ADONISの手記

主にADONISが書いた二次小説を公開しています。リンクフリーです。

そして、二十年後の未来へ

2011年10月29日 10時11分10秒 | 小説

 ベヅァー戦争の余波で発生したBETA大戦によって、『とある魔術の禁書目録』の世界を楽しもうという私の計画は破綻した。結果としてイベントが尽く潰れてしまったので、計画を破棄して、そこそこな生活を送ることにした。

 問題なく大学を卒業して、卒業と同時に転生した下位世界から離れた。今の私は外見年齢が14歳で固定されているので、もう限界だったのだ。大学時代もいろいろと不審がられていたからね。やれやれです。
 
 他も奴らはどうしたかですか? そうですね。一応話しておきましょう。
 
 上条当麻は、意外にも普通に大学を卒業してサラリーマンになった。まあ例の不幸属性のおかげで毎日毎日様々な不幸にあっているそうです。
 
 一方通行は、しばらくして学園都市を抜けて姿を消したようです。まあ、あいつの能力が強すぎるから平穏な暮らしはできないので人目がない場所でひっそり暮らしているのでしょう。
 
 アレイスターは、プランが修正範囲を逸脱したことから、新しい計画を立案中のようだ。飽きもせず、ご苦労様です。
 
 駒場、浜面、半蔵の三人は他の道使い(タオつかい)たちと同じく学園都市を卒業した後で各勢力に付け狙われて最終的にはモルモットとなり死亡。予想していましたが、悲惨な最期でした。(南無)
 
 妹の涙子は、大学卒業後に普通に会社員となって結婚。今では二児の母をやっているそうです。いや、幸せそうでなりより。
 


 そして私達監察軍はトレーズ・クシュリナーダが中心となって再建に乗り出した。いろいろ大変なようだが、まあ私があの世界を離れるときには再建は完了していた。

 監察軍の再建する場所の決定やコロニーの建造などいろいろやることが多かったけど、ブリタニア帝国の技術力と生産力をもってすればそう時間はかからなかった。というかマジでチートです。スペースコロニーが自動車の様にバンバン製造されていくのは圧巻です。

 進みすぎた科学は魔法と変わらないという言葉がありますが、極度に進化した魔法と科学の両方を使うと凄いですね。
 
 ちなみに監察軍本部の再建場所は、ブリタニア本国かそれとも余所の下位世界にするかで多少揉めたそうです。

 再度のベヅァー進撃が予想されるため、本国に危険が及ばないように『魔法少女リリカルなのは』以外の下位世界にするべきかとも検討されたが、監察軍に対する影響力の減少を考慮すると目の届く範囲でないといけいない。勝手に独立なんかされたら目も当てられないからね。だから、またブリタニア帝国の無人星系を与えられ、そこで監察軍本部を再建した。
 
 こうして入れ物は何とかなったが、むしろ問題なのは激減したトリッパーをどう補充するかだった。その辺りで、死神たちや姫神みこはかなり無茶をしている。特にみこのやり方はいろいろと問題になっている。

 いくらなんでもアレは酷い。恨まれると思うのだけど。
 
 それはともかく私は今では監察軍の科学者をやっている。忘れている人もいると思いますが、私はファティマのスペックをもっていて、更に全知ともいえるアカシックレコードをも保有している。それを使えばどんな技術革新もやれるので、ガンガン活躍していますよ。
 


後書き

 この『とある少女の支配領域』もこれで終わりです。元々は、思いつきで書いた作品でしたが、『超戦士伝説』を補完するために、ベヅァー戦争の影響を受けた発生したBETA大戦を書いてみました。まあ、おかげで原作が滅茶苦茶になり物語が破綻してしまいました。(笑)これで佐天令子の物語は終わりですが、別の作品でゲスト出演も計画しています。でも、それは後の話ですが。(笑)

 

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女子寮もといハーレム屋敷?(十月一日)

2011年10月29日 10時10分56秒 | 小説

 学園都市は180万人を超える学生が生活しており、その大半が寮で生活している。まあ、中には寮で暮らしていないスキルアウトや何故かアパートで暮らしている者もいるが、それは例外だ。

 当然ながら女子寮と男子寮があり、同じ寮に男女が一緒にいるという寮は一部の例外を除いて存在しない。

 その例外が上条当麻のいる寮だ。上条ハーレム屋敷ともいえるこの寮は、佐天令子の上条ハーレム計画の為に作られた。

 現在は、インデックス、姫神 秋沙(ひめがみ あいさ)、吹寄 制理(ふきよせ せいり)、雲川 芹亜(くもかわ せりあ)、風斬 氷華(かざきり ひょうか)、結標 淡希(むすじめ あわき)、ミサカ00001号、五和(いつわ)の八人の女子、男は上条当麻のみで、おまけにスフィンクスというオスの三毛猫が一匹住んでいる、というハーレムにしか見えない状況だ。

 おまけに上条特性を発揮して寮の女性を全て落としている。
 
「おそるべし上条特性」

 確かにインデックスとミサカ00001号に関しては私が手引きしたが、この短期間にここまで女の子をそろえるとは思わなかった。特に吹寄制理と結標淡希を落としているのは予想外だった。原作ではそうでなかったはずだが、私が干渉した結果変化したのだろうか?

 五和に関してはいつの間にか神裂と天草式十字凄教が仲直りして、彼女はインデックスの護衛として派遣されたようだ。
 
 それだけ女性がいるとなると「女三人寄れば姦しい」ということわざもある通りなにかとうるさい。当麻もいろいろと騒動が絶えないだろう。リア充だね。
 
 この寮は一人部屋が十部屋あり、その内の一つが私の物置部屋となっている。ここには『別荘』や仙豆、ポタラなどいろいろなアイテムが保管しており、その関係で当麻には部屋に入らないように注意していた。あいつに幻想殺しでアイテムがダメにされたら困る。
 
 ちなみにこの寮に私の部屋があることを知る者は意外に少ない。それは私を狙って襲撃を仕掛けてくるのを警戒した私が、それを秘密にしているからだ。

 私は小学生の時には学園都市第一位となっていたが、それゆえ原作の一方通行みたいにスキルアウトや最強の称号を狙うバカに襲撃させることが多かった。

 まあ、見た目小学生の女の子だったので舐められていたというのもあるだろう。そういった輩は尽くぶちのめしてやったが、鬱陶しいことこの上ない。
 
 だから強固なセキュリティで守られている学舎の園(まなびやのその)内部の寮を利用する為に常盤台中学に入学したのだ。そのおかげで襲撃を受けなくなったが、小学校時代は本当に鬱陶しかった。というかそんな無駄な事に時間と労力を費やすぐらいなら勉強でもしなさい。学生諸君!
 
