霊的攻撃だとこうもいきません。特に霊的な攻撃は厄介で、それに対する守りは私の霊的防御力に依存してしまいます。

 実はGSといっても人間の霊力はそれほど高くない(むしろ動物の方が霊力が高い)ので、優れた霊力を持つ私でもその霊的防御力はあまり高くありません。おまけに悪霊相手では堅も効きが悪い。それでGS世界では不覚を取ってしまったほどですからね。

 しかし、さすがにやり過ぎだと思うので、いい加減この世界から引き上げるとしましょう。

 

ブルーコスモスside

「ジブリール、何故軍隊を動かした!」
「アズラエル、お前こそ何であんな化け物を放置するのだ!」

 ブルーコスモス本部では盟主ムルタ・アズラエルと幹部ロード・ジブリールが激しく口論をしていた。

 事のはじまりはアズラエルがブルーコスモス強硬派に大西洋連邦に住み着いていたレイナ・ヒメユリというコーディネイター女性に対して手を出すことを禁じた事だった。アズラエルはレイナの化け物じみた強さを熟知していた為に、テロなんか通用するわけがなく、下手に手を出せば余計な犠牲者が出るだけだと判断していた。

 しかし、これに反発したジブリールは強硬派を動かしてレイナを襲撃させたが尽く返り討ちにあった為に、むきになった彼は軍の部隊を動かしたが、レイナ一人に壊滅させられたという非常識極まりない事態を招いてしまったのだ。

 これにはブルーコスモスだけでなく大西洋連邦も大きな衝撃を受けた。何しろレイナは素手や刀槍で歩兵だけでなくリニアガンタンクや戦闘ヘリを撃破していたトンデモ映像が監視衛星できっちり撮影されていたのだ。

「僕は余計な犠牲が出ないようにしていただけだ。あの女の出鱈目ぶりは僕が一番よく良く知っていたからね」
「アズラエル。やはりコーディネイターは脅威なんだよ。あんなのが蔓延ってしまえば人類が危うくなるぞ」
「あの女はコーディネイターの中でもイレギュラーだと思うよ。さすがにあんな規格外が他にいるわけないだろ!」
「そのような悠長なことをいってられるか。こんな連中に好き勝手やられたら人類が危ないだろうが!」

 アズラエルはジブリールを宥めるも、レイナという実例を見たジブリールなどのブルーコスモスメンバーたちは改めてコーディネイターの脅威を認識した(勿論過大評価です)。

 

プラントside

 プラントではナチュラルのコーディネイター脅威論が異様なものになっている事に困惑していた。

「いくらコーディネイターでもたった一人で軍隊を全滅させるとかできるわけがないだろう!」
「しかし、実際にこの映像では生身のコーディネイターがたった一人で大西洋連邦軍の一個連隊を全滅させていますな」
「バカな。どうせ捏造映像だ!」
「いや、実際に大西洋連邦軍の一個連隊が全滅したらしい」

 プラント最高評議会はあまりに非常識極まりない映像に偽造を疑った。それも無理もない。ナチュラルよりも優れた新人類を自称する彼らにとってもそれが現実のものとはとても思いないほどのものだったのだ。

「大体、刀でリニアガンタンクの正面装甲を切るとか可笑しいだろ!」
「おまけに何らかの方法で攻撃ヘリを落としていますな」
「もう、遺伝子操作じゃなくてSFじゃないのか。こんなのと一緒にしないでくれよ」

 プラントのコーディネイターから言わせれば、こんな超人と一緒にされてコーディネイター脅威論を主張されたらたまった物ではなかった。確かに彼らは卓越した才能を持つ優れた新人類だと思っていたが、超能力者やミュータント扱いは困るのだ。だが、そんな彼らの思いを余所にコーディネイター脅威論は異様に高まり、後に血のバレンタインが発生してナチュラルとコーディネイターの戦争が勃発することになる。

 

解説

■コーディネイター
【機動戦士ガンダムSEED】で登場する遺伝子操作によって作り出された新人類。美しい容姿に、病気になりにくい強靭な体、優れた知能に運動神経など遺伝子操作されていない旧人類であるナチュラルを凌駕するスペックを誇る。その為、今回のレイナは自力を向上させるべくコーディネイターの肉体を依代にしている。

■ムルタ・アズラエル
 ブルーコスモスの盟主なのは原作と同じであるが、レイナの訓練(鬼のしごき)によって生身でコーディネイターと戦えるほど強くなった。その分、コーディネイターに対する劣等感からくる敵意が少なくなり、原作よりは大人しくなった。


12.幽☆遊☆白書

2016年06月30日 18時30分58秒 | 小説

 12世紀、平安時代末期の平安京。原作の800年ほど前のこの時期、人間界には妖怪の侵入を阻む霊界の結界は存在せず妖怪たちは魔界と人間界を好きに行き来していた。

 そんな妖怪たちの中でも特に問題になったのが、食人鬼などの人間を捕食する妖怪だ。彼らの多くは人間でないと腹が受け付けないという切実は問題もあり、人間と争いになっていた。

 彼らとしても人間を食べずに餓死などしたくないからわざわざ人間界に来て人間を捕食しているのだ。それだけに人間を襲うのを止めろと言っても止まるわけがない。故に人間たちは自力で妖怪たちに対抗しなければならなかった。

 そんな情勢なだけに陰陽師や退魔師などの霊能力者は800年後とは比べ物にならないほど強力で、驚くべきことにこの時期の平安京には徒党を組めばB級妖怪にも勝てるほどの霊能力者が数多くいたのだ。とはいえ、そんな彼らにしてもA級妖怪や更にその上のS級妖怪にはまるで歯が立たなかった。それはある意味仕方がない事だろう。A級妖怪ともなれば人間が対抗できる強さではないのだ。

 しかし、A級妖怪どころかS級妖怪をも単独で討伐する人間の少女が現れて、平安京ではその話題でもちきりになっていた。その彼女・山田零菜は身元不明であったが、日本人の容姿をしていたこともありわりとあっさりと受け入れられた。というかこの時代の日本は戸籍制度がしっかりしていないのでその辺りはどうとでもなった。

 

【ハイスクールD×D】の世界から引き上げた零菜は【幽☆遊☆白書】の世界に転移していた。この世界での目的は“聖光気”を会得する事だ。

 聖光気は幻海ですら会得できなかった人間にとって究極の闘気で、これを会得した仙水は「聖光気」を物質化した「気鋼闘衣」を身につけることができ、その時の強さはS級妖怪に匹敵するほどである。それなら零菜が聖光気を会得すればその力は凄まじい物になるだろう。

 零菜は様々な試行錯誤の末に霊力と気を融合させる事で聖光気の発動させる事ができた。まあ、より正確に言えば自らの霊力を気で染め上げるような感じで発動できた。

 その後、零菜は修行と強力な妖怪との戦いを繰り返した。武術や霊力などは修行で鍛えることはできるが、格闘漫画でありがちなように実戦を重ねた方が効率よく強くなれるからだ。

 ちなみに【幽☆遊☆白書】の世界は原作時期には霊界の結界によって強力な妖怪が人間界におらず、それらの妖怪と戦うには瘴気に満ちた魔界に行かなければならなかった。零菜はそんな悪環境な場所に行くつもりはなかったので、大昔の人間界に行く事にしたのだ。

 強大な力を得た零菜はA級妖怪どころかS級妖怪すらも討伐することができるようになり、戦う度に零菜は強くなっていたが、そんな行動がより強力なS級妖怪を引き寄せることになり、零菜はある日遭遇した妖怪に手痛い敗北を喫することになった。

 

「確かに人間の娘とは思えんほどの強さだが、まだまだだな」

 その妖怪・雷禅(らいぜん)は地面に零菜が倒れこんだ零菜にそう称した。数多の世界を巡り強大な力を身に付けてきた零菜にとって屈辱的なことであるが、ここまで惨敗してしまうと反論する事も出来ない。何しろ聖光気を纏った格闘戦やスタンドなどの能力が全く通用せずに叩き潰されてしまったのだ。

 正直言って死を覚悟したほどであるが、雷禅は人間とは思えない強さを持つ零菜を面白がって殺すことなく去っていった。これが、雷禅との関わりのはじまりで、これ以降雷禅の喧嘩仲間として付き合うことになる。最も零菜としても遥かに各上の雷禅との戦いは得る物が大きかったので好都合であった。

 そうして長い月日が流れて、雷禅が喧嘩を止めて魔界で国造りをするようになった。零菜はもうそんな時期かと原作知識を思い出した。確か雷禅は原作の700年ほど前に人間の女に惚れて人間を食べなくなったのだ。

 雷禅という喧嘩相手がいなくなったのは残念であるが、それでも強力な妖怪たちはまだ人間界にいる為、戦う相手に不自由はせず修行と戦いの日々を送ったが、そんな日々も霊界が人間界に干渉してくることで終わりを告げた。

