阿部ブログ

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バルト三国、東欧へのF-22の展開~苛立つロシア軍

2016年04月29日 | 雑感
ロシアの飛び地であるカリーニングラードから発進したSu-27が、米空軍の RC-135に対し、バレルロールを打った。米国防総省報道官によると、Su-27は RC-135に25フィートまで接近したと話をしている。ロシア空有軍機による米軍機への異常接近事案は4月14日に続き二回目である。ロシア国防省はRC-135のトランスポンダーがオフであったとしている。そりゃそうだRC-135は偵察機だもの。トランスポンダーは、航空管制システムからの電波を受信し、増幅したのち受信周波数とは異なる周波数で送信する中継器のこと。RC-135を防空レーダーで捉えたロシア軍は、当該航空機の位置情報を確認できない為、スクランブルを掛けたと言うこと。
ロシアはトランスポンダーがオフだったと指摘しているが、エストニアの Hannes Hanso 国防相によると、ロシア機は日常的にエストニアの領空を侵犯しており、トランスポンダーを切っていると発言している。ロシアも同じ穴のムジナなのだ。

ロシアはかなりいらついている。何故なら、米軍空軍やイギリス軍がバルト三国や東欧に空軍機を展開しているからだ。
4月22日、ルーマニアの Mihail Kogalniceanu空軍基地に、米空軍がF-22Aラプター戦闘機2機、KC-135の1機を展開。KC-135は、予備役の第916空中給油航空団(916th Air Refueling Wing, Seymour Johnson AFB, NC)所属の空中空輸機。
4月27日、米空軍は第325戦術航空団((325th Fighter Wing, Tyndall AFB, FL)/第95戦闘機隊((95th Fighter Squadron)の F-22Aラプター戦闘機2機、KC-135R1機をリトアニアの Siauliai空軍基地に派遣。
4月28日にはポルトガル空軍のF-16 4機がリトアニアの Siauliai空軍基地に展開。この日、イギリス国防省は、英空軍のTyphoon戦闘機×4機をエストニアの Amari空軍基地に AB に派遣すると発表している。
これらバルト三国への空軍機を展開するのはNATOが実施するBaltic Air Policingと呼ばれる領空警備の一貫で、2004年3月から実施されている。

NATOの空軍機展開だけでなく、ロシアのクリミア併合後、ポーランド、ウクライナ、ポーランド、ブルガリア、リトアニアなどの陸軍では合同旅団を編成して、ロシアの軍事的脅威に対抗しようとしている。またドイツ軍を主力とするNATOの大隊規模600人の戦闘群をリトアニアに配置する。ドイツはバルト三国との合同訓練、合同演習を実施することになる。最終的には、7月のNATO首脳会議で最終的に決定される。

ブラッド・ランドでの平和が続くことを祈るばかりだ。

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