「あれ佐天こちらにきていたのか?」
「まあね。たまには部屋の掃除をしておかないといけないから」

 当麻には私の部屋の立ち入りを禁じたので、たまには自分でこちらの部屋を掃除しないといけない。

「それより当麻ずいぶんとにぎやかになったね」

 私は皮肉を込めていう。確かにこの寮の使用許可を与えたがこうまで女の子を連れ込むとは思わなかった。まあ、当麻からしたら成り行きということだろうが。
 
「あのどちら様でしょうか?」と五和が聞いてきた。
「私は佐天令子といってこの寮の大家です」
「はあ、そうですか」
 
「ああ、令子だね」とこちらはインデックス。

 なにげに全員いるので軽く自己紹介です。といっても私は良くも悪くも有名だから学園都市の住民なら大概知っている。
 
 しかし、改めてみるとすごい面々ですね。どちらかというと貧乳組なインデックスとミサカ00001号。巨乳の吹寄制理、雲川芹亜、風斬氷華。それなりに巨乳な結標淡希、姫神 秋沙。隠れ巨乳な五和。おまけにそれぞれの経歴も豪華。
 
 まあ、つぎつぎに美少女を落としまくるというのは主人公にはよくあることなので数多の下位世界からみればそう珍しいことでもないだろう。私が独り身なのにこいつは何やっている、なんて思ってはいないよ。(ホントだよ)

 

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状況確認

2011年10月23日 11時56分22秒 | 小説

 まさに未来都市という印象を与える建物群。そんな都市の道路を多くの電気自動車が走っていた。

 ここはブリタニア帝国の帝都ヒルデガルド。彼のブリタニア帝国発祥の地であり、ブリタニア文明の起源ともいえるシドゥリ教から見れば神聖なる惑星。
 
 この世界の古代ベルカはドイツ語に近い言語が使われているので現実世界のドイツに相当し、ミッドチルダは英語とイギリスに相当していた。

 対してブリタニアは、一応古代ベルカ王族の一人であったシドゥリは古代ベルカ語を採用して貴族の称号をフォンにしてドイツ系の特徴を付けていたが、国名の方はイギリス系にしていた。また人名地名などにいたってはごっちゃまぜになっている。

 これらはブリタニア帝国がアメリカのような人造国家であるという理由もあるが、シドゥリが適当に取り入れた結果であった。
 
 この世界は『魔法少女リリカルなのは』を具現化した下位世界である。最も原作の数百年前から転生者が干渉してきたので現在ではその原型を止めていないし、そもそも物語が終了して千数百年が過ぎている。その為、原作は参考にもならないだろう。
 
 そんな世界で使われている電気自動車は、バッテリーと無線送電施設から供給される重力波ビームを受信してエネルギーを得るという仕組みになっている。この技術は『機動戦艦ナデシコ』でエステバリスという人型機動兵器に使われていたものであるが、帝国では軍事ではなく民間で広く用いられていた。

 ちなみにこの重力波ビームは自動車だけでなく電車やリニアモーターカーにも用いられている。
 
 元々ブリタニア帝国では自動車は電気自動車が主流で、これは古代ベルカが当時ガソリン式自動車を使っていなかった為だ。

 しかし、電気自動車は充電が面倒であった。一応、家庭でも充電でき、都市の各地にガソリンスタンドならぬバッテリー充電所があったが、不便であったのは確かであったので、監察軍が重力波ビームによる無線エネルギー送信技術を手に入れるとそれがあっという間に普及したのだ。その為、利便性が大きく向上していた。
 
 そんな帝国ご自慢の高性能電気自動車を佐天令子が操縦していた。いや操縦というよりも操縦席に座っているだけで後は自動操縦がやっていただけだった。

 ブリタニアではわざわざ自分で操縦しなくてもカーナビのような機械に行き先を入力しておくだけで後は自動で操縦してくれる。この自動操縦は人間が自分で操縦するよりも圧倒的に事故の確率が低くなるので重宝されていた。

 ついでに飲酒運転もこの機能のおかげでなくなった。酒を飲んでもオートで運転させればいいのだ。これは『銀河英雄伝説』の交通システムを採用したものらしい。
 
「学園都市が目じゃないほどの文明だね」

 元から高い文明を誇るのに様々な下位世界の知識と技術を貪欲に取り入れていった結果、ブリタニアは下位世界でも類をみない超大国となっている。そして目的地についた。
 
 ブリタニア帝国皇帝シドゥリの拠点にして、帝国の政治拠点レーゲンブルク宮殿。ここにくるのは流石に初めてだ。

 厳しいチェックを受けて宮殿に入り応接室にて待ち人が来るまで待った。
 
 今回は帝国の要人に会うことではない。監察軍副司令官トレーズ・クシュリナーダと話すためだ。

「やあ、久しぶりだね佐天令子」
「そうですねトレーズ」

 実は私はトレーズが苦手だ。彼はレディ・アンと違って私と同じトリッパーの筈なのにどうも私達とは違うのだ。
 
 ちなみに今生の私は女だし、前世も女なので、よくあるTSトリッパーじゃないよ。そんなわけでトレーズも私をレディとして紳士的に扱ってくれます。

 彼曰く「TSして女性化したトリッパーは扱いに困る」だそうです。なんでも一々その人物の性格を調べて対応しているらしいから確かに面倒ですね。
 
「まずは無事でなりよりだよ」
「そのことだけど、同志達にかなりの被害が出ているようですね」

 ちなみに同志というのはトリッパーのことです。彼等と私は下位世界の安定という目的の元に協力している仲間ですから。まあ、こういう言い方だと共産主義者みたいだけど。

 私達は大っぴらにトリッパーだの上位世界人だと言えないので、同志などの様々な隠語を使うわけです。
 
「ああ監察軍本部にいた者は全滅しているし、各地の世界に送り込まれた刺客に多くの者が討たれている。大半の者は死んでいるよ」
「そうですか。痛ましいことですね」
「そうだな。シリウス、暁美ほむら、エリザベート、ジュラ、皆忘れ得ぬ人達だ」