 霊界は人間界を保護する為と称して魔界と人間界の間に強力な妖怪の侵入を阻む結界を張ったのだ。この結果、人間界から強力な妖怪を姿を消すことになった。

 霊界の者たちはあくまで人間たちの為と綺麗ごとを主張していたが、実際には霊界の利権確保の為に過ぎない事を知っている零菜にとって彼らの主張は白々しいにもほどがあった。当然ながらS級妖怪すら倒せる零菜に霊界からスカウトが来た際も即座に断っていた。

 最早、得る物はないと判断した零菜は現世での活動を終わりにすることにした。今回は250年近くも生きたが、その月日によってこの体も限界になっていたので、零菜は毒を飲んだ。

 尚、零菜が聖光気で派手に戦った為に聖光気の使い手の出鱈目な強さが霊界、魔界、人間界問わず広く知れ渡る事になるのであった。

 

解説

■妖怪
 幽☆遊☆白書の世界の魔界に住む種族。このSSではA級妖怪が白銀聖闘士並の戦闘能力で、妖力値100万以上のS級妖怪ともなると、零菜でも苦戦する強さである。

■雷禅(らいぜん)
 魔界三大妖怪の一人。「闘神」の異名を持つ魔界でも最強クラスの妖怪。原作では断食によって弱体化しているが、全盛期には黄泉どころか煙鬼ですらも問題にならない程の圧倒的な強さを持っており零菜も敗北している。

■スカウト
 霊界にとって人間最強の霊能力者である零菜は有望な人材だったためにスカウトしていた。

 

あとがき

 原作では聖光気の詳細が不明なので、このSSでは聖光気は霊力と気を混ぜると発生するというオリジナル設定にしました。それと聖光気を物質化した気鋼闘衣の防御力は桁違いで、念による強化など問題になりません。


11.ハイスクールD×D

2016年06月28日 20時49分32秒 | 小説

【犬夜叉】の世界で死亡した私は【ハイスクールD×D】の世界に転生していた。今回は20世紀末の日本で、山田零菜(やまだ れいな)として転生した。両親は裏社会に関りのない一般人だったので、前回のように周囲から技術を得ることは無理だろう。

 私がこの世界を選んだ理由はもちろん、神器(セイクリッド・ギア)を得るためだ。といってもこの世界で転生しても神器を得られるとは限らない。それに神器と言っても神滅具(ロンギヌス)のような神すら殺せる規格外の代物から龍の手(トゥワイス・クリティカル)のようなありふれたものまであり、まさにピンからキリまであるから正直言って博打だった。

 そしてこの世界に転生した私は神器を手に入れた。私が手に入れた神器は魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)だった。

 これは上位の神滅具であるから、かなり強力な代物なのは間違いないが、私としてはできれば赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が欲しかった。まあ「赤龍帝の籠手なんて手に入れたら原作ブレイクだろ!」と突っ込まれそうですが。

 正直な話、確かに私は進化させたグルメ細胞による強力な身体能力に、鍛え上げた気と霊力を持っていますが、それでも私が乙女座の黄金聖闘士であった頃の足元にも及びません。

 確かにあの時は黄金聖衣という強固な鎧にして小宇宙の増幅器を使っていたため、聖衣を持たない裸同然の今よりも次元違いに強かったのは当然ですが、失ってしまうと歯がゆく思っていたわけです。その為、私の気や霊力を増幅させる為にあらゆる力を桁違いに増幅することができる赤龍帝の籠手に目を付けていました。

 しかし、手に入らなかった物は仕方ありません。それに魔獣創造もそう悪くない。13の神滅具の中でも特に強い上位神滅具の一つだから赤龍帝の籠手よりも上でしょう。

 この魔獣創造はイメージした生き物を作り出すことが可能な代物なので、原作のように様々な種族に対するアンチモンスターを作ることが可能だ。とはいえ、英雄派のように様々な勢力に襲撃を仕掛けてデータ収集を行うことはやらないので、その手のアンチモンスターを作るのは現状ではできない。

 そこで私の知りうる最強の生き物として【トリコ】世界の生き物たちを作り上げてみた。正直な話、生き物のイメージと言われて真っ先に思いつくのが【トリコ】の生き物だからだ。

 何しろ、私は美食食材の養殖の為に【トリコ】世界の動植物の調査を徹底的にやっていただけに彼らと関りは深い。それだけに具体的なイメージがやりやすいのだ。

 その為、【トリコ】の強力な動物たちを作り出していろいろと試していたが、その所為か私の事が三大勢力にばれてしまった。まあ、隠蔽にそれほど気をつけていなかったのもあるけどね。

 その結果、堕天使に襲撃されるようになったが、その堕天使たちが下級だったこともあり撃退することができた。

 しかし、力でかなわぬと見たその堕天使は私の両親を人質にとったのだ。勿論、人質を助けるために私が死ぬという選択はないし、堕天使が人質を無事に解放するとは限らないのだ。その辺りは【Fate/Zoro】のケイネスを見れば一目瞭然だろう。あれは悲惨だよ。

 そうなると、人質を無視して敵対する堕天使を倒すしかないので、私はそうした。勿論、両親は死亡したよ。

 その後、各地を当てもなく流離うように旅しながら魔獣創造を試していたが、英雄派の曹操からスカウトされた。

 本来なら敵対してでも拒否すべきだろうが、両親の件で三大勢力に思うところがあった私は曹操に敵対する相手は三大勢力に絞ることを条件に英雄派に参加することにした。

 さすがに三大勢力はともかくギリシャ神話系や北欧神話系などの他所の神々まで同行するつもりはない。

 英雄派に参加したことは予想以上に利益があった。というのも、私は様々な力を身に着けてきたが、こと神器に関しては全く知識がなく手探りで訓練していたが、英雄派はその手のノウハウが豊富だったのだ。そのおかげで英雄派として活動する中で魔獣創造を禁手(バランス・ブレイカー)『小宇宙を纏いし魔獣(ビースト・オブ・コスモ)』に成長できた。

 この小宇宙を纏いし魔獣は禁手の亜種で、単に魔獣たちに小宇宙を使わせて強化させるだけで外見上は何の変化もない静かな禁手である。とはいえ、ただの人間である聖闘士たちが小宇宙によって凄まじい強化されていたことを思えば、小宇宙によって魔獣たちが驚異的なパワーアップするのは言うまでもないでしょう。

 さて、概ね原作通りに話が進み、旧魔王派のシャルバ・ベルゼブブによって拉致されて、無理やり禁手を発動させられてかなりのダメージをうけたが、それは本体ではなく影武者として用意しておいた影分身なので特に問題はなかった。

 その戦いで曹操やゲオルクが破れて帝釈天に神滅具を没収されてしまうが、私の場合は影分身を解除したので特に問題はなかった。

 とはいえ、もう潮時でしょうね。私はこの世界に見切りをつけて次の世界に転移した。


10.犬夜叉

2016年06月23日 22時36分18秒 | 小説

【聖闘士星矢】の世界で死亡した私は【犬夜叉】の世界で、桔梗の双子の姉・零菜として転生していた。

 この【犬夜叉】の世界は戦国時代の日本を舞台に、妖怪の妖力を高めてあらゆる願いが叶えるという宝玉・四魂の玉を巡り人と妖怪が争いある世界だ。

 私と桔梗は巫女として修業することになったが、桔梗の双子の姉だけあって容姿は桔梗そっくりの美少女になった。特に私たちは長い髪を元結で束ねており尚更見分けがつかなくなっていた。

 ここで紛らわしいから髪の長さや髪形を変えるという事はできなかった。というのも、私たちは巫女なので髪の長さや髪形は変えられないからだ。

 アニメやゲームなどの創作物では巫女と言いながら髪形どころか髪の色までやたらカラフルですが、それは創作物だから許されている事です。この世界は妖怪とかが蔓延り巫女さんが妖怪退治を行うのに巫女の形式はやけにリアルなんですよ。

 私と桔梗は巫女になるにふさわしい強い霊力をもっているが、霊力に関しては私の方が高かったりする。これはGS世界で修業した成果だろうね。

 巫女になる修行の過程で、この世界の巫女の技術を貪欲に取り込んでいく。この世界の巫女は霊力を用いてお祓いや妖怪退治などを行うためその技術は興味深かった。とはいえ、破魔の矢(はまのや)を使うためには弓を使う必要があったが、この時代の弓はかなり原始的だった。

 ちなみに私は弓も習得しているが、それはアーチェリーで弓道ではない。つまり和弓ではなく洋弓をやっていたが、この違いは弓の改良にある。弓道は精神鍛錬を重視するために弓を改良していないが、アーチェリーは積極的に弓の改良が進められていた。

 そして、20世紀になるとコンパウンドボウが発明されて、その差が一気に開いた。コンパウンドボウは滑車を用いた構造で、的を狙っている途中の負荷が軽くなるため扱いやくすなり命中率も向上したのだ。

 いうまでもなく私もこのコンパウンドボウを愛用しておりアイテムボックスにいくつも入れている程だ。その為、当然ながら現世でもコンパウンドボウを愛用していた。

 しかし、巫女さんに和弓ならともかくコンパウンドボウでは違和感がありますね。まあ、この時代じゃそんな様式美なんて誰も気にしないでしょうけど。

 

