夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

田崎草雲 その1 松に冨士 

2011-07-28 06:01:04 | 掛け軸
本作品は富士シリーズ?としていくつかの作品と一緒に紹介しましたが、今回は改めて一つの作品として投稿します。

松に冨士 田崎草雲筆
絹装軸絹本水墨淡彩箱入 
画サイズ:横500*縦1275



本作品は田崎草雲が81歳(明治28年)の最晩年の作品。

富岳図は草雲の最も得意とる画題であり、海外からの評価も高く人気がありました

賛には「草雲匠叟 当年八十一写 白石山房中」とあります。



入手時に表具が痛んでおり、いつものとおり改装しております。

画風、落款、印章から真作と判断できます。

草雲の作品で思い出があるのは義父が友人の経営する飲食店を訪れ、軸を見せて頂いたことです。郷里の収集家が草雲の「韓信の股くぐり図」を所蔵しており、くすんでいたのを洗い綺麗な状態にし、ある人に鑑定していただき真作と評価されご満悦でした。その時初めて「草雲」という名前を覚えました。

田崎草雲は明治以降の南画家中最も覇気に富んだ画家(文化12年~明治31年:1815~98)、享年84歳。

足利藩の江戸屋敷に生まれ、名は芸といい、梅渓・白石生・硯田農夫・七里香草堂・蓮岱
と号した。金井烏洲、加藤梅翁に師事、初号を梅渓とした。

天保5年に足利藩脱藩ののち、翌年春木南溟に入門、その後渡辺崋山、徐煕にも私淑。花鳥画を得意としていたが、明末の蘇州の画人盛茂の画風を学ぶに至って花鳥画から山水画へ関心が移った。明治11年以降郷里足利の白石山房に閑居する。
     


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