 トレーズは戦禍で犠牲になった仲間たちを思い沈痛な表情だった。
 
「それで現在生存が確認できている者は?」
「ああ、私と君を除くとシドゥリ陛下、ナジマ、ミズナ、姫神みこ、カリン・エレメント、ザビーネ・クライバー、アズライト・ジュエル、テレサ、ランカ・リー、涼宮ハルヒ、ホシノ・ルリだ。残りはまだ確認が取れていない。確認には時間が掛かる」
「……予想以上に深刻ですね」

 生き残ったトリッパーの数が少なすぎる。どうやら生き残った私は運が良い方みたいだ。確かにフリーザクラスの強者が刺客だったらあっさり殺されていただろう。私の所に来た刺客がBETAごときであったのが幸運といえる。
 
「とりあえず現在は各世界のトリッパーと連絡を取り合っているが、なかなか連絡が取れていない」
「そうですか、それと監察軍の再建に関しては?」
「ああ、それは私が中心となってやることになるだろう」

 確かにトレーズしか人がいないのでそうなるだろう。

「帝国上層部はそれを支持しているのですか?」
「ああシドゥリ陛下が根回しをして下さっている」
「そうですか陛下が…」
 
 シドゥリは私達と同じトリッパーであるが、形式上監察軍の直属の上司という形ですし、ブリタニア帝国の皇帝という立場なので呼び捨てなどしているとマズイ。どこに目や耳があるかわからないのだ。

 その点は私もトレーズも心得ていた。要は前世の天皇陛下の様な感覚で接していた。とにかく公式上は敬っているのだ。
 
「状況が落ち着いたら、君にも情報を送るとしよう」
「ええ、よろしくお願いします」
 


後書き

 ADONISのイメージとしては、ミッドチルダがイギリスで、古代ベルカがドイツ、ブリタニアがアメリカというものです。ブリタニアは良くも悪くもごっちゃまぜで、様々な下位世界からいろいろなものを取り入れています。
 後、重力波ビームってひも付きになって行動範囲が狭いから、兵器としてはどうしてもいまいちなんですよね。そもそも守るべき母艦を敵の射程距離におかないといけないというのは困りもの(笑)。機動兵器は遠距離から敵を叩くのは望ましいですから。
 でも民生品に使うと意外に利便性は良さそうだったので、ブリタニアで活用してみました。
 ちなみに帝国の電気の発電方法は、宇宙空間ではスペースコロニーや民間宇宙船では相転移機関と常温対消滅機関を、有人惑星では魔力炉と常温核融合炉が使われています。

 

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BETA大戦 その四(九月九日)

2011年10月22日 07時56分06秒 | 小説

「はあああっ!!」

 令子が放った気功波がBETAを凪払う。勿論、BETAを潰すだけだからそれほど強力なものにしておらず、省エネでやっていた。

 実の所、BETAはそれほど強くなく、戦闘力で換算すると精々二桁程度にすぎない。それでも常人よりは遥かに強いが、私の相手にはならない。だから軽く攻撃する。

 確かにもっと強力な攻撃もできるのだが、エネルギーの消費もバカにならない。ザコには軽く対処するだけで良いのだ。
 
 令子の現在の戦闘力は30,000。これは能力抜きでBETAの大軍と正面からやり合っても圧倒的に勝利できる戦闘力だ。

 ちなみに上条当麻は戦闘力180程度。これはBETAを生身で倒すには十分であるが、大軍と戦うには心許ない。確かに百体程度なら何とかなるだろうが、後が続かないのだ。
 
 当麻の最大の利点は幻想をうち消す事なので、幻想もへったくれもないBETAの大軍とは相性が悪すぎる。それに幻想殺し(イマジンブレイカー)が私の能力行使に悪影響を与える可能性も否定できない。
 
 そもそも監察軍の人間は負傷時に備えて仙豆を持っている。仙豆は『ドラゴンボール』の世界で製造法を入手して監察軍で量産されたものだ。

 あらゆる怪我を食べるだけで瞬時に治して、体力も回復させるので重宝されている。勿論、怪我や病気を治せるメディカルポッドもあるので、時間を掛けてもいいのならば仙豆を使う必要はない。