 修行を終えて村も戻った私と桔梗であるが、妖怪退治屋から汚れた四魂の玉を清める依頼が来たので、それを受けて四魂の玉を妖怪から守る任に就くことになった。

 四魂の玉を清めることはすぐにできたが、これを狙う妖怪たちから守るのは難しい為、四魂の玉を私のアイテムボックスに入れてダミーの偽物を桔梗に持たせていた。つまり、表向き桔梗が四魂の玉の守り手で、私はその手助けという形を取っていた。

 その結果、桔梗は犬夜叉と出会い、次第にひかれていくことになる。その頃の私はどうしていたかというと、怪我人の治療などをしており、その一環として野盗鬼蜘蛛と接触することになった。

 しかし、戦国時代なのに動けなくなった怪我人(それもまっとうな人間ではなく野盗)の面倒を見てやるなど面倒見がいいですね。姥捨て山みたく山に捨てていたと思っていたけど、そういった意味ではこの世界は人道的です。

 最も原作知識を持つ私は桔梗のように甘くはありません。この鬼蜘蛛を放置すれば数多の妖怪たちと融合して奈落が誕生してしまいます。だから鬼蜘蛛に積尸気冥界波を使って鬼蜘蛛をあの世に送ってやりました。

 そして、桔梗の霊力が低下してしまい、四魂の玉の守護の任を果たせなくなった為に、偽装工作を止めることにした。桔梗を守護の任から外して、私が四魂の玉をもって旅に出る事にした。勿論、その事は村中に触れ回った。そうすれば四魂の玉を狙うものたちの目は桔梗や村ではなく私に向かうはずだ。

 というか、そうでもしないと村や桔梗が妖怪たちに狙われてしまい、桔梗が犬夜叉と幸せになる事はできないでしょう。妖怪たちだって四魂の玉がないのならわざわざ村や桔梗を狙ったりはしないから、これが一番いい方法なんです。

 また原作知識から桔梗は黒巫女の椿から呪いを受けていたようなので、グリードアイランドで入手したあらゆる呪いを跳ね返せる聖騎士の首飾りを桔梗に渡し肌身離さず身につけておくように言っておいた。

 余談だが、聖騎士の首飾りの呪い返しで黒巫女の椿(つばき)が悲惨なことになったが、それは自業自得だ。人を呪わば穴二つというように本来呪いとはリスクをともなうものだ。呪っていいのは呪い返しを受ける覚悟のある奴だけだ!

 

 こうして、四魂の玉を持って諸国を巡る旅にでた。さて、前々から考えていたが、この四魂の玉を有効利用する方法はないだろうか? 

 四魂の玉は聖杯のようにあらゆる願いをかなえると言われているが、実際には持ち主の本当に願いだけは叶えないという問題がある。というか、そもそも万能の願望器という代物は無色でなければいけない。

 その意味では四魂の玉自体が意思を持ち、奈落を操るという行動までしているのは明らかな欠陥だろう。歴史上、四魂の玉が善行に使用された前例がないと言われていたのもそれが理由なのでしょう。

 そんな四魂の玉を使おうとするなら、いっそ自分や知人縁者の願いを叶えない方がいい。つまり各地を旅して無関係の民たちへの施しに使えばいい。怪我人や病人などこの国のどこにだっているのだ。四魂の玉でそれらの者たちを救済していけばいい。

 なまじ知人縁者であれば、願いに私情が入ってしまうが、無関係の民衆であれば私情を挟むことなく願いを叶えることができるだろう。何せ、私自身は民たちが救われようがそうでなかろうがどうでもよく、ただ四魂の玉を有効活用しているだけなのだ。

 こうした救済活動は上手く行き、巫女零菜の名を大きく広まることになるが、その一方で四魂の玉を狙う妖怪や人間たちに余計に狙われる羽目になるのであった。

 

 そして、200年後。戦国時代が終わり天下泰平の江戸時代になっていた。それだけに私やその周囲では大きな変化が起きていた。

 桔梗は犬夜叉と結ばれて夫婦となったが、50年ほどで病に倒れて亡くなった。とはいえ、この時代で60歳以上になったのなら十分長生きだっただろう。

 犬夜叉は桔梗を看取り埋葬した後に旅に出たらしく、その後の足取りはつかめていない。

 そして私は200年の間、民たちの救済と、四魂の玉を狙う妖怪や人間と戦う羽目になった。特に人間は厄介で、権力者などが四魂の玉を求めてきて大いに敵対してしまい、私は表向きには罪人扱いされる羽目になった。

 でも、この生活も悪くはなかった。特に妖怪たちとの戦いは私の霊力をより高める結果となり、私の能力は大きく向上していたのだ。

 これまでの修行の結果、現世では200歳までは10代の少女のままの若さを保つことができるようになったが、200歳を超えたあたりで限界が来てしまい急速に老化してしまった。  

 私はすっかり年老いて衰えてしまった体に溜息をついた。この身体は長く持ったがもう限界だったので、私は次の転生の為に毒を飲んだ。享年218歳。

 

解説

■破魔の矢(はまのや)
 桔梗、かごめなどの強力な霊力を持つ巫女が放つ矢。弓矢に己の霊力をこめて放ち邪気や瘴気を打ち砕き、浄化する力を持つ。妖気を払うことによって、一時的にだが鉄砕牙の変化を解くこともできる。

■呪っていいのは、呪い返しを受ける覚悟のある奴だけだ!
 ゼロ(コードギアス 反逆のルルーシュ)の「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」のオマージュ。

 

あとがき

 桔梗が死なず奈落が誕生しなかった為に、犬夜叉と桔梗のパッピーエンドを迎えました。おかげにかごめはいらない子になってしまいましたが、ここまで円満な終わりはないでしょう。


9.聖闘士星矢

2016年06月21日 23時50分05秒 | 小説

 ダイの大冒険の世界で死亡した私は【聖闘士星矢】の20世紀中頃のギリシャに転生していた。

 私は孤児の少女として聖域で育つことになったが、そもそも修行を始める前から強力な小宇宙(コスモ)を有していた私はメキメキと頭角を現した。というのも、小宇宙が生物が持つ生命エネルギーであるからだ。

 言うまでもないが私がこれまでさんざん訓練してきた念、忍術、スタンドなどに用いられるチャクラ、オーラ、気、闘気などはそもそも生命エネルギーを用いるものだ。ようは呼び名が違うだけで小宇宙と同じなのだ。

 そして、転生を幾度となく(五回目)繰り返していたということもあり、聖域で聖闘士としての修行を初めてほどなくしてセブンセンシズだけでなくエイトセンシズにまで目覚めたという利点もあった。

 こうして、その際立った才能から「神に最も近い女」と呼ばれて聖域でも一目置かれるようになった私は瞬く間に地位を上げて、乙女座の黄金聖闘士になるのであった。

 しかし、聖闘士は女神アテナを守護する少年たちという意味合いから、女性が聖闘士になる場合は女であることを捨てて人前に素顔を見せないように常に仮面を被らなければならない。これは黄金聖闘士でも例外ではなく私も仮面を被る羽目になった。

 まあ、今更オシャレや恋愛などに興味があるわけでもないから別にいいですけどね。そもそも【トリコ】世界でグルメ細胞を進化させて以来、性欲がかなり弱まりその分食欲が強くなったわけで、まさに花より団子を時で行く私なんですから。

 今回はギリシャ人の少女なので白人少女ですが、その容姿は普通で決して美少女といえなかったが別に問題ありません。今更、そんな容姿の良し悪しに一喜一憂するわけではないし、年中仮面を被っている仮面女ならば素顔の出来などどうでもいい事でしょう。

 

 かくして聖闘士として修業をする日々の中で乙女座の技だけでなく他の聖闘士の技も積極的に学習していた。ここで聖闘士の見切り能力の高さがものをいった。つまり原作でよく言われる。「一度見た技は聖闘士には通用しない」というのは聖闘士が技の本質を見抜く能力が高いからだ。

 逆にいえば神の闘士たちが使う技を見抜き習得する能力が優れていると言えるわけで、そこに私の写輪眼のコピー能力も相まって大概の技はコピーできたのだ。特に蟹座の積尸気冥界波(せきしきめいかいは)などの魂を扱う技は習得するだけでなくいろいろと応用してオリジナルの技まで作り上げたほどだ。

 こうして、黄金聖闘士としてずば抜けた能力を持ったいた私であるが、やはり女性であることが問題で教皇候補になることはなかった。当時の教皇シオンはアイオロスとサガの内、アイオロスを教皇に選んだのだ。

 言うまでもなく私はこの二人よりも強いわけであるが、私が選ばれることはなかった。といっても別にそれが不満というわけではない。教皇の地位には興味がないのだ。

 そうこうしているうちにサガが教皇になりすまして聖域を乗っ取るが、別にその辺りはどうでもいい。どうせ原作通りに黄金十二宮編が終わるでしょうし、むしろ聖矢たちの良い試練になる。