 しかし、仙豆は異能の力を帯びていて、当麻が触るとただの豆になってしまうのだ。だから当然ながら当麻には仙豆は支給されていない。

 おまけに当麻は能力や魔法などによる治癒もできないので不利になるから今回の戦いに関わらないように伝えておいた。正直いって当麻が出しゃばっても邪魔にしかならない。
 
「これで終わりのようね」

 世界に散らばったBETA達は粗方排除されていた。今、令子が駆逐したBETAで終わりのようだ。
 
 ここ数日で世界情勢は大きく変化していた。

 イギリスでは軍隊ではBETAに歯が立たないので、女王が自ら無双をやっているらしい。流石に天使長の力があると豪語するだけはある。

 他の欧州各国はフィアンマが無双をやっている。確かにあの聖なる右を使えばBETA粉砕も可能でしょう。

 その他の地域に関しては私が叩いておいた。
 
 しかし、私が言うのもなんだけど、欧州もかなり追いつめられていた。魔術の秘匿をやる余裕もなく、堂々と戦略レベルで魔術サイドの力を使う羽目になった。

 元々『とある魔術の禁書目録』の世界では魔術は公になっておらず、一般には秘匿されている。だから魔術師がどれだけ活躍してもそれは公にならない。

 ついでにいうと欧州の魔術の秘匿ってどうするんだろう? あいつらその辺り考えているのかな。まあ、いいけどね。

 でも学園都市はそんな秘匿とは無縁で、むしろ宣伝とばかりに私の活躍をバンバン流している。その為、一気に世界規模での英雄扱いです。
 
 さて残念だが、ここでめでたしめでたしとはならない。今回の戦いで死者行方不明者が10億人を超えるというシャレにならない被害が出ている。

 その被害は原作の第三次世界大戦の比ではない。原作では二週間で戦争が終わり、その被害も最小限に抑えることができた。

 しかし、今回は一週間とより短い期間で終わらせられたが、その被害は凄まじいことになっている。BETAがその物量にものをいわせて人間を無差別攻撃したからだが、まさかこの短期間にここまで被害が出るとも思わなかった。少々甘く見ていたかも知れないね。
 
 それにしてもこれからどうするか。アレイスターのプラン所か、原作すら思いっきり崩壊している。これでは私の計画もぶっこわれたと判断して良いだろう。

 まあ、私の計画は優先順位が低いから別に痛手ではない。元々、第二の人生をより楽しく為のものにすぎないし、ダメになったというのならば、別の楽しみを見つければ良いだけのことだ。
 
 でも監察軍本部がやられたのは痛い。

 幸いベヅァー撃退には成功しているが、いつベヅァーが再び復活するか分からないという不安もあるしね。

 そこにウィンドウ(空中モニター)が展開された。
『久しいな佐天令子』
「レディ・アン、今回の用件はベヅァーが復活して監察軍本部を消滅させたことですか?」

 モニターに写っているのは監察軍副司令官補佐官をつとめている女性だった。

『……知っていたのか』

 彼女は私がまだ知らないはずの情報を知っている事に驚いたようだ。

「私の能力の一つはアカシックレコードだから、その気になればどんな情報でも手に入れる事ができるわ」
 
『まあいい。ならば話は早い。幸いベヅァーは何とか倒したが、ベヅァーはあちこちの世界にいるトリッパーに刺客を送りつけている。其方はどうだ?』
「それは問題ないわ。今返り討ちにしてやったところだからね」
『そうか、それはなりよりだ。しかし、他の世界では多くのトリッパーが討ち取られている。我々が動き出したときには既に手遅れでな』
「そうですか」

 それも既に知っていることなので構わないが、痛手である事には変わらないね。
 
「それより、こうして連絡をしてきたということは、帝国軍のユクドラシル・システムの使用許可が下りたのですか?」
『そうだ。これからどうする?』
「そうね。とりあえずブリタニア帝国に戻るとしますわ。状況の確認もしておきたいから」
『では転送する』
「ええ」

 その瞬間、佐天令子は『とある魔術の禁書目録』の世界から消えた。
 


後書き

 今回は第三次世界大戦の変わりにBETA大戦が勃発しました。その為、様々なプランが崩壊してしまいました。特にアレイスターのプランは修正不可能でしょう。学園都市では今回の一件を宇宙からの侵略者との戦争と発表しています。真実を知っているアレイスターもそれを話す必要を感じなかった、というよりもあまりにも突拍子もない話なので言っても誰も信じないと判断しています。

 

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BETA大戦 その三(九月八日)

2011年10月19日 21時54分04秒 | 小説

 原作では科学サイドと魔術サイドの対立から第三次世界大戦が起こるはずであった。

 しかし、現在では地球外からの侵略者との全面戦争に突入していた。といっても各国はBETAに対抗できずに一方的に敗退していたが。
 
 そんな中、学園都市最強の絶対能力者(レベル6)が日本国内に存在する四つのハイヴをたった一人で陥落させたという情報が入り、世界中で衝撃が走った。

 軍隊が束になっても歯が立たない化け物の大軍をいとも容易く殲滅する能力者。絶対能力者(レベル6)。学園都市にて、“神の領域の能力”と定義されるそれは凄まじい物だった。

(注)佐天令子は絶対能力を使わずに、あくまで超能力とアカシックレコードでBETAを殲滅していたが、部外者はそれを知らなかった。
 
 絶対能力者の凄まじい力を見せ付けられた各国は対応を二分させる。それは、なりふり構わず学園都市に救援を求める国と、ローマ正教に助けを求める国だった。そして学園都市は自分たちに助けを求める国を支援すると表明した。

 勿論、学園都市に救援を求めた国は学園都市に大きな借りを作ることになる事は承知していたが、今はそんな悠長な事といってる場合ではない。彼等からすればまさに国家存亡の危機であった。
 
 そして、学園都市最強の圧倒的な力は当の学園都市にも波紋を及ぼしていた。能力者である学生達は、その次元違いの能力に戦慄した。

 一歩一歩進んでいけば必ず超能力者になれると信じて頑張っている学生が多い中で、これは刺激が強かった。

 倒せるかも知れないではない。戦いを挑むことすらも考えられない程に圧倒的な力。最強(レベル5)すら超越した無敵(レベル6)。

 その結果、絶対能力者(レベル6)を己の最終目標とする者、それを目指すことを諦める者など様々な学生が出た。

 上層部もあまりにも想定外のことが立て続けに起きている事からかなり動揺が広がっている。正直これ以上の問題は起きて欲しくないと思っている筈だ。
 


『それで俺達に自重しろと?』
「ええ、統括理事会も今回のことでピリピリしているから下手な動きをすれば暗部が動きかねないわ。それは貴方達にとってもマズイでしょう」
『……そうだな』

 令子の言葉に、駒場も頷かざるを得ない。この非常時に統括理事会に目を付けられると、容赦なくやられる可能性が高いのだ。

 これまで駒場たち星の使徒は上手く活動できていたが、それも相手がそこそこの能力を持った能力者個人であったからだ。そもそも無能力者狩りなどやる能力者は大概強能力者(レベル3)か異能力者(レベル2)ぐらいなものであった。

 大能力者(レベル4)辺りになると無能力者(レベル0)には関わらなくなる。だから彼等は中途半端な能力者ばかり撃退していたに過ぎなかった。

 しかし、暗部が動くと言うことは学園都市そのものを敵に回すという事だ。そうなれば戦力的に圧倒的に不利になるだろう。
 
「幸い活動資金はまだあるのだから、無駄遣いをせずに大人しくしておけば問題ないでしょう?」

 令子は駒場たちにかなりの量の金塊を活動資金として渡していた。つまり、駒場にとって令子は最高のスポンサーだった。
 
「いっておくけど、私は貴方達が学園都市に目を付けられても庇い立てはしないから、生き残りたかったら最適な行動を取ることね」

 話はそれだけだと、言うだけ言って令子は通信を切った。駒場には問題が起これば見捨てると言外に伝えておいたのだ。それを理解した上で行動せざるをえないだろう。

 原作のように学園都市の混乱に乗じて派手な行動をとるとやはり暗部が動くだろう。彼等は使い捨ての実験台にすぎないが、それでも投資した以上データはできるだけ取っておきたい。元はとらないといけないからね。
 
「さてあいつ等は上手くいくかしら?」

 令子は薄く笑みを浮かべた。
 


駒場side
 
「駒場さんどうしますか?」

 メンバーの一人がそう尋ねてきた。

「仕方がない。しばらくは大人しくしておこう」

 あいつがわざわざ警告してきたということは本当に危険なのだろう。それに凶暴な能力者は既に撃退している。現在の彼等は無理に行動すべき事はなかった。
 
 彼等は以前やっていた車の盗難やATM強盗なども現在ではやっていない。十分な活動資金があるのでわざわざ盗む必要がないのだ。

 その資金の出所は佐天令子が渡した大量の金塊だった。それは優に数百億円分もあり、それほどの金塊をぽいと渡す令子に唖然としたものだった。

 その金の出所も気になったし、そこまでする理由も分からず困惑したが、目的のためには資金が必要であるため断る事はできなかった。
 
 令子が何を目的としているかまったく分からず警戒していたが、その化け物じみた強さには敵対だけは避けたいと心底思っていた。

 確かに俺達は道使い(タオつかい)であるためそこそこの強さがある。例え相手が大能力者(レベル4)であっても、戦い方次第では十分勝てる。

 しかし、佐天令子は別格だ。能力者としても道使いとしても次元が違う。
 
「しかし、あいつの化け物ぶりはまるで怪獣だよ」
「確かに軍隊相手に勝てる何てレベルではなくて、軍隊でも相手にならないだろうな」
「外見だけではとてもそうは見えないけどな」
 
 能力が幅をきかせる学園都市では外見と強さは比例しない。いかにも強そうという不良などザコに過ぎないのだ。不良とは所詮出来が悪い弱者で、本当に恐ろしいのは優等生。それが学園都市の常識だった。
 
 実のところ学園都市では佐天令子に憧れる者は多い。これはなまじ能力開発により常人には持ち得ない力を手にいれている為だった。より強い力を求めているが為に、分かり易い力を持つ彼女を崇拝するのだろう。

 これには令子の人間離れしたというよりも人形のような美貌も関係していた。(令子はファティマの特性を持つが故にそういう容姿をしていた)

 何時の世も美人は特をするということだろう。

 

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BETA大戦 その二(九月六日)

2011年10月15日 20時13分53秒 | 小説

 日米同盟。日本国とアメリカ合衆国との間に結ばれている軍事同盟で、この世界でもそれは存在しており、その内容は日本が他国に侵略されたらアメリカ軍が守るというものだった。

 ここで問題なのが地球外生命体からの侵略など想定していないという事だった。他国ではないので法的に動けず、そうこうしている内に在日米軍に本国に帰還するように命令が下った。

 何しろアメリカ本土にもBETAが現れて物量戦をやる羽目になってしまっているのだ。少しでも戦力を回すために海外に展開している部隊も呼び戻すというのは間違っていない。

 しかし、日本としてはたまったものではなかった。それはそうだろう。頼みの綱の米軍に見捨てられた形になったからだ。

 しかも、自衛隊はBETAに歯が立たずあっさりと壊滅。その時の日本政府の動揺は凄まじい物だった。
 
 普通に考えれば、それば当たり前の事だ。そもそも日米同盟にしてもアメリカはあくまで国益のためにそれを結んでいるに過ぎない。国益が絡めば見捨てられるのはおかしな話ではない。

 結局、自分たちの国は自分たちで守るのが当たり前だが、当時の日本はそれを忘れていた。
 
 追いつめられた日本政府はなりふり構わずに学園都市に救援を求めた。

 実は日本政府は学園都市を苦々しく思っていた。学園都市は日本国内でありながらも実質的には独立国として機能していた。

 一応、形式上では日本をたてているものの実利はなく、ただ国土を切り取られただけの形となっていた為に学園都市を嫌っていたのだが、この際贅沢を言っていられなかった。
 
 しかし、学園都市としてもこれには困った。実は学園都市には正規軍というものはない。アンチスキルという警備員を兼業している教師がいるだけだ。おまけに数も少ない。

 そもそも学園都市には一機250億もする高性能攻撃ヘリや高性能戦闘機などがあるが光線級により使用不能であった。かといって駆動鎧(パワードスーツ)では役不足。つまり決定的に戦力が足りなかった。そこで彼等は切り札を投入した。
 


 横浜ハイヴ。横浜に出現したそれは日本の脅威であった。自衛隊が為す術もなく敗退して周辺住民が虐殺させる。そんなハイヴに上空から高速接近する物体が存在した。

 いうまでもなくハイヴはBETAたちの拠点であり、光線級と重光線級も多数存在していた。そんな中に空から接近するなど普通なら自殺行為であった。実際多数のレーザーが飛行物体に襲いかかる。レーザーの命中率は実体弾の数千倍にも及び、最新鋭のジェット戦闘機ですらのろまな亀にすぎなかった。