 

 そして原作通りにサガが死にポセイドンとの聖戦が終わり、現在ではハーデスとの聖戦に突入していた。そして私は冥闘士たちとの戦いなどの紆余曲折の果てに復活したサガたちを含めた12人の黄金聖闘士たちと嘆きの壁の前にいる。

 冥王ハーデスがいるエリシオンへの道を阻むこの嘆きの壁をなんとしても破壊しなくてはいけない。地上の愛と平和の為に。

 これより皆と共に命を捨てて少年たちの未来を切り開くわけであるが、私としてはそれに異論はない。これが現世におけるアテナや聖域の仲間たちに対する最後の義理であるのだから。

 唯一問題といえば私が乙女座の黄金聖闘士になった所為で、シャカが黄金聖闘士になれずにいた事でしょう。でも、この聖戦が終わればシャカは私の後を継いで乙女座のシャカとなるでしょうから問題ない。

 しかし、よくよく考えると乙女とはぶっちゃけると処女のことなので、男が乙女座の黄金聖闘士になるのはどうかと思うのですよ。勿論、私は現世では清い体なので処女です。つまり単に乙女座生まれだけでなく、そういう意味でも私は乙女座の黄金聖闘士に相応しい者ですよ。 

 と、余計な事を考えてしまいましたね。さあ、いきますよ。燃えろ私の小宇宙! 私たち12人の黄金聖闘士の力をすべて集めた最初で最後の一矢をとくと見るがいい!

 乙女座のレイナ、聖戦の最中に嘆きの壁の前で死亡。享年48歳。

 

あとがき

 レイナがシャカたちよりも20年以上も早く頭角を伸ばして乙女座の黄金聖闘士になったとばっちりでシャカが黄金聖闘士になれていません。しかし、この聖戦後にはシャカがレイナの後を継いで乙女座の黄金聖闘士になっています。


8.DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

2016年06月20日 23時46分35秒 | 小説

【魔法先生ネギま!】の世界から引き上げた私は【DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】の世界に来ていた。

 この世界はドラゴンクエスト系だけに剣と魔法の世界であるが、私は別に魔法に興味があるわけではない。というか、ネギまの世界でも剣術の補助に陰陽術を多少嗜んだ程度で魔法には手を出していないのだ。まあ、私の場合武術の才能はともかく魔力等の魔法の才能が乏しいというのもあるが、別の理由もあったりする。

 そもそも、下位世界というのはそれぞれに世界観が異なるものであるが、その世界観の違いをもろに受けるのが魔法なのである。ある世界では使える魔法が別の世界では使用できないというのは当たり前のことで、様々な世界を移動する私にとって魔法とは非常に使い勝手の悪い能力なのだ。

 しかし、気や霊力ならば大概の世界で使用できるので、これまで私はそうした力を伸ばすことに集中していたのだ。

 そんなわけでこの世界では武術、それも闘気を用いたアバン流殺法のうちアバン流刀殺法とアバン流槍殺法を学ぶつもりです。つまりアバン=デ=ジニュアール3世に弟子入りするわけですね。

 そんなわけで原作開始三年前にアバンに弟子入りした。ここで、何でそんな時期なのかと思うかもしれませんが、原作開始前後だとアバンに教えを乞うことは無理だし、その後も弟子を取るどころの話ではありませんし、原作終了後はカール王になっているみたいだから勇者の育成はしてくれないでしょう。

 こうなると、アバンが比較的手が空いている時期が望ましく、そこで三年前にしました。私の能力があれば三年もあればアバンから剣術と槍術を吸収するのはできるでしょう。

 このアバン流刀殺法や飛天御剣流と並んで一時期ジャンプ読者の間ではかなり人気があった武術です。特に奥義『アバン・ストラッシュ』などをものまねした小学生男子は多かったでしょう。ええ、勿論、私もやりましたよ。

 それだけに本場というか本人からちゃんと学んでネタ技を習得するというのは凄く魅力的なんです。

 そんな私ですが、これまでの積み重ねもあって見事にアバン流刀殺法とアバン流槍殺法を習得しました。これで私もアバンの使徒になったわけで、当然ながらアバンの使徒の一人としてダイたちの仲間になり大魔王バーンとの戦いに参加すると思うかもしれませんが、私はそれに参加していません。

 といっても、別に怖くて逃げたわけではない。単に大魔王軍の侵攻の際に人々を守るためにモンスターの軍勢と戦って戦死しただけです。確かに私は強くなって多くのモンスターを倒すことできたけど、それでも一人で圧倒的な物量を誇る敵軍を蹴散らすといったお伽噺の英雄のような事はできなかったわけです。

 柄にもなく英雄の真似事をしてみたいなんて思ったのが運の尽きでした。モンスターの大軍を一度に相手にするのがこれほど厄介だとは思いもしなかったですね。何気に物量って凄いよね。まさに「戦いは数だよ兄貴!」ですね。

 

アバンside

 大魔王バーンが倒れて地上に平和が訪れた。私はカールの王となることになったが、すべてが万々歳というわけにはいかなかった。というのも最後の最後に地上を救うために行方不明になってしまったダイ君と戦死してしまったレイナ君の事があったからです。

 レイナ君はとても才能にあふれてあっという間に私の武術を吸収して卒業しましたが、大魔王軍との戦いでは一切でてこなかったのが気になっていたわけですが、後になって大魔王軍侵攻初期に戦死していたことがわかりました。

 正直言って彼女ほどの人が命を散らしていたことはとても残念に思う。彼女の手助けがあればもっと戦いようがあったでしょう。

 いえ、そんなことを今更言っても仕方がありません。それにバーンとの戦いに勝利できたのだって奇跡のようなものです。それ以上を求めてしまうのは贅沢というものでそう。

 今の私たちのできる事はダイ君やレイナ君に報いるためにも世界を良くしていくしかないんでしょう。そう、思い直しアバンはカール王として公務に精を出すのであった。

 

あとがき

 今回レイナが調子に乗って大魔王軍相手に無双をしようとして戦死してしまっています。といっても転生できるレイナにとってそれは痛手ではありませんが。


7.魔法先生ネギま!

2016年06月19日 21時50分28秒 | 小説

 前回は【トリコ】の世界でグルメ細胞の進化させて素の身体能力を大幅に向上させていたが、今回は気のコントロール技術や武術の向上させるために【魔法先生ネギま!】の世界に転生していた。

 トリコ世界では何十年と美食屋をやる一方で料理人としての修行も積んでいて、晩年には一流シェフ並の腕になっていました。おかげでグルメ食材を美味しく料理できるので自力で人生のフルコースを調理できるようになりました。

 今回の名は青山零菜(あおやま れいな)です。この名前でピンと来たでしょうが、私が転生したのは日本の青山家。つまり京都神鳴流(きょうとしんめいりゅう)宗家です。

 そこで近衛詠春(このえ えいしゅん)の妹として生まれた。えっ、名字が違うだろって? いえ、詠春は近衛家に婿養子になったからだけで旧姓は青山なんですよ。

 さて、京都神鳴流は生命エネルギーを利用した剣術の流派で主に野太刀を用いるが、武器を選ばないために無手でも十分に戦える。更にこの流派は気で身体能力などを強化して戦うのを主体にする剣術で、念能力の系統が強化系である私とは相性がとてもいいわけです。まあ、京都神鳴流の技には放出系や変化系の要素もあるものもありますが、主体は強化系だから問題なしです。

 当然ながら、流派の宗家の一員として私は幼少の頃より京都神鳴流の修行に入りその力もあってめきめきと力を付けていった。

 しかし、京都神鳴流は鬼などの人外と戦うことを想定してバカ長い野太刀を使用しています。これでは小回りが利かず対人戦にはかなり不利になる為、野太刀だけでなく、打ち刀や素手での戦闘も連中しておきました。先々の事を考えると必要な事ですし。

 そして、詠春が武者修行の旅に出るとそれに同行した。正直言って現代社会では剣術を磨くのに向いていないから詠春と共に「紅き翼(アラルブラ)」に加わって魔法世界で戦った方が何かと都合がいいんですよね。

 勿論、ナギたちの戦いに加わるという事は危険極まりなく、死ぬ確率は高いが、転生可能な私はそれで死んでもとくに痛手にはなりません。こうして、ナギたちと共に魔法世界で激しい戦いにいろいろと苦労しながらも戦争終結まで戦い抜いていった。

 そういえば、魔法世界でダイオラマ魔法球を見た時に私の別荘を作るのを忘れていたことに気が付いた。前回は【トリコ】の美食食材を養殖することに熱中していたため大型の偽ダイオラマ魔法球を使用していたが、今回はそこまで大きなものでなくていいから個人的に使用する別荘を作ることにした。

 ここで何で別の魔法球を用意するのか疑問に思う人もいるかもしれませんが、私が美食食材の養殖用に使用している魔法球は【トリコ】の動植物を養殖しているわけで、私程の実力があればなんとか生活できるでしょうが、そんな危険な場所にある意味本拠地ともいえる別荘を作る気にはならないわけです。

 実はグリードアイランドで手に入れた指定ポケットカードは美肌温泉などかなり便利なものが多いが、本格的な拠点を持たずに転移や転生をする私にとってそれらの設置型のカードは使いづらかったのだ。

 そこで、偽ダイオラマ魔法球でそれらのカードを利用した別荘を作ることを考えていたんですよね。魔法球ならばアイテムボックスに丸ごと収納できるから転移や転生で持ち越すのに便利なんです。まあ、すっかり忘れていましたが、それはいいでしょう。

 そこで、戦後に中規模の偽ダイオラマ魔法球を手に入れて、指定ポケットカードをふんだんに使った特別製の別荘を作るのであった。

 おかげで美肌温泉、酒海の泉、不思議ケ池、豊作の樹などの摩訶不思議な代物を設置した別荘はやたらカオスな代物になってしまいましたが、便利だからかまいませんよ。

 しかし、これでやることがなくなりましたね。私としては原作開始までこの世界にいるつもりないのでそろそろ次の世界に行くとしましょう。

 

詠春side

 大戦が終結して数年がすぎた。現在の私は近衛家に婿養子となり、関西呪術協会の長になった。娘の木乃香も生まれ順風満帆といっていいだろう。

 しかし、そんな私にも妹の零菜が行方不明になったという問題もあった。そもそも零菜は剣の才能でいうなら天才と言っていい、剣の才も気の扱いも私の比ではなく、京都神鳴流をあっと言う間に免許皆伝してしまったのだ。

 当然ながら、兄の私は優秀すぎる妹と比較される羽目になり肩身の狭い思いをしてしまった。そんなこともあって武者修行として飛び出したのだが、何故か妹もついてきた。私としては妹とは距離を置きたかったのだが、仕方ないだろう。

 こうして魔法世界の大戦を潜り抜けると妹は私たちと別れて修行の旅に出た。私としては好都合だったのでそれをとめはしなかったが、それっきり零菜が行方不明になり連絡がつかなくなったのだ。

 そんな問題もあったが、関西呪術協会の長となった私には様々な問題を抱えておりそのことにかまけていられなかった。こうして私は日々の仕事に追われて何時しか零菜のことを忘れるのであった。

 

あとがき

 詠春が少しらしくありませんが、優秀すぎる妹のせいで人格が少し歪んでしまっているからです。現実問題この手の兄弟問題は人間関係にヒビを入れるものです。


6.トリコ

2016年06月19日 21時50分17秒 | 小説

 GS美神世界で冥子の所為で死亡した私はトリコの世界に転生していた。今回の私の名はレイナです。苗字がなくただのレイナですけど、この世界は苗字がない人ばかりだからそれが普通のようですね。

 それにしても前回は散々な目にあった。まさかあんな死に方をするとはね。終わった事は仕方ないが、これからは味方の足を引っ張るような奴には注意しよう。というか、そんな奴は速やかに排除するべきだろうね。百害あって一利なしだよ。

 前の世界ではGSをやる様になってからは、いつ死んでもおかしくないから死亡した際はトリコの世界に転生するように設定していたが、まさかこんなに早く転生する羽目になるとは思わなかった。

 まあ、過ぎてしまった事をあれこれ言っても仕方ない。これからの事を考えるとしましょう。この世界での目的は主に、食義特に食没の習得、グルメ細胞の取得、美食を味わう事の三つです。

 食義に関してはこの世界では小学生から授業をやっており、教育が終わると食林寺に行って食義の修行を受けた。かなり厳しい修行でしたが、何とかやり遂げて食没までマスターすることができました。

 その結果、食い溜めが可能になった。といってもトリコのような体格のいい男が大食いをするならともかく女性が大食いをするのはシュールなので、必要ながない時以外はしないようにしている。大体アイテムボックスのおかげで食料の確保が容易名のもあり、あまり役に立っていないので苦労した甲斐がなかった。

 それはともかく、グルメ細胞を取り込む事と美食を楽しむことはある意味ダブります。グルメ細胞を進化させて能力を向上させるには美味しい物を食べないといけませんからね。この世界はグルメ時代と呼ばれるだけあって食材の美味さが半端ではない。これまで食べて来た高級料理が色あせて見える程の食事がごろごろしている。というか全体的な食材の質が半端じゃないですね。

 そんな私ですが、この世界で漸くトリッパー支援組織『三千世界監察軍』と接触しました。死神から話だけは訊いていましたが、一向に遭遇することがなかったから忘れかけていましたよ(笑)。

 

 彼らと接触した私は彼らが商品化していた偽ダイオラマ魔法球(監察軍がネギま世界のダイオラマ魔法球を科学技術で再現したアイテム)を見てあるアイデアが浮かんだ。それはIGO(国際グルメ機構)がやっているビオトープ兼超巨大養殖場兼実験場のように、トリコ世界のグルメ食材の養殖をこの偽ダイオラマ魔法球で実現する事だった。

 偽ダイオラマ魔法球であればアイテムボックスで出し入れできるから何時でもどこの世界にいてもグルメ食材を収穫して美味しい料理を食べることが出来るからとても魅力的な話だった。

 しかし、独自の生態系を構築するとなると個人で上手くいくとは思えない。となればエデンの檻のライカ島のようにグルメ食材のDNAを使って動植物を作り出す大規模計画として生態系構築をやるしかないだろうが、そこまでいくとなると話が大きくなりすぎるから流石に監察軍も了承してくれないだろう。

 待てよ。私個人の都合で要請するからダメなんだ。いっそのこともっと計画を大きくして監察軍にもやる価値があると思わせるだけの利益を出せる計画にすればいいじゃないか。

 そう、ブリタニア帝国はテラフォーミングを積極的にやっているから偽ダイオラマ魔法球なんてちゃちな代物じゃなくて、テラフォーミングした惑星そのものを使ってトリコ世界の動植物を繁殖させればいいだろう。

 おおまかな計画を思いついた私は監察軍にそれを提案した。監察軍はそれに応じた為に、ブリタニア帝国、アトランティス帝国、大日本帝国の三ヵ国を跨る美食計画と呼ばれる大規模計画が推進されることになった。

 その計画の為に私は美食屋となりグルメ細胞を進化させつつ、何十年にも渡ってトリコ世界の情報(動植物の飼育、捕獲、調理などのノウハウ)と、捕獲した動植物のDNAサンプルを監察軍に送り続ける一方で、この美食計画で製造される動植物の一部を流用して偽ダイオラマ魔法球にグルメ食材を含めた生態系を構築することに成功するのだった。

 そうこうしているうちに結構な歳になったので、美食家として活動するのが難しくなった私は、この世界の料理技術の習得と向上に集中することにした。この世界の美食食材はとても魅力的で飽きることがなく結構長い事そうしていたが、さすがに120歳になると体がガタがきたしまったので毒を飲んで転生することにした。

 

解説

■偽ダイオラマ魔法球
 監察軍がネギまの別荘を様々な世界で使用できるように、下位世界で汎用性の高い純粋科学技術を用いて再現した物。その為、魔法が使えない世界でも使用できる便利アイテムである。尚、グルメ食材の養殖に使用しているものは海に囲まれた島であるが面積は約18万km2と北海道の二倍ほどの面積があり、その島と周りの海が10万分の1にまで圧縮された状態となっている。

■美食計画
『短編及び中編集 美食計画』で監察軍が推進した計画。レイナが発案+各種情報提供、監察軍が計画実行という役割分担であった。


5.GS美神 極楽大作戦!!

2016年06月19日 21時49分11秒 | 小説

【ジョジョの奇妙な冒険】の世界で人生を終えた私は【GS美神 極楽大作戦!!】の世界に転生していた。

 前回は晩年まで忍術、念、スタンドの訓練に明け暮れていた。念が使えたから老化が遅かったとはいえ流石に100過ぎになると肉体が衰えて使い物にならなくなったから、転生先をGS美神の世界に指定して苦しまずに死ねる毒薬を飲んで自殺しました。

 さて、今回の私の名前は六道零菜(ろくどう れいな)です。この名で予想が付くと思いますが、私は六道冥子の双子の妹として誕生しました。六道冥子は一人娘だったから双子の妹などいなかった筈ですが、私が転生した為に変わってしまったようですね。勿論、式神十二神将は冥子に受け継がれています。

 私の冥子は双子の姉妹だけに私の外見は冥子そっくりで他人では見分けがつかない程で、それだと紛らわしいから私は髪を伸ばしてロングヘアにしています。

 それと、ある程度成長して自分で動けるようになると前世で習得した忍術、念、スタンドを一通り試してすべて問題なく使える事を確認した。転生特典の恩恵で前世で得たスキルとステータスもちゃんと継承されていたことに私は安堵した(本当は少し不安だった)。

 六道は企業を経営している資産家だが、同時に民間GSの名門としての顔も併せ持っている並外れた霊力と式神十二神将を使役する式神使いの家系だ。とはいえ、六道の次期党首は式神十二神将を継承した冥子のものであり、私は六道の頭首たる資格はない。母も高校卒業までは面倒をみてくれるだろうが、その後は自分でやりくりしなければならないだろう。