 しかし、着弾したレーザーは呆気なく屈折し拡散した。それは窓ガラスに水鉄砲が弾かれてしまったかのような呆気なさだった。

 ディストーション・フィールド。空間歪曲を利用した防御兵器でレーザーなどの光学兵器に対して極めて効果的なバリアであった。そのフィールドを展開しているのは航空機ではなく、生身の人間にすぎない佐天令子であった。
 
「邪魔よ!」

 令子は能力を振るう。BETAの気を把握して、その身体を構成している素粒子に干渉して、あっという間に地上に展開していたBETAの大軍は塵にした。
 
「とっとと失せろ」

 更に地下にいるBETAと反応炉を消した。支配領域その攻撃範囲は極めて広い。何しろ地球上何処にいても気配を感じたりアカシックレコードを応用して攻撃できるのだ。極端な話を言えば学園都市にとどまったままで地球各地のBETAを遠隔攻撃が可能であった。

 それでもハイヴの近くまで来てから潰しているのは、佐天令子が自らやったと認識させる為だった。このハイヴは衛星を初めとする様々な観測機器で監視されている。この戦いも当然知れ渡るだろう。
 
「さてと、後三つ」

 日本国内に存在するハイヴは合計四つ。残り三つだ。BETA普通の人間にとっては極めて脅威だが、私にとっては害虫駆除にようなものだ。もはや戦いにもならない。
 
「さっさと片づけて、おかしでも食べるとしましょう」

 

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BETA大戦 その一(九月三日)

2011年10月15日 20時07分20秒 | 小説

(注)ここからの話は、『ADONISの手記』に掲載している『超戦士伝説』と話が繋がっています。ですから先に『超戦士伝説』をお読みになることをお薦め致します。
 


『とある魔術の禁書目録』。それは『超能力』を科学で開発する科学サイドと、科学とは異なる法則『魔術』を用いる魔術サイドを描いた物語である。

 それゆえそれが元となっているこの下位世界もそうであるはずだったし、その世界にトリップした佐天も決定的に原作を破壊しないようにしていた。

 まあ、上条をやたらと強化したりしたので原作ブレイクは十分しているという意見もあったが(汗)
 
 だがその物語の破綻は唐突に現れた。BETA。マブラヴという物語で登場する人類に敵対的な地球外からの侵略者。

 テレビのニュースでBETAが写った時は思わず吹き出した。って、いつからこの物語は宇宙人ものになったんだ? それとも実はマブラヴとのクロスオーバーの世界だったというオチですか? とまあ、つっこみ所が満載だったので、確認のために監察軍本部に連絡を入れようとしたわけであるが、監察軍本部との連絡が付かない。
 
 これは大問題であった。実は監察軍に所属するトリッパーは様々な下位世界に行き来するが、それには監察軍本部にある『ユグドラシル・システム』が必要だ。

 この『ユグドラシル・システム』というのは、ブリタニア帝国が死神からの技術提供で完成させた物で、どこでもドアのように世界と世界を繋げる回線(ライン)を構築する物だ。

 ちなみにこの回線で繋がった世界間ならばシステムによって回線を通じて人や艦船などを転移させる事ができる。基本的に監察軍に所属する個人や艦船はこの回線を通じて監察軍本部と通信を取り、システム管理者に依頼して転送して貰うのだ。

 つまり『ユグドラシル・システム』が異世界間の移動のカギといえるが、中には第六魔法やチート能力でシステムに頼らず自力で異世界間を自由自在に転移出来る者もいる。(ザビーネ・クライバー、姫神みこ)
 
 監察軍に何が起きたとなるとこれはマズイ。

 ちなみにこの場合は、ブリタニア帝国軍の『ユグドラシル・システム』の方にアクセスすればいいことになっている。帝国軍と監察軍はお互いの不足の事態に備えて、バックアップを取り合っていた。

 流石に監察軍側のシステムだけで運営してはいない。万が一の自体ぐらいは想定していた。とはいえ監察軍は帝国軍とは管轄が違う。令子はトリッパーであるが、監察軍の重役ではないので、帝国軍に要請しづらいく、本当に緊急事態でなければやりたくない。
 
 仕方ない。アカシックレコードから情報を引き出す。アカシックレコードはあらゆる下位世界の過去・現在・未来の情報を見ることができるのでとても便利で全知ともいえるチート能力であるが、あまりにも便利すぎて、それに依存しすぎると人生に面白みがなくなってしまうし、ダメ人間になってしまいそうなので、令子はあまり使わないようにしていた。
 
 ………。
 
 最悪だ。それが令子の感想だった。ベヅッーによって監察軍本部は消滅していた。当然ながら監察軍側のユグドラシル・システムもやられている上に、多くのトリッパーが犠牲になっている。

 現在も戦闘中であるらしいが、今の私ではブリタニアに行くことすらできない。帝国軍のユグドラシル・システムはこの非常時に使えるわけがない。かといって自力で別の下位世界に行く能力は持っていない。
 
 おまけに仮に行けたとしてもベヅァーが相手では歯が立たない。そもそも令子はフリーザ(ドラゴンボール)にも勝てないのだ。あの超サイヤ人4のミズナを圧倒するような化け物にかなうわけがない。次元が違いすぎる。
 
 とにかく今はできることからやるべきだ。例のBETAは、ベヅァーがトリッパーである私を抹殺するために送りつけた刺客である事が確認できたので、まずはこれを片づけないといけない。

 情報によると私を抹殺する為に送られたのは、魔改造されたBETAというワケでもなく、ごく普通のBETAにすぎない。ならば返り討ちにすることは容易い。伊達にBETAと戦い続けているわけではない。
 


 窓のないビル。そこで一人の男が突如として発生したイレギュラーの対策を考えていた。といっても地球外からの侵略者など想定しておらず、ろくな情報もないので対策をたてようがなかった。
 
「……というわけね」
「ほう、つまりあれは君の敵というワケか」

 私の説明を聞いたアレイスターの言葉には少なからず刺があるが、それも仕方ない。あれだけのイレジュラーで、どう修正するか? さぞかし頭が痛いだろう。
 
 ちなみにバカ正直にアレイスターに全てを伝えたわけではない。

 別の世界で自分たちの組織に敵対する者がいて、そいつがBETAを送り込んだと伝えただけだ。大まかにはあっているものの大半の情報は伏せていた。わざわざ言う必要はないしね。
 
 それで、現在地球各地にいきなりハイヴが出現して、BETAが侵攻を開始していた。それにより現地の住民達が虐殺されていた。もちろん各国の軍も無抵抗ではなくちゃんと動いていたが、光線級により航空機が無力化された上に圧倒的な物量の前に為す術がなかった。
 
 現代の戦争は、制空権を確保することが基本だ。その制空権が確保できないとなるとそれはやりにくいだろう。戦車とかではBETAに対抗できなかったようだしね。
 
「いくら私でも一度にあれを始末できないわ。まずはオリジナルハイヴを潰さないといけないけど、場所が悪すぎる」

 ベヅァーが数百ものハイヴをこの世界に送り込んでいたので、BETAの総数も相当なものになっている。となると頭を先に潰しておきたいのだが、オリジナルハイヴはイタリアにあるようだ。

 思いっきり魔術サイド側なので学園都市としては干渉しにくい。となると他のハイヴを潰すべきだろう。

 とりあえずはお膝元の日本に現れたハイヴは潰しておこう。

 

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ポタラ(九月二日)

2011年10月10日 22時11分47秒 | 小説

「レベルアップですか?」
「はい。学園都市第一位である貴女なら何かご存じでしょうか、とミサカは聞いてみます」

 令子はミサカ達に質問を受けた。

 何でも先日オリジナルである御坂御琴の力を見て、流石に力の差を痛感した彼女たちはレベルアップに興味を示したらしい。妹達のスペックはオリジナルの百分の一以下だから無理もないけどね。
 
「それは分かりましたが、何故私に聞くのです?」

 いくら学園都市第一位でも学生にすぎない令子に聞きにくることではない。

「確かに現在の学園都市ではレベルアップは望めませんが、貴女は学園都市の能力とは別の法則による力を発明しているらしいので聞いてみました」

 道(タオ)か。まあ、あれだけ派手にやると分かりやすいでしょう。それに別に隠しているわけでもない。星の使徒の連中ならば誰でも知っている事だし、その噂も結構盛大に流れている。
 
「でも能力の強化ですか……」

 結構難しい事だ。幻想御手のような事をすれば一時的に能力を上昇できるが、あれでは紛い物に過ぎないし、副作用もバカにならない。

 かといって道(タオ)も無理だ。オリジナルの御坂と、そのクローンであるミサカには道(タオ)の才能がない。
 
 むっ、パワーアップ? そういえば、この間監察軍で手に入れたポタラがあった。あれなら能力の向上ができるかもしれない。

 ポタラはあるトリッパーが『ドラゴンボール』の世界で入手した合体アイテムで、監察軍が解析して、生産が可能となった物だ。あれならば合体する二人の相性さえ良ければかなりのパワーアップになるだろう。
 
「合体ですか?」
「まあ、試しにこれを付けてみて」とミサカにポタラを付けさせた。
「ああっ」
「ぶ、ぶつか…」

 二人のミサカがぶつかり、一人の少女が現れた。それはミサカそっくりで服装も変わりはなかった。ポタラによる合体は二人の外見と服装を混ぜ合わせた様な物になるが、二人ともそっくりな外見で服装も同じであれば変化は見られないようだ。
 
 ちなみにこういう合体とかはトリッパーにはできない。何故かというと“トリッパーの魂には下位世界に存在する者は干渉できない”という法則があるからだ。だから破壊神ベヅァーでもトリッパーの魂に攻撃する事はできない。

 できるとしたら上位世界の死神や神々ぐらいなものだろう。そのため、ギニュー隊長(ドラゴンボール)のように他人と肉体を入れ替えるという事もできないし、別人の肉体や人形に魂を移すという事も無理。これはトリッパーの長所でもあるが短所でもある。
 
 その後いろいろ試してみたが、想像以上に能力が上がっていた。なんとオリジナルよりもパワーが上になったのだ。正直ポタラでここまで強くなるとは思わなかった。戦闘力ならともかく学園都市の能力は脳の出来が肝心だからね。

 まあ、ミサカ達はまったく同じ種類の能力で、同じくらいの強さだったから相乗効果があったのだろう。

 これが違う種類の能力者同士だったら脳の関係で、多重能力などという便利な者になるどころか、衝突して自滅しかねなかっただろう。何しろ人間の脳では多重能力は不可能というのは学園都市では実証済みな事だしね。
 
「興味深いデータも取れたし、めでたしです」

 令子はミサカに元の二人に戻りたかったら、上条当麻に右手で身体を触って貰えばいいと伝えておいた。

 ポタラによる合体の解除は原作では魔人ブウの体内の空気がなければできなかったが、幻想の力が働いているので、幻想殺し(イマジンブレイカー)ならば簡単に解除できるのは実験で実証されている。

 ちなみに、ミサカもしばらくは超能力者(レベル5)をやっていたが、後日当麻に合体を解除して貰ったらしい。

 

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とある少女の支配領域 5-2

2011年10月02日 14時54分50秒 | 小説

 八月三十一日。夏休みの最終日。

 この日は学生にとって特別な意味がある。そう、夏休みの宿題の最終期限だ。未だに宿題を終わらせていない学生が結構いて焦っている者も毎年それなりにいる。上条当麻も原作では宿題を終わらせていなかった。今回はどうだったかは知らないけどね。
 