 そんな私はGS業界に足を踏み入れ、母はそんな私を黙って受け入れた。私は六道家次期党首ではないので式神使いは目指さないが、強力な霊力があった為に一般人として才能を埋もれさせるには惜しいと思ったのだろう。

 幸い、実家が民間GSの名門というだけあって式神だけでなく、その他の霊能関係の知識と技術を得る方法に事欠かなかった。

 こうして真面目に学び修行する日々が続き、妙神山に行き小竜姫様に修行を付けてもらったこともあって、私はメキメキと頭角を現した。

 そんな私は六道家が経営して霊能化が存在する六道女学院を卒業して、その後のGS試験にも無事合格した。こうして私自身は何とかできていたが、私の身内に重大な問題があった。

 この世界の冥子は原作同様、弱い精神力の臆病者で、式神のコントロールが極めて不安定で些細な事で暴走してしまう為に学校でも嫌われていた。

 まあ、それはそうだろう。誰が式神を常に傍に置いている上に、些細な事で暴走して周囲を無差別に破壊しまくる人間と仲良くしたがるだろうか。ましてや、冥子の所為で病院送りにされる被害者が頻繁に出るとなると、冥子を恐れて誰も近寄らないのは当然だ。

 それでも冥子がイジメられないのは、そんな事をすれば式神が暴走して病院送りされるからだ。そんな異常極まりない状況で友達ができないと悲しむ前に、冥子は他人に迷惑を掛けて嫌われている事を自覚するべきだ。

 そんなふうに私が冥子に辛辣なのは、言うまでもなく私が冥子の被害に度々あっているからだ。なまじ家族なだけに冥子は私に付きまとい、些細な事で式神を暴走させて私に被害を与えるのだ。これに嫌気が指した私は冥子と徹底的に距離を取るが、向こうから私に付きまとい私が冷たくするとすぐに暴走して周りに被害を与えるという酷い有様であった。

 ちなみに、私のスタンド『ファイター・レクイエム』を使えば任意の物質を透過する能力を攻撃にも防御にも転用できるが、透過できるのは物質でなければならない。その為、この世界の霊能力のような物質ではなく形無きものを倒すための攻撃とは相性が悪く、私の身体が物質を透過しても霊的ダメージを受けてしまう攻撃が多いのだ。

 幸い、トリッパー特性から私の魂そのものにダメージを与えることは不可能ですが、肉体に霊的ダメージを与えて死亡させる事は可能なんです。まあ因果律を操ればどうとでもなりますが、それは切り札なので下手に多用できないわけです。バレたら困る。

 正直、私のスタンドはスゲーとか思っていたけど思わぬ抜け穴があった物です。世の中そう甘くはないということでしょう。

 私の戦闘スタイルは霊刀を使用したもので、他にも霊体ボウガン、破魔札、吸魔護符、精霊石などを使用する道具使いとなっている。流石に除霊となると殴る斬るだけでは無理なのでこうなるけどね。

 そういえば、私は順調にGSとして実績を積んでいるのに、冥子は失敗ばかりでGS免許取り消しの話まで出ているそうだ。母は冥子を後継者に選んだことを心底後悔しているらしく、「私を後継者にしていたら」と最近よく口にしていたが、今更私が後継者に選ばれてもそれはそれで原作ブレイクになるから嫌だ。

 大体、式神十二神将はそこまで魅力的ではない。様々な異世界を巡り私自身を高めるという私の目的にそぐわない上に、式神がダメージを受けると術者までダメージを受けるという点が大問題だ。

 

「あ、零菜ちゃんだー」

 そんなある日、街中で冥子とばったり出会った。GSとして独立した時に冥子を避ける為に六道家から出てからというものすっかり会う事がなくなっていたが、それでもこうしてばったり会ってしまう事がたまにある。

「奇遇ね。私は会いたくなかったけど」

 昔から冥子といると碌な事にならなかった。正直近寄りたくもないのだが、冥子のあったのは私にとってフラグだったようだ。運が悪い事に、そんな時にいきなり霊団が接近してきて私を含めた周囲の人間に襲い掛かっていた。

 私は原作知識からこの事態を例の霊団襲撃事件だと判断したが、何もこのタイミングで来ることはないだろうと嘆きたくなった。何しろ私は冥子を暴走させないために必死に庇いつつも、自衛のために降りかかる火の粉を払う羽目になったのだから。

 いつ暴走するか分からない味方がいると安心して戦えない。まるで不発弾を抱えて戦っているような物だ。

「ふ、ふえーーん!!」

 しかし、そんな私の努力も空しく、すさまじい数の霊団に恐れをなした冥子が暴走して式神が私を攻撃した。

「ぐふっ!」

 霊団への対処のために手が回らなかった私はその攻撃をまともに受けて倒れてしまい、そこを悪霊たちに袋叩きにされた。いくら霊能力者でも不死身ではない私にとって、このダメージは致命的なものであった。享年21歳。

 今回の教訓、無能な味方は敵よりも厄介だ。

 

六道母side

 冥子の式神と霊団が零菜を殺したというとんでもない話を聞いたとき私はあまりのことに卒倒してしまった。聞けば零菜が冥子を庇って霊団を防いでいる時に冥子が式神を暴走させてしまい、零菜を攻撃してそこを霊団に袋叩きにされてしまったらしい。

 下手をすれば有能な妹を妬んで意図的に式神を暴走させたと言われかねず、冥子が起こした不祥事は六道家にとってもあまりにも拙い醜聞であった。その為、六道家が全力で揉み消し工作を行い、冥子にも固く口止めしておいた。

 冥子としてもこんなことが公になればGS資格どころか社会的な立場まで失いかねないのでしゃべることはないだろう(その辺りの事は十分に言い含めている)。

 しかし、前々から思っていたが冥子ではなく零菜を後継者にするべきだった。今更言っても仕方ないが、今回の件は六道家としても大問題となっており、こうなっては冥子にGSをやらせるわけにはいかない。冥子をGSを引退させるのは六道家としても好ましくないが冥子が不祥事を起こすよりは遥かにましである。

 彼女はどうしてこうなった、と心底冥子を後継者にしてしまったことを後悔するのであった。


4.ジョジョの奇妙な冒険

2016年06月19日 21時48分04秒 | 小説

 私はハンター世界からジョジョの奇妙な冒険の世界に転移した。

 1989年、日本国杜王町(もりおうちょう)に来た私は取りあえず前の世界で得た貴金属類の一部を売却して生活費にしていた。そして、承太郎たちがエジプトでDIOを倒した数日後に私は虹村形兆の家に向かった。

 原作知識では虹村形兆の父親はDIOの配下で恐らくはスタンド使いだと思われるが、肉の芽が暴走しているため大した脅威ではないし、この時期は虹村形兆もただの小学生にすぎず、スタンドの弓矢の価値も知らないだろうから目的を達するのはこの時期が一番いい。

 そこで私は虹村形兆に骨董品のコレクターと名乗り、スタンドの弓矢を一億円の購入したいと申し出た。虹村形兆も最初は幾分か警戒していたが、父親がおかしくなった今はお金は必要なので一億円というのは魅力的だったのだろう。割とあっさりと弓矢を売ってくれた。やっぱりどこの世界でもお金の力は大きいよね。前の世界でお金を荒稼ぎしておいて本当によかったよ。

 さて、ここで弓矢と言っても本当に重要なのは矢に取り付けられている鏃なんです。これこそがスタンドの才能を引き出すアイテムですからね。そういえば原作では虹村形兆は人間に矢を突き刺した為に、スタンドの才能がある者は生き残りましたが、そうでない者は死んでいます。

 まあ矢がまともに刺さったら当たり所が悪ければそうなりますが、別に突き刺さなくても普通に鏃で傷を負わせればそれでいいのではないのかと思うわけです。というわけで、鏃で私の指を少し傷つけてみた。

 翌日、違和感を憶えた私はその違和感こそがスタンド能力のきざしだと判断して、それを引き出すべく試行錯誤を繰り返した。

 その結果いくつかの事が分かった。まず私のスタンドは本体(私)と融合してその身体能力を大幅に引き上げる能力があるという事、次に本体及びその装備品(私の着ている衣服類と手持ちの武器)が任意の物質(生物)を透過できるという事、最後に戦う度に相手の能力を見切りどんどん強くなるという事だ。

 これらの能力は第三部のアヌビス神によく似ている。違うのはアヌビス神が刀に宿り他人を操る事ぐらいだろう。このスタンド能力ではよくある策略を用いたトリッキーな戦いではなく、本体である私が直接敵と殴り合いや斬り合いをしなければいけないので、正統派といえば正統派といえるだろう。

 しかし、よく考えてみればスタンドは本体の精神を表すものでもある。生身の戦闘能力を鍛え続けている私がこういう能力になるのは必然だったのでしょう。とりあえず私はこのスタンドを“戦士(ファイター)”と名付けて、スタンドを使いこなすべく訓練した。

 アヌビス神のように刀を使って柱を透過してその先の物体を切り裂いたり、槍を使って壁を透過してその先の物体を貫いたり、とにかく色々と試すことが多くて、スタンドの訓練に五年ほど時間をかけた。

 この能力はスタンドによる攻撃を除けば、敵の攻撃もすべて透過できるからある意味無敵だけど、スタンド使いとの戦いでは防御に難があるため何か微妙ですね。

 さて、そろそろ次の段階に入りましょう。スタンドをあの矢で貫けばスタンドは更なる進化を遂げます。まあ私の場合は本体(私)と融合しているから私ごと矢で刺さなければいけませんが、仕方ありませんね。

 私はファイターと融合した状態で鏃を私の右腕に突き刺した。そして、私のスタンドはレクイエム化して、“ファイター・レクイエム”となった。

 このファイター・レクイエムは従来の能力の他に因果律を操る能力まで得ています。つまり因果律の操作によって、私の攻撃を敵に確実に命中させる一方で、敵の攻撃を確実に防ぐと言ったチート行為が可能になりました。マジで反則ですね。

 そういえば、最近虹村形兆と虹村億泰が弓矢を返してほしいと言ってきました。なんでも父親を殺せるスタンド使いを見つけるためにスタンド使いを生み出す弓矢が必要だそうです。

 ちなみに私のスタンドでも彼の父親を殺すのは無理です。確かに因果律を操れますが、レクイエム化して間もない私では命中率や回避率を弄る低度しかできないから、不死身の父親はどうあっても殺せません。そんな問答無用な攻撃力はありませんからね。

 とはいえ、いっそのことマグマに叩き落としてしまえばあいつでも流石に死ぬと思うけどね。要は再生が追いつかない速度で肉体を破壊すればいいわけですから。第二部のカーズは火山のマグマに叩き落とされても生き残る事が出来たが、それはカーズだからできた事だ。

 それを踏まえて、虹村兄弟の要求はどうしたものか。普通ならば上記の案を伝えて説得するべきだ。仮に強硬手段に出ても今の虹村兄弟はスタンド能力に目覚めていないから脅威ではない。だが、それでは原作ブレイクになってしまう。

 仕方ないので、虹村兄弟と弓矢をレンタルする契約を結んだ。つまり弓矢の所有権は私にあるが、虹村兄弟に弓矢の使用権を一時的に認めるという形で、虹村兄弟が目的を果たすか目的を果たせない状態になった場合は、すみやかに私に弓矢を返却するというものだった。

 これなら、虹村兄弟と対立しない為に彼らがスタンド能力に目覚めても私に牙をむかないだろう。まあ、たとえ向いてきても私の敵ではないけどね。

 その後、原作通りに虹村形兆はスタンド使いを作りまくっていたが、東方仗助との戦いの後で音石明に殺されて弓矢を奪われた。まったく面倒なことです。あれは私の物なんですよ。

 私は原作知識を活用して音石明と東方仗助の戦いの最中に、事前に調べていた音石明の部屋から弓矢を取り返しておいた。原作ではスピードワゴン財団の手に渡り保管される事になっていたが、この程度の原作改変ならば許容範囲内でしょう。

 さて、余計な揉め事に巻き込まれるのはごめんだから、杜王町から離れた田舎町にでも住み着くとしましょう。そこでのんびりと能力の訓練をやればいい。


3.HUNTER×HUNTER

2016年06月19日 21時46分55秒 | 小説

 ナルト世界から引き上げた私は、ハンター世界に転移した。

 この世界に来た私は人里離れた場所でサバイバルをすることにした。ナルト世界のアカデミーでは散々サバイバル技術を叩き込まれていたからサバイバルは苦にならなかった。

 同時に原作知識を使って念の習得をすることにした。その為には精孔を開かなければならない。そこで座禅や黙想などで独学でやってみて、僅か一日で精孔を開くことに成功した。

 これは恐らく、ナルト世界でチャクラコントロールを散々やってきた成果が出たのだろう。じゃなったらそんなの不可能だしね。そんなわけで四大行の修行に入る事にした。

 ちなみにサバイバルだけでは色々と問題があるので、念修行のあいまに情報収取とお金稼ぎの為に影分身を人里に送り込んでおいた。尚この影分身には念のために別人の大人の姿に変化させた上で殺し屋をやらせる事にした。

 こうしてサバイバルと裏仕事によって念修行に集中するできる環境が整った。四大行の纏、絶、練を覚え、発(必殺技)の習得に入った。水見式を使って私の系統を調べてみたが強化系であることが分かった。

 正直言ってこれは困る。強化系はバランスがいい為、かえってどんな必殺技がいいか悩むのだ。そこで私は発想を切り替えてどんな能力があれば便利かと考えました。

 ゴン=フリークスのジャジャン拳のように強化系を活かして強力な技を開発する者ありですが、あれは隙が大きく技のタイミングが図られやすいというデメリットがあった。

 そこで写輪眼で動体視力を向上させている事を踏まえて思考速度を加速させる能力を開発した。能力名は『加速思考(アクセルレーター・マインド)』。思考速度を2倍から1000倍にまで加速させ、同時に脳神経を強化することで加速時に脳にかかる負担に耐えられるようにした念能力である。あと、制約と誓約はなし。

 この能力は早く思考ができて通常よりも早く動くことができる能力なので技の隙がなく敵に対応させないというメリットがあり、実戦ではかなり使い勝手がいいだろう。

 さて、こうして四大行を習得した私は次に周、隠、凝、堅、円、硬、流といった念の応用技の修行に入った。これらの技は四大行よりも疲労が激しい為に実戦レベルで満足に使えるように使いこなせるようになるのに本当に苦労しました。何せ影分身を多用しても三年も掛かったほどですから、普通にやっていたら五年はかかっていたでしょう。

 さて、次に修行と資金調達を兼ねて天空闘技場に行くことにした。150階以下だと大したファイトマネーは手に入らないので、190階までは順調に勝ち登っていき、勝ち負けを調整して191階~199階を行ったり来たりを繰り返してファイトマネーを得るようにした。

 また、安定した資金調達ができるようになったことから影分身にやらせていた殺し屋稼業からは足を洗った。いくら姿を変えていてもリスクが大きいからね。

 ちなみに200階以上になると名誉だけでファイトマネーは手にはいらないからワザとそうしていたわけです。名誉なんていりません。そんなものより金よこせと言いたいですね。

 そんなこんなで25歳になった私は、六年かけて天空闘技場のファイトマネーと殺し屋稼業で稼いだ大金でグリードアイランドを購入してプレイすることにした。幸いグリードアイランドは出たばかりで原作のように購入価格が高騰していなかった事もあり安く手に入った。といっても元から58億ジェニーで販売されていたから結構金が消えたよ。

 そこまでしてこのグリードアイランドを購入したのは指定ポケットカードが欲しかったからだ。原作ではクリア報酬として三枚しか持ち出せなかったが、入手した指定ポケットカードをアイテムボックスに入れて異世界に持ち出せばどうなるか試してみたくなった。

 このグリードアイランドはゲームのようで実は同じ世界の場所に転移して生活しているだけなので、私の能力で異世界に移動することは問題なくできるのだ。

 そこで一坪の密林、湧き水の壷、美肌温泉、酒海の泉、不思議ケ池、豊作の樹、縁切り鋏、アドリブブック、リサイクルーム、聖騎士の首飾り、メイドパンダといった指定ポケットカードを入手してアイテムボックスに収納しておいた。

 そろそろこの世界から引き上げる時期だろう。既に稼いだ大金は一部食料品にしたが、その多くは宝石類や貴金属類に変えてアイテムボックスに入れておいたので準備は整っていた。

 言うまでもないが、この世界の通貨なんて余所の世界では通用しない。それなら宝石や金などに変えておいた方がいいのだ。そんなワケで次の世界に行きましょう。

 ちなみに次の世界でアドリブブックをアイテムボックスから出すと普通に使えた。多分他のカードも普通に使えるだろう。

 

解説

■一坪の密林
「山神の庭」と呼ばれる巨大な森への入り口。この森にしかいない固有種のみが数多く生息する。どの動物も人によくなつく。

■湧き水の壷
 常にきれいな水が湧き続ける壷。1日で1440リットルの水が湧き出る。

■美肌温泉
 肌に関する悩みをすべて解消してくれる温泉。1日30分の入浴で赤ちゃんの様なスベスベの肌になる。

■酒海の泉
 この泉の水を汲んで、1週間おいておくと酒に変わる。酒の種類はランダムだが、味は絶品。

■不思議ケ池
この池に1匹魚を放すと次の日には1匹増えている。どんな水域に棲む魚でも生息・混泳が可能な池。

■豊作の樹
 ありとあらゆる果物が実る樹。どんなに収穫しても次の日には樹いっぱいに果物が成る。果物の種類と数はランダム。

■縁切り鋏
 このハサミで会いたくない人の写真を切ると、その人と2度と合わずにすむようになる。その写真に映っている人全てに有効(本人を除く)なので、注意が必要。

■アドリブブック
 毎回違った物語を楽しめる本。読書を中断する場合。付属のしおりをはさんでおかないと、全然違う話に変わってしまうので要注意。

■リサイクルーム
 この部屋に壊れた物を入れておくと、24時間後には修理され、新品同様になっている。ただし絶対に時間が来るまで扉を開けてはならない。

■聖騎士の首飾り
 これを身につけたプレイヤーは呪いをはね返すことができる上、触れたカードの呪いも解くことができる。

■メイドパンダ
 絶滅寸前の珍獣。大変きれい好きで、料理が趣味。個体によっては洋裁やガーデニングもたしなむ。何よりも人間の子供の面倒を見るのが得意。


2.NARUTO -ナルト-

2016年06月19日 21時44分20秒 | 小説

 私は気が付けばナルトの忍五大国が一つ、火の国は木ノ葉隠れの里に転生していた。今回の名前はうちはレイナで、名字が変わっているし名もこの世界風にカタカナになっている。両親は忍者をしているが、名前から分かるように写輪眼という血継限界という特殊能力があります。

 さて、この世界で一人で動けるようになると、私は身体を鍛える事とチャクラコントロールに励んだ。この世界の忍術と幻術は憶えておいて損はない。特に影分身はとても使い勝手良いから要チェックです。その為にもチャクラを上手く制御できないと話にならないからね。

 両親は物覚えが良く訓練に積極的な私を天才だと単純に喜んでいた。この場合は普通は気味悪がって遠ざけるものじゃないかな、と思わなくもないが好都合なので素直に能天気なその評価を受け入れていた。

 そんなこんなで、私は期待の子供として6歳でアカデミーに入学して同年代の子供たちと学ぶことになったのだが、やはり精神年齢のズレは大きく同級生との人付き合いに苦労させられた。まあ、それなりに実力を発揮していれば馬鹿にされることもないからナルトのようにイジメられることはなかったからよかったけどね。

 そのアカデミーも12歳になると卒業して、その後は下忍として活動するようになった。私は中忍試験を受ける必要がなかったので、その辺りはのんびりと任務と修行をやりながら3年間も下積み生活を過ごしていた。

 この時期には忍術や幻術は両親やアカデミーで習っており、影分身の術ですら習得していた。この影分身を使えば複数の実体のある分身ができて、その影分身を回収する時に影分身が経験した事が本体である私に記憶として得られるので、学習効率や労働力の向上に極めて役に立つチート忍術です。

 まあ、影分身で鍛錬しても経験はともかく肉体的には反映されないので、影分身で筋肉トレーニングをしても意味がないのが玉に瑕ですが、それを問題にしないほど便利な術ですね。

 ちなみに、影分身を使うとチャクラが均等に分配されるが、影分身を回収する時に影分身が使用しなかったチャクラも本体に戻るので、この術の燃費はそれほど悪くなかった。

 あと、写輪眼の方もちゃんと目覚めており万華鏡写輪眼までなりました。その為、うちは一族で保管されていた他人の万華鏡写輪眼を移植して永遠の万華鏡写輪眼にすることになった。この移植は失敗するリスクがあるが、万華鏡写輪眼を万全にしようできるようになるので実行した。

 私はこうして得た永遠の万華鏡写輪眼を使いこなすべく訓練を重ねて力を蓄えていった。おかげですごく強くなったよ。

 しかし、この世界の忍者は本当に化け物ぞろいですね。現実世界の忍者は諜報活動や工作活動はしても暗殺なんかめったにしなかったし、欧米の忍者映画のような忍術は当然ながら使えなかったのに、この世界では忍者が強すぎて忍者が国の軍事力の象徴になっています。

 その所為で侍はザコ扱いで、大名ですらお飾りにされているほどです。まさに忍者TUEEEEな世界です。

 ここまで忍者が強いと、この世界は忍者に依存してしまい、文明レベルが停滞してしまうのではないかと心配してしまうほどです。まあ、本当に文明が停滞してしまっても別に構わないか。私には関係ないからね。

 さてと、もうこの世界で得られることは大体吸収したからもういいでしょう。私はいつまでも下っ端扱いで他人に使われるのはごめんですから、そろそろこの世界から引き上げるとしましょう。

 引き上げる具体的な手順は、チート能力を使って次の世界に転移するだけですみます。ここでいなくなったら抜け忍扱いされるかもしれませんがそれは構いません。だってその世界には私はいないのだからどう思われようが関係ないでしょう。


1.プロローグ

2016年06月19日 21時43分12秒 | 小説

 才能という物は平等ではない。才能がない人はどれだけやっても大したことはできないが、逆に才能がある人はそれを容易くできる。勿論、才能だけでなく努力も大切であるし、才能に胡坐をかいて怠けていたら大成することはできないだろうが、それでも才能の差というものは大きい。世の中とはそういうものだ。

 そして、どの分野にしても才能に満ち溢れた天才という者は存在してる。私、姫百合零菜(ひめゆり れいな)もそんな天才の一人だ。

 零菜は武道の才能に優れていた。無手の空手、合気道だけでなく、弓道、なぎなた、剣道などの武器を使った武道でも天才的な能力を発揮した。元々知っていたかのように鍛錬でき、技を振るうことができたし、漫画のように相手の動きを見切る事さえできたのだ。

 当然ながら零菜は学生の頃から女子武道の試合で引っ張りだこになり、その手の業界では知らぬものはいないほどの有名人になった。

 しかし、そんな零菜も病気には勝てず38歳の若さで癌で呆気なく死亡した。そう、自分が死んだ自覚はある。だからいきなり貴女は死にましたなんて言われても納得はできた。

 

 今、私の前には黒い衣に身を包み大鎌を持つ骸骨がいた。それは自らを死神と名乗った。確かにいかにもと言える古式ゆかしい死神姿だ。私はその死神に創作物の世界に転生しないかとスカウトされていた。

「なぜ私を?」
「確かにトリッパーは上位世界人なら誰でもいいわけですが、貴女のような上位世界人の天然能力者は貴重で、そのまま死なせるのは勿体ないからです」

 死神が言うには私は『あらゆる武術の才能』という能力を生まれつき保有しているらしい。私が武道に長けていたのはこの能力の影響らしい。

「残念ながら貴女がいた世界では不思議も神秘もありません。だから精々試合で活躍する程度しかできませんでしたが、様々な下位世界で能力を身に着けていけば漫画の主人公みたいな超人的な活躍もできるようになりますよ」
「それは本当ですか?」

 その話に私は食いついた。そう、私は昔から漫画とかを見て気とか使えたらなと思っていたのだ。まあ当然ながらそんな事はできなかったけど。

「それで貴女の天然能力を補強する為に転生特典を上げます」
「それはテンプレですね」
「まあ、一応こっちで『無限転生』『スキル及びステータス継承』『転生先及び異世界間転移先の指定』『アイテムボックス』『鑑定』の5つを用意しました」
「具体的にはどんな能力ですか?」

 転生特典がすでに決まっているみたいなので訊いてみることにした。

「まず、『無限転生』は、死亡しても前世までの記憶と転生特典を引き継いだまま下位世界に無限に転生できるスキルです」
「何度でも転生できるワケですね」
「その通りです」

 つまり転生先で殺されたりしてもやり直しがきくのか。

「次の『スキル及びステータス継承』は一度でも入手した事があるスキルは転生しても失われず、身体能力などのステータスも生前の能力を最適化して継承できます」
「これは身体を鍛えたり、RPGの世界でステータスを上げた状態で死んだら、それを継承するわけですか?」
「そうですね。だからその手の世界でレベルアップをするのは効果的ですよ」 

 転生して一々体を鍛えなおす必要がないのはありがたい。
 
「『転生先及び異世界間転移先の指定』は文字通り好きな下位世界に移動したり、事前に転生先を指定しておくことで死後にその下位世界に転生できるスキルですね。後、転移と転生はある程度調整ができるので、時間や場所を指定することもできます」
「つまり原作の何年前とか生まれる場所とかも指定できるわけですね?」
「ええ、かなり大雑把になりますが可能です」

 なるほど、この三つの特典は様々な下位世界を転生と転移で巡りながら力を付けていくという目的を相互に補完していることを見ても、どう考えても長期熟成型ですね。まあ最初から俺TUEEEEEーーなんてやっても白けるだけだからこの方が私的には嬉しいです。

「最後の『アイテムボックス』と『鑑定』は異世界転移物のテンプレなので説明は省きましょう」

 なんか手抜き感があるが、アイテムボックスと鑑定なんて定番すぎて説明するまでもないというのはわからなくもないね。それでも便利だからあるのはありがたい。

「分かりました。条件はそれでいいです」
「そうですか。ではいきますよ」

 そう死神がいうと、私の足元の地面にいきなり黒い穴ができて私は落下した。

「ここはテンプレなのーーー!?」 

 私は落下しつつも意識を失ったのだった。