 私? 私の所属する常盤台中学は夏休みの宿題なんかないので、そもそも関係ないですね。

 まあ、変わりに普段の授業などがハイレベルだよ。世界でも通用する人材を育てるという方針ですから。

 当麻は、この夏休みはいろいろイベントが盛りだくさんで、錬金術師と戦ったり、大天使と遭遇していたりと波瀾万丈でしたが、私は意味もなく散歩をしていた。
 
「う~ん、今日は何かイベントあったかな?」

 確か打ち止め(ラストオーダー)の一件も終わらせているし、闇咲 逢魔(やみさか おうま)が想いを寄せる女にかけられた呪いも以前に当麻と一緒に壊している。

 いや、当麻っていい人だよね。呪いに苦しめられている人がいるから、助けにいこう。で話がすむ。普通はこうはいかないよ。と考え事をしていたのが悪かったのか、誰かとぶつかってしまった。

「あっ、ごめんなさい」
「いえ」

 ぶつかったのはさわやか青年という感じの男だった。確か海原光貴(うみばらみつき)だったかな? それに側に御坂もいた。

 御坂さんの近くにいる海原から妙な圧迫感を感じる。これは絶対能力者に起こる魔術の拒絶反応。ということはあの男は魔術を使っているということだ。
 
 あっ、そういえば海原って偽物なアステカ魔術師だった。ということは他人に化ける変装の魔術をつかっているのだろう。

 海原は、私には関係ないかもと思うけど、確かあいつは上条グループを始末するのが目的だったね。となると私も上条グループの一員扱いされているでしょうから無関係というわけにはいかない。邪魔かもしれないから始末するか?

 いや、確か当麻がほっといても解決していたね。ならほっといても良いと思うけど、一応対処しておくか。なんて考えていると、いきなり御坂が当麻にアタックしていった。あれ、ずいぶんと積極的だね。
 


御坂美琴side
 
 何か散歩でもしていようかと思っていたら海原という男にあった。どういうワケかこの男、私に気があるらしい。

 この男は苦手だ。誘われているのは分かるが断りにくいのだ。誰か適当な相手でもと思っていたらあいつが目に留まった。
 
 上条当麻。彼を意識したのは、私そっくりなクローンを見つけたのが切欠だ。それ以前から、私の軍用クローンが作られているという噂があった。しかし、所詮は根拠もないデタラメだと思っていた。
 
 なのに。そう、認めざるを得ない。クローンが実在している事を。彼女を問いただしたが機密だから話せないといわれ、詳しい事情は佐天令子に聞くように言われた。佐天は彼女に伝言を頼んでいたのだ。
 
 そして、佐天から一連の実験の事を知らされた。衝撃だった。あのツンツン頭の男、上条当麻が私のクローン達を助けるためにあの一方通行(アクセラレータ)に戦いを挑んでいたなんて知らなかった。

 私は彼に能力が通用しないことにむきになって普通ならば死んでしまうような攻撃を繰り返した。まるでケンカを売るような振る舞いばかりしていたのに、そんな私の妹とも言える彼女たちを守るために戦ってくれていたのだ。
 
 あんな事をした私は、彼に会わせる顔がないと思った。それでも、何も言わないわけにはいかない。しどろもどろになりながらも私は何とか礼を言う。
 
「まあ、御坂妹が無事だったからそれでいいさ」

 彼はことなしげにそういった。まるで恩にきせたような言い方ではなく、無事だったから良いという考え。その時感じた。ああ、この人はいい人なんだと。底なしの善人なんだと。
 
 それからだろうか彼のことを意識するようになったのは。最初は借りを返したいと思っているだけだと考えていたが、次第に異性として懸想しているのだと気付いた。その事を思い出した私は顔を赤くした。テレ隠しもかねて当麻にアタックした。
 


令子side
 
 いきなりな御坂の行動に呆気にとられている海原。気を取り直して御坂だけでなく私や当麻に話しかけてきた。
 
「そういえば海原さんショチトルさんはお元気ですか?」
「ああ、元気だ……!?」

 さりげなく爆弾発言をした。正体がばれている事に気がついたのだろう。海原の表情が硬くなる。
 
「御坂さんに当麻、ちょっと私が彼と話しておきたいことがあるので、すみませんが席を外して貰って構いませんか?」
「えっ? まあ、いいけど」
「佐天どういうことだ?」

 流石に疑問に思ったのか当麻が聞いてきた。

「いいから、言うとおりにしてね」
「……わかった」

 戸惑いながらも御坂と当麻はその場を離れていく。
 
「随分と上手く化けたものですね。魔術というのは以外に便利ですね」

 二人だけになると私は海原に話しかけた。
 
「本名はエツァリ。中米の魔術結社「翼ある者の帰還」に所属しているアステカの魔術師。上条当麻が科学サイドと魔術サイドと繋がりができたことで上条勢力という新たなる団体ができことを警戒した組織の命令により、学園都市に潜入して、上条の仲間関係を壊すことを計画中である。以上、相違はあるかしら?」
「……貴女はなにもかもお見通しというわけですか。その通りですよ」

 誤魔化すことはできないと悟ったのだろう。海原は諦めたように言いながら、海原がナイフの様な物を取り出すが、即座にそれが消滅した。
 
「なっ!?」
「無駄よ。霊装を使わせると思ったの?」

 支配領域(テリトリー)はあらゆる素粒子に干渉してありとあらゆる物質を操る。当然霊装であろうと原子レベルで消し去ることが可能である。
 
「がはっ!?」

 令子は、海原の周囲の気圧をいきなり下げた。気圧の低下により高山病で海原は倒れた。

 こいつは魔術サイドの人間なので、私が始末するのはマズイでしょうね。だから別の者に始末させる。
 
「アレイスター、聞いていると思うけど彼に関しては貴方が適切に対処してね」

 アレイスターは滞空回線(アンダーライン)で学園都市中の情報を集めている。当然ながらここで起こったこともアレイスターが把握している筈だ。

 さてと、これでイベント完了です。
 


後書き

 うっかり海原と上条の約束イベントを潰してしまう佐天ちゃん。(笑)

